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物欲☆あんず雨
手前味噌☆漫画の制作過程その2
☆☆ネームに入れる絵☆☆
「そういえば、拙作『桃山灰神楽』のプロット、世にもいい加減な状態で編集様にご覧いただいたよな…」という事を思い出し、キャラ表・恥☆ついでに、それも載せちゃおうかな~~と思うたりもいたしましたが…。
あまり脱線が長くなっても…と、サックリと、ネーム(絵コンテ)の解説に入らせていただきたく存じます。
『ネーム』という用語は、漫画界独特かと思われますが…。私めの周囲では、『絵コンテ』よりも、『ネーム』という呼び方のほうが、一般的となっております。
映像作品における『絵コンテ』と違い、漫画の場合は、『下描きの下描き』とも申せる段階にて…。
本描きする原稿用紙に描き込む前に、別の紙に、線はラフではあるものの、『漫画の状態となったもの』を描き出す作業でございます。
なぜそんな、下描きを2回もするような手間を??との疑問を抱かれるかたもおいでかと存じますが、ラストまできっちり描き上げた状態のネームを編集サンにご覧いただき、直すべき箇所が発生した場合…。(発生するのは基本…☆)
少々の直しなら良いのですが、ページ全体の構成が変わってしまったり、しかもそれが数ページに渡ったりする直しの折に、原稿用紙に入れてしまってる状態では、非常に直しづらいものだから…なのであります。
(原稿用紙は、あまり消しゴムをかけすぎると表面が傷み、ペン入れの時、少なからず描線が荒れます)
1回2回では済まないこともある、その直しの大変さも含め…。
(全ページに渡っての直しも、幾度か経験しておりますです…。私めの基礎ネーム力が低いせいではあるのですが☆)
…ネームという段階は、漫画家にとって、ほんにしんどい段階なのであります。
この段階で、その漫画作品の、ほぼ『すべて』が決まってしまう…とも申せまして、ここは一番、漫画家が、まさに『産みの苦しみ』を味わうところなのでございます。
ゆえに、まがりなりにも人様にお金を出してご覧いただく作品を描く場合、その苦しみは、当たり前のもの…とも申せるのでござりませうな…。(謙虚に遠い目☆)
その、『産みの苦しみ』ってな内面の話はさておかせていただきまして、ともかくは、見た感じ、ネームってどんな風に描かれているものなのかをご覧いただきませう…。
これまた、手前味噌ではありますが、私めのネーム仕様はこんなんです…と、現物を以下にUp申し上げる所存であります。(もはや、恥概念はすっ飛び状態)
鉛筆(シャープペンシル)で描いたものをスキャンしておりますゆえ、薄くてご覧になりにくい辺りはお許しを…。(補正はしたのですが、これ以上濃くしきれませなんだ…)
そして、ご覧いただけますればお判りの通り、雑誌にて見開いた状態を想定して、1枚の紙(A4サイズ)に2ページぶんを記載しておりますゆえ、絵も字も、ミニな状態となってしまっておりまふ。
こたび、ご注目いただきたいのは向かって右の8ページめのほう。
ネームの下に、完成原稿を載せてみまして候です。
↑ネーム(私めにしては、けっこうきちんと絵を入れているネームです)
↓完成原稿
3コマめ、下描きを入れる際に、「ここはロング(カメラを引いた状態)にして、背景が入った絵のほうがいいかな…」などと考え直している事がお判りいただけますかと…☆
(隣の9ページのほうは、ほぼ変更なくそのまま下描きからペン入れ・仕上げまで行っている感じです)
下描き時よりも、ネーム段階のほうが、登場人物の心情により強くシンクロしている辺りで…。
ネームのほうが、イキイキといい表情が描けてるよな~~などという悩みも、けっこう発生しがちなのであります。
☆☆ネーム制作過程☆☆
『完成状態の拙作ネーム(2ページぶん)』をお目にかけてしまった前の日記から、話が前後してしまいまするが…。
編集さんにご覧いただくネームを仕上げるに到るまで、これまた、人によって制作方法に違いがあったりいたします。
その前に…。
『ネームを描き入れる紙』も、人によって違いがあったりするのですが、大抵は、コピー用紙のような感じのものを使います。
(本描きする原稿用紙は、コピー用紙よりもやや厚みのある上質紙です)
↓漫画専用原稿用紙(本描き用)
デリーター 漫画原稿用紙 メモリ付Aタイプ B4(プロ・投稿サイズ) 135kg 40枚入
↑ガイドとなる基本ラインが薄い水色で印刷されていて便利でござりまするゆえ、こういう商品を使用するのが、今や主流であります。
マクソンネームノート A4
↑最近はネーム用紙までが商品に…。
大学ノート状のものや、クロッキー帳(スケッチブック形態で、紙がコピー用紙のような薄手のもの)にネームを描かれる方もおいでですが、プロの場合、出来上がったネームをFAX送信~~ということが多うござりまするゆえ、コピー用紙が便利…という感じなのであります。
その、『編集サンに見せる用・用紙』に、最初からいきなり描き始める…という方のほうが、多いかな?とは思うのですが…。
『ネームのサムネイル』というものを、まずは作成…というやり方もあります。
この手法で、私めも作成し始めます。
『ネームのサムネイル』は、ぶっちゃけ、『小さいネーム』です。
これも探し出してスキャン&掲載しちゃいましょうかな~~と思いましたが、現物ですら、書いた本人にしか解読できない微細文字で構成されているものでござりまするゆえ、前日記に載せたネーム以上に、謎なものとなること必定…。
ゆえに、拙いながら、記述のみでのご説明にて失礼を…。
これまた、人によっての仕様の相違がありましょうゆえ、私めのやり方での説明しかできないのですが…。
32ページ作品のネーム・サムネイルを作る場合、B4の紙を半分に折り、そのまた半分、半分…と折りたたみ続け、開いたときに、全体が32分割されている状態にします。(16分割折りにして、それを二つに区切る線を、後から引くことの方が多いですが)
この小さいマス目1つを、漫画の1ページぶんと見立て、そこに、プロットでだいたい考えてあるストーリーの流れが、どういうページ割合で入ってゆくのか、あらかじめ見立てるために使います。
その段階で、それぞれのページの大まかなコマ割りや、入る絵なんぞも思い浮かんだりすると、なおヨロシという感じです。
この段階を経ないと私めの場合…。
プロットに沿って、調子こいてネームを入れ続けた挙句、最後のほうになって「ページが、て
んで足らないじゃんッ!!」ってな事態に陥る可能性・大ッなのであります。
サムネイル作っておきながら「ページ、足らないじゃん!!」という展開も、往々にしてありがちだったりするのですが…☆(泳ぐ目)
サムネイルの場合、だいたいにおいて後半はかなりいい加減のままで済ませ、次に、本番ネーム用紙の半分サイズほどの紙に、文字だけざっくり入れる『ネームのネーム』を作成…という、かなり手間なやり方が、ここ数年で定着してしまっている私めであります。
この『ネームのネーム』段階は、出来るだけ素早く、大雑把なコマ割りをしながら文字のみ入れてゆく…という作業に専念いたします。
セリフをしゃべっている登場人物の表情や、シーンそのものも思い浮かんだりいたしますが、とりあえずは覚書程度の描き方に留め、終盤まで『展開の流れ』を入れ込むことを試みます。
『読み手のスピード』を意識して、全体のリズムが澱んでしまうような箇所や、妙な停滞感を抱かれるような箇所が生じてしまわないようにしたい…という気持ちもありまして…。
この辺りも、ほんに、人によってのやり方が、おおいに違うところかと思われます。
最初から、一つ一つのシーンにこだわりつつ、コツコツと進めて行く…という方が良い!とお思いの方も、多いかと存じます。(むしろ、そちらの方が主流やも??)
この小さいネームで終盤まで詰めて行きますと、往々にして、「ラストまで、2、3ページは足りない感じ??」という気持ちに陥りがちとなります。
(サムネイルの甲斐、やはり無し??)(いや、あの過程が無いと、きっと5、6ページくらい足らない事態に…)
小ネーム段階は、その終盤途中辺りでとりあえず終えたりして(ラストまで書き込むこともありますが)、その、足りない量などを考慮しつつ、本ネーム用紙に、セリフと大雑把なアタリ(登場人物の描線の、大まかな位置決めなど)を入れつつ、帳尻を合わせようと足掻く…という作業形態なのであります。
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