【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

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2005.07.27

にじよじ

(12)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(439)

カテゴリ： 🔴 Ｍ【メモ・サブノート】

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私としては、杉浦日向子ダンディズムという視点で書いてみよう。
彼女の著書『ソバ屋で憩う』には、「昼の酒」についての一文がある。引用してみる。
東京のソバ屋のいいところは、昼下がり、女ひとりふらりと入って、席に着くや開口一番、「お酒冷やで一本」といっても、「ハーイ」と、しごく当たり前に、つきだしと徳利が気持ち良く目前にあらわれることだ。
（中略）
ソバ屋で憩う、昼酒の楽しみを知ってしまうと、すっかり暮れてから外で飲むのが淋しくなる。暗い夜道を、酔って帰宅するなんて、まったく億劫だ。いまだ明るいうちに、ほろ酔いかげんで八百屋や総菜屋を巡って、翌日のめしの仕入れをしながら着く家路は、今日をたしかに過ごした張り合いがある。
「にじよじ」という言葉を広めたのも彼女である。2時から 4時までの都会の時間帯。「昼食の喧騒が去り、夕刻すぎの呑み屋状態になる前の、ぽっかりとした昼下がり」のことを言う。
この時間帯に、ソバ屋で昼酒を飲むのを、彼女は淡々と楽しんでいたように思われる。だから、3時頃に「準備中」の札のかかるソバ屋が多いことを残念がっていた。私も勤め人を辞めてから、初めてそれがとても共感されるようになった。

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うん、この感覚はよくわかる。
ぽっかり開いた、時間の迷子のような時間だ。

Lazy afternoon というジャズの曲がある。
ヘレン・メリルの嫋々たるバラードで聞くと実にいい。
ちょっとけだるい、アンニュイな中途半端な午後の時間。

そんな時間に、蕎麦屋で冷や酒を一杯・・・なんてのは江戸っ子の世界だろうな。
私は今までの人生のほとんどを東京で過ごしたが、生まれと育ちが大阪だから、蕎麦屋で一杯ということは今までやったことがない。
蕎麦と酒という組み合わせに、あまりなじめないのだ。
それに蕎麦は、なに蕎麦を注文したらいいんだろう。

といいながら、昔、千代田区神田淡路町の古い蕎麦屋「かんだやぶそば」で、昼間、父と酒を飲んだことを思いだした。

今日は母親の歯医者への通院だった。
歩行不自由の母を車いすに乗せて、遠路、阪急今津線の沿線まで出かけた。
とても腕のいい、優しい先生がいて、以前の入れ歯もそこで作ったので、安心して任せることが出来るということで遠征しているのである。
娘も付き添ってくれた。
今日は義歯ができあがって一安心。
まだ試用してみての調整もあるが。

帰宅して、娘と近所の寿司屋に行った。
この、「にじよじ」の時間だ。
この古い寿司屋は広々として、寿司だねもいいのでお気に入りなのだ。
以前は母も含めて（父はこの種のイベント？に参加しない人だ）この寿司屋に来たものだが、今の母は、店での食事はまともに出来ない。

蕎麦屋ではなくて寿司屋だったが、一杯やった。
冷酒ではなくて、ビール中ジョッキとあとは焼酎のロックで。

娘といろんな話をした。
にじからよじまでの二じかん。

娘はニーチェにはまっているという。
哲学科だからよく知っている。
私ハニーチェについては、ほとんどなにも知らない。
「超人」とは「理想像としての人間」だろう？と聞くとそうだという。
ナチスドイツとの関係イメージで見られ勝ちだが、明るい考え方だという。
ナチスドイツに利用されたといえば、シュペングラーもそうで、それだから彼の評価が欧州でもうひとつなのだろう。
（さっそく近所の本屋で「ニーチェ入門」を買った）
（いつ読めるのかは保証の限りではないが）

意見が一致したのは、近代精神の、特に民主主義はロックの思想からはじまったということ。

娘は「お父さんは日本人じゃない　なんでも論理的でないと受け付けない、英国人の様な性格だ　私は逆に日本人だけれど」という。

私の韓国バーのママさんとのデートのことに話題が飛ぶと、「お父さんの方がよっぽど青春してるね　私なんか全然だわ」という。
私が「もうＢまで行っちゃったもんね　でも、次のＣが怖いし、Ｄになると本当に怖い　Ｄっていうのが、あるのかどうか知らないけれど、結婚なのかな？」という。

「それにしても、ＢとＣはよく分かっているけれど，Ａってのは何なんだ？」と日頃の疑問？を聞いてみると、「実は私もよく知らないのよ　仲間内でも『Ａってなんなんだろね？』と言ってるよ」とのこと。

Ａが何をさすのか？知っている人は教えてください。