Akashic Records

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オムツかぶれの対処法


ある小児科のサイトでは、「紙おむつが普及してから、外来に来るオムツかぶれの患児が年間数万人から数百人に減少した。」と書かれていました。

そうなると、オムツかぶれの原因はなんだろうか?となりませんか?

原因の殆どはカンジダ菌などの、真菌と呼ばれるカビの仲間達です。
よく考えると、当たり前なんです。だって、オムツの中は、カビにとって絶好の繁殖場所です。

紙おむつが普及する前は布オムツしかなかった。その時期のオムツの中を考えると、

1.ビニールのオムツカバーの中に布のオムツが敷いてある。
2.おしっこをしても、出口もなく閉じこめられてジュクジュク
3.しかも、世話をしてくれる人が忙しい、または寝ている時には、その状態が続く事になる。
4.もしかして、ウンチもでるかも?
5.おしっこには、まだ、栄養があることは、最近よく知られていますね。多くはありませんが。
でも、カビには十分な栄養源。赤ちゃんや老人の垢や便だってあります。食べ物には困りません。
6.カビは、乾燥した環境には育ちません。しかし、ビニールの中のオムツはおしっこでジュックリ。
何も、水分に困ることがありません。
7.その上、布があるじゃないですか。そこで育てば問題ないし、もしかしたら、赤ちゃんや、お年寄りにも寄生できるかも?

カビから見れば、こんな感じでしょうか。

しかし、これだけでは、カビが老人・赤ちゃんの皮膚に感染することはありません。

昨日、言った通り、皮膚には防御機構が備わっているんです。

でも、皮膚の防御機構の一番の肝は、最近が繁殖できないpHにあるんです。

布オムツに付いたカビが繁殖すると、強い酸性を示します。コレで、皮膚の防御機構を破るんです。
でも、コレには時間がかかります。

一番、防御機構を壊しているもの。それは便です。
便の中には、ちょっと難しい話になるんですが、肝臓の消化酵素であるリパーゼなどの酵素なんかも混じってます。コレは、強い酸性やアルカリ性を示し。さらには脂を溶かす効果も持ち合わせています。
こんなものが、お尻に長いことくっついていたんじゃ、皮膚の防御機構も一溜まりではありません。

防御機構の無くなったお尻に、悠々とカビが寄生出来る理由です。


じゃあ、どうやって防ぐのか?

それは、お尻だってお肌です。洗うのが一番。
特に、便が出たら、お尻ナップで拭き取るのではなく座浴(洗面器にお湯やこの際、水でも良いですをはって洗うこと)。コレに限ります。

かぶれている子は、お尻を1日2~3回。便が出て無くても洗う。こうすれば、そのうち収まります。
酷いときには、病院でアンダーム軟膏(クリームは駄目です)などの、非ステロイド軟膏を使うと良いです。

「病院まで行くほどでは…」「病院行くのが面倒・嫌い」って場合は、抗炎症剤の軟膏なんか無くても、皮脂を補うためにワセリンなんかを、薬局で買うといいです。

軟膏もそうですが、ワセリンも、薄ーく塗って、ティッシュなんかでも良いですけど、軽く拭き取ってあげて下さい。余分な脂を落とす意味で。多すぎても、細菌の栄養になりますよ。

それと、石鹸で洗わない。洗うときには、上記の方法で皮脂を補ってあげることです。あと、石鹸は、良く洗い流す。

これで、軽いやつは2~3日で治ると思います。

座浴。外出時は出来ないし、ちょっと、面倒なんですが、効果は覿面ですよ。

P.S.

さらに、オムツのことですが、通気性の良いものが良いです。乾燥した状態。はっきり言えば、何もつけない裸の状態が、人間にとっては普通なんです。
本来、オムツをはめていること自体が、人類にとっては異常な状態かもしれません。

あと、最後になってしまいましたが、個人的には紙オムツ推奨なんです。最近の良い奴は通気性も良い(パン○ースとか。老人用も出さないかなぁ?)であうから、出来るだけ、乾燥しているに超したことは無いんです。
また、話が逸れた。そう、紙おむつ事態にアレルギーを持っている方(子)がいます。
こんな方にも、「洗うこと」「ワセリンなどで、防御機構を補うこと(年寄りの皮膚は乾燥しています)」は効果があります。

あと、これは、どちらかと言えば予防医学なんです。
本当に、真菌にかかっている、重症なかぶれは、病院に行って、内服の抗真菌薬をもらった方が、断然早いです。


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