アラ還の独り言

アラ還の独り言

2018年01月14日
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カテゴリ: プレスリリース
この年末から年始にかけて糖尿病に関していろいろな記事を読みました。

「GLP-1 release and vagal afferent activation mediate the beneficial metabolic and chronotherapeutic effects of D-allulose」https://www.nature.com/articles/s41467-017-02488-y

アルロースがGLP-1受容体作動薬として経口投与でマウスに働くという論文です。アルロースは低カロリー甘味料として最近注目されている希少糖です。天然には微量しか存在しませんが、工業的に生産可能です。

既に糖尿病や動脈硬化に動物実験レベルで効果が示されています。砂糖の代わりに使うには熱によって変性するのであまりおすすめではありません、人間での臨床試験をうけて、特定保健用食品としてアルロースが認可されることが期待されます。

「【特集】変わる糖尿病患者の食事法 Part1 筋肉を作る蛋白質から食べてインスリンの分泌を促す」http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/sped/1712cvm/201712/554054.html

食べる順番を変えることによって糖尿病の血糖の急激な上昇を抑えることは有用である事の解説記事です。野菜から食べるだけでなく、肉や魚から食べろということを人間のデータによって示されています。非観血的に血糖値を連続して計ることがFreeStyleリブレによって可能になってきたので、こういった順番を変えるだけで効果があるなどの臨床試験は容易になってきたと思います。

「【特集】変わる糖尿病患者の食事法 Part2 「時間生物学」という切り口から生まれた時計遺伝子を有効に利用する食事のタイミング」http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/sped/1712cvm/201712/554058.html
こちらははやりの時計遺伝子BMAL1でのマウスでの実験からの推奨です。これはまだ少し眉唾です。というのはマウスとヒトでは時間遺伝子の発現は異なることが知られているからです。ですから、マウスでの最適解はもしかするとヒトでは最適解ではない可能性があるからです。日内変動に関する文献ではマウスを用いた実験では必ず考察でマウスは夜行性でヒトは(原則として)昼行性であることから、マウスから得られた至適時間をそのままヒトに応用するのではなく、12時間ずらす等の検討が必要で、そこから、もう一度人間で試さないと分からないといわれています。この観点からする人間に対する応用はもう少し待った方がいいかと思います。

リポート◎糖尿病の新管理指標「血糖トレンド」に注目集まる 血糖管理はHbA1cを見るだけでは不十分
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201801/554321.html
測定方法が進化することによって、病気の評価方法が変わっていくという典型例でしょう。持続血糖測定値が簡単にえら得ることによってHbAcの価値が落ちてきたというお話しです。
HbA1cがでてきた頃には空腹時血糖という点ではなく、数カ月間の血糖値の平均値が出るので大変優れた検査値と言われたのを思い出します。測定方法の進化が病態を明らかにしていくというお話しなので、私の好きな分野です。

糖尿病と並ぶ生活習慣病に高血圧があります。これもカフを使わないで連続的に血圧を測ることができれば、またお話しが変わってくると思います。特に血圧に関しては家庭血圧の概念(毎日測定可能)が入って診断基準に変化がありました。ウエアラブルなカフが入らない血圧測定が可能になれば、今はやりの高血圧サージの発生時にアラームを鳴らせるので、大変有用だと思います。使用可能になって、お風呂での事故などを減らせれば非常に有用では無いかと思います。






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最終更新日  2018年01月14日 11時19分43秒
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