February 22, 2006
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前回

前回は多くのコメントを頂き、ありがとうございました。その体験談などからも、妊娠中は厳格な除去を行わなくても、回転食を心がけ、加熱を充分にするなど、調理法の工夫と食材選びをするだけでも、食物アレルギー・アトピー予防に最も重要ではないかと、ますます考えさせられました。


妊娠中の除去食の是非については、多くの見解が出ていますし、実際、どの時期から開始するのか、どの程度の除去をするのか、日頃の食生活の内容(除去していないとき)なども含め、出産前後の生活環境や育児法など、多くの因子が絡んで、厳密には答えが出せません。先生方の意見も分かれています。また、万が一、これらがまったく同じ条件の妊婦さんがいたとしても、赤ちゃん本人の体質が違うと思うので、それにより発症の有無や程度は千差万別であると考えています。


食物アレルギーの手びき改訂第2版 を書かれた先生が行った統計調査では、アレルギー素因をもつ児で(第2子)、妊娠8ヶ月から生後8ヶ月まで母子とも卵を完全除去したら、5歳までにアトピー性皮膚炎と喘息が約1/2~1/3に減少したそうです。ただ、この統計が15年から20年前のものであり、当時のように卵・乳が主なアレルゲンであった時代と異なり、マルチアレルゲンである子供が急増している現代、このデータで対応できないこともあるようです。つまり、卵だけ除去しても、他の食材で生や半加熱品を食べていたり、偏った食品を食べていれば、結局、予防法にはならない可能性が高いからです。


そのため、まずは妊娠中は赤ちゃんを無事に生むことを優先的に考えることが重要だと思います。そして、除去食という食生活を考えると、精神的・肉体的ストレスがたまりやすい方は、 前回の提案 だけは少なくとも実行してもらいたいなと思います。回転食は無理のない範囲で、特にタンパク源だけ気合を入れるつもりで(笑)。

また、上のお子さんやご家族に食物アレルギーがある場合、家族全員とはいわないまでも、母親が除去食に準じた食生活を送っている場合が多いと思います(まったく同じでなくても…)。この場合は、それ以上、厳格な除去食にしてしまうと、母親への負担が高まるので、上のお子さんやご家族と同じ食生活を心がけるだけで充分だそうです。

ただし、そのお子さんやご家族とまったく別の食生活、または上のお子さんや両親にアレルギーはないけれども、その他の家族暦にアレルギー・アトピーがある場合で、外食・惣菜などの利用がメインの食卓の場合は妊娠初期から、できれば、妊娠を望んだときから、食生活の改善を行った方が良いそうです。

上記の統計が現代でもかなり信頼性があるものと考えて、妊娠8ヶ月から卵を完全除去をすると仮定します。しかし、それまでの食生活によって、まったく意味合いの異なるものになるそうです。つまり、上記でも書きましたが、上のお子さんやご家族にアレルギーがあって、日頃から食生活に配慮している妊娠8ヵ月と、まったく気にしていない食生活の妊娠8ヶ月は異なるそうです。そのため、まったく気にしていなかった人は、この統計にもあるように完全除去食をむしろした方が良いのでは?という話でした。でも、日頃からしている人は、そういう背景から、厳格さは必要ないのでは?というように考えられてきているとのことでした。

ただ、あとは母親の気持ち次第ではないかと思います。除去をしていないことの不安に駆られて眠られないようであれば、精神安定剤的にやった方が良いと思うし、そうでない場合は、除去食対応に準じた食生活で…と。あとは本当に生まれてくるお子さんの体質如何で、私たちにはどうしようもないことだと思います。どうしても気になる場合は、上のお子さんのアレルゲンを極力控えることが良いそうですが、マルチアレルゲンの場合はすべてに対応が不可能だと思うので、回転で食べる頻度を調節したり、食品の質に注意をしたりすることが重要だと思います。

さらに、上のお子さんやご家族にアレルギー・アトピー体質がある場合、どうしてもその体質は遺伝していると考えた方が良いそうです。それが発症するかどうかは、そのお子さん自身の体質と食生活、生活環境などの複雑な因子が重なるので、なんとも言えませんが、それをいかに発症させないか、または発症しても、早期発見・早期対策ができるかどうかが、早期改善へのポイントとなるようです。つまり、どの程度の症状で病院に連れて行くか、どの症状のときにどのような病院に連れて行けばよいか、どの症状のときはどういうスキンケアをすればよいか、食生活の改善はないかなどをチェックするために食事記録をつける、環境整備をするなど、そういう対策が少しでも早くできるかがポイントだそうです。

もちろん、ある程度気をつけていても、うちの例のように、下の子が重い場合も少なくありません。ただ、上の子で親も数年経験を積み重ねている分、早期対策がしやすくなっているので、落ち込みはするものの、ショックからの復帰までは早く、今後何をすればよいのか、判断がつきやすいというメリットがあるのかもしれません。とはいえ、今も日々試行錯誤です。上の子で経験していない問題に直面するのですから… 参考までに、産後と違って、胎児は目に見えないものだから、自分に甘くなり、私は大口たたけませんが、妊娠中も完璧な食生活ではありません(笑)。その反省を込めて、前回の注意点を書いたわけなので…(笑)


ところで、昨年、妊娠中・授乳中の除去食は意味がなく(ただし、授乳中は明らかなアレルギー症状がある場合は除く)、卵や乳、ファーストフードなどを多く摂取している方が、アレルギーやアトピー性皮膚炎になりにくいとの 学会発表 がなされました。しかし、これは他の方が書かれていますように、統計の取り方にかなり疑問点を感じますので、私個人としては、あまり意義のないものと考えています。

また、上記の研究機関では、ファーストフードを食べていたら、アレルギーの発症率が抑えられたというような発表でしたが、その直後に、海外の調査では、ハンバーガーをたくさん食べることにより、ぜん息などアレルギーを悪化させるとの発表があり、ファーストフードがアレルギーに関与している可能性を示唆して、 欧州の医学雑誌専門誌 に掲載されました。上記と反対の見解ですが、私にはこちらの方がまともなように思います。

ニュースソースは こちら 。ただ、いずれ削除となる可能性がありますが。

上記を読むと、「除去食は必要なの? 反対なの?」となりますが、日頃の食生活により、除去の程度が異なること、回転食を心がけ、上のお子さんに準じた食生活、調理の工夫をしている場合は、厳格な除去は医師の指導と親次第と考えているというのが、私の結論です。でも、上記で書いたように、あくまで体質依存なので、予防法の1つの提案であり、なんら責任は負えませんので、ご理解をお願いしいます。また、多くの方の体験談を読んでも、予防効果に関しては、見解が分かれていたと思います。

次回は出産直後の赤ちゃんへの対応を書きたいなと思います。最初の日記内のコメントで書いたので、あくまで書く必要性はないかもしれませんが(笑)。記録として…





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Last updated  February 23, 2006 02:31:30 AM
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