物欲☆あんず雨

物欲☆あんず雨

第6回『新しきバイアウト』


ゆえに、最終回はわざわざ書かなくても?とも思うたのでござりまするが…。
あいすみませぬ…。どうしても自己満足を完結させとうござりまするゆえ、書かせていただきまする~~。
(あらすじもどきでござりまするゆえ、ネタバレしまくりとなっております)

第6回『新しきバイアウト』(最終回)

地検の捜査が入ったハイパー本社から逃れて来たらしい西野治。
ホライズンを解雇された鷲津政彦が、その後2週間引きこもっていた別荘のプールサイドに姿を現す。
恩讐の果て、自らのこめかみに銃口を当てた治を止めようとした鷲津は、暴発した銃弾を受け水面に倒れ込む。水しぶきと紙幣が舞い飛ぶなか、茫然とする治…。(というのが前回まで)

病院に運び込まれた鷲津。玄関に殺到する取材陣。「身内です!」と叫んで中に入る三島由香。
大空電機では、鷲津の事をニュースで知った芝野健夫が社長室に飛び込むが、社長・塚本邦彦は、ハイパー崩壊で、ホライズンに一気に株を買い占められた事のほうで大動顛中。

警察の取調室では、魂が抜けたような表情の治が。何を聞いてもうわの空…とこぼす刑事。
病院では、手術後、昏睡状態の鷲津。見守る由香。

とうとうホライズンの手に落ちた大空電機。ホライズン本社からは、新社長として大賀康男という人物が送り込まれて来る。
意外な事に大賀は、フェニックス計画を受け継ぐ形での『フェニックス推進本部』の設置を表明、芝野に、再生担当役員のまま、本部長を兼務するよう指示して来る。
今や『前社長』になってしまった塚本から、大空の行く末を頼まれる芝野。
どんなに会社が小さくなっても、大空の名前は残して欲しい…と。解任されたとはいえ、社長の重責から解放されたからか、どこかさばさばしたような印象にも見受けられる塚本の表情。(あのまま社長やってたら、早晩、病気になったと思う…)

病室。ベッドから身を起こそうとしている鷲津。
右足の感覚が無いことに気付き愕然とした彼は、乱暴にナースコールを押し、人を呼ぼうとする。
深い絶望に襲われたような表情…。

大空電機では、計画以上のリストラを断行しようと目論む大賀社長に、芝野が意見。
しかし、同席していたホライズン新社長アランから、芝野に要求されているのは、単に『コストカッター』としての手腕のみ…と、言い渡されてしまう。(要は『首切り屋』&『矢面に立ち係』)
端末事業部の売却説明会で、いきなり切り売りされる立場に立たされ激昂する従業員らに、「安泰を約束していたのは前経営陣」と、逆ギレしてしまう芝野。(根が真面目サンなせいか、律儀に矢面に立つ『首切り屋』)

消灯後なのか、暗い病室。控えめなノックと共に、鷲津を見舞う由香がそっと入って来る。
「仕事は、いいのか…?」と鷲津。(以前なら『仕事は、いいんですか?』だったハズ♪♪)
「これも取材の一環ですから」と返す由香。(縮まったんだか、そのままなんだか、謎の距離感…)
鷲津は、闇の中を歩く夢を見たという話をし、足の感覚が無い事を由香に告げる。

陽射しが明るい橋のたもとに佇む治。
歩み寄る由香。『保釈金2億で買った自由』はどうかと治に尋ねる。そして鷲津からの伝言を治に伝える。
「俺もお前も同じだ。何もかも無くした」と。
鷲津が、自分の事を(逆恨みの動機があるのに)殺人未遂で訴えなかったという疑問を口にする治に、治の気持ちがわかるから、鷲津はそうしなかったのでは…と、由香。
治が父を亡くした無念…。それ以来、何を思って生きて来たのか…。
鷲津にわかるはずはない、と、斜に構え続ける治に、彼が積んだ保釈金の『2億』と、亡父が旅館を守るために必死に集めようとした『2億』は違う、と叱るように言う由香。どう違うのかは、治自身で考えるように…と言いおいて去る。

病院のリハビリセンターで車椅子の操作法を教わっている鷲津。窓際に辿り着き、秋の陽射しを浴びている。
一方、マジメ首切り人・芝野は、対象社員との個別面談も始め、着々とリストラを進めている。
端末事業部の従業員に取り囲まれ、口々にののしられる芝野。そして、端末事業部の一員でありながら、良い条件で新会社に行けるのと引き換えに、リストラ協力していた牛島が、芝野以上に槍玉に上げられる。
生真面目で小心そうでもある牛島、ただひたすらに頭を下げ、仲間たちに謝り続ける…。

病室。ベッドの鷲津に、本社クラリスからの正式解雇メッセージを伝え、同意書にサインを求めるアラン。
「残念です…」と言うアランに「君が事務的なのが、せめてもの救いだよ」と鷲津。
鷲津の足を気にするかのように、瞳だけそちらに動かすアラン。(根はイイ子なはず!アラン!!)

装具を付け、リハビリセンターで歩く練習に入っている鷲津を、少し離れたところから見守る由香。休憩に入ったところで声を掛け、芝野の苦境を伝え始める。
今の大空電機は、芝野一人の力ではどうする事も出来ないほど、ホライズンに蹂躙されている…。
深刻な思いを自分で振り切るかのように、「いろんな人が居るんですね…」と室内に目を向ける由香。
それぞれリハビリに励む老若男女の姿。そのことに初めて気付いたかのように、鷲津も顔を上げる。

土砂降りの寺院。葬儀に向かう芝野。
遺影におさまっているのは、端末事業部で従業員たちの罵声を浴び続けていた牛島。
焼香のため歩み寄った芝野の前に、中学生くらいの少年が立つ。「帰って下さい」
立ち尽くしたままの芝野に、次は大声で怒鳴り付ける牛島の息子。「帰れ!!」
芝野の脳裏によみがえる、三島家葬儀での由香の叫び、土下座する鷲津…。

居たたまれず葬儀をあとにして来た芝野を、門前で待っていた由香。
牛島の息子になじられたことを(昔なじったヒトに)伝え、肩をふるわせる芝野。
雰囲気を変えるかのように、由香は、リハビリに頑張る鷲津の事を語り始める。(それぞれ、『自分の事でいっぱいいっぱい』な男二人に、そのもう一人の状況を伝える由香、ナイス『使い番』♪)
そして鷲津が、買収後の大空電機を『切り売り』しなくて済むように、テクスンとの業務提携を図っていた事、そしてそれは、三島製作所のためでもあった事を芝野に話す由香。
「今はまだ自分の足だけで立つ事も出来ないけれど…。でもきっと、鷲津さんは諦めていない。そんな気がします」

大空電機は、カメラ・レンズ事業部を米国・軍事企業レンダント社に売却すると決定。(あれ?その話、まだだったの??と、プチ思いましたり)(買収のメイン目的だったのに)
芝野にとっては寝耳に水の話。そんな事をしたら、レンダントが欲しがっている特殊技能士・加藤を中心とする50人以外は、クビ同然になってしまう、と大賀社長に詰め寄る。案の定、大賀から、経営方針に口を出すな、と一蹴されてしまう芝野。
レンズ工場で、レンダントの件を説明する芝野に詰め寄る従業員たち。
職人気質の加藤のみ、「技術者が、技術を認めてくれるところへ行くのは当然」とだけ言い残し、仕事に戻る。

病院を訪れた芝野。療法士の介助を受けながら、病院の廊下を必死に進んでいる鷲津の姿を見つける。目を上げ、芝野に気付く鷲津。
リハビリセンターの一部らしい体育館。両杖のぎこちない動きで入りつつ、「恨みごとを言いに来た?あるいは、笑いに来たんですか?」などと、皮肉っぽい、だが元気の無い口調で言う鷲津。
芝野は「頭を下げに来た」と言う。
由香から一連の経緯を聞いたことを話し、大空電機に関して、やり残した事があるのでは?と、鷲津に投げかける芝野。
鷲津は、大空電機は自分にとっても、すべてを賭けたディールだった…と語り出す。けれど、満足に歩けない身体になってしまった今、「正直、疲れました。大空電機の事は忘れたい」とも言い、本当に疲れた様子で、側のパイプ椅子に座り込む。

「だめだ、許さない」と芝野。驚いたように彼を見る鷲津。大空電機に関して、鷲津には落とし前を付ける責任があるはず…と説きながら、彼と目線を同じにするかのように、その正面にしゃがみ込んだ芝野、さらに言葉を続ける。
「鷲津…。お前と俺は同じだ」
それは3年前、銀行を辞めたばかりの芝野に、鷲津がかけた言葉へ、ようやく返された一言。
鷲津が、人に誹られながらも信念を持って突き進んで来た道を、一番認めて欲しい人に認められた瞬間。

芝野は鷲津に、レンズ事業部を救うための協力を頼み、ファンドビジネスへの復帰を勧める。
鷲津は、ホライズンから36億円もの分配金を提示された事を打ち明ける。それを受けると、むこう10年はファンドビジネスにかかわることが出来なくなる…とも。だが、それは自分に、死ねということ…。
身体のことがあるので、少し迷ったと言いつつも、その分配金を断った事を告げる鷲津。
「芝野さん。あなたとなら踏み出せる気がする」
そして、かつてのような力強い声で続ける。「鷲津ファンドを起ち上げます」

大空電機ショールームに潜入中の村田丈志。携帯越しに、中延五郎の声。
「鷲津さんからの伝言です。戻って来ていただいて光栄だ、と…」
一時は治の誘いでハイパーに寝返っていた村田。中延に加え、心強い味方が鷲津の元に。

鷲津の指示で、大空電機内でスパイ活動に専念する芝野。社外秘の書類などを詮索して回る。(素人っぽい動きにハラハラ)
それら資料から、レンダント社が大空レンズ事業部を買うにあたっての『キーマン条項』に、特殊技能士・加藤の存在が不可欠である事がわかる。日本トップクラスである彼の技術が手に入らなければ、レンダントがレンズ事業部を買う意味は、まったく無くなる…。

鷲津がたてた作戦は、『エンプロイー・バイアウト(EBO)』。従業員による、企業買収。
レンズ事業部の従業員みずからが資金を出し合って、大空(ホライズン)から独立して、新しい会社を設立するというもの。

大空電機では、加藤が直属部下数人と共に呼び出され、レンダント社への話を勧められている。
むこうへ行けば、今の倍の報酬と聞かされ、心を動かす部下ら。加藤の表情は変わらない…。

『鷲津ファンド』として、出資金を募るために、銀行や生保などを中延と共に回っている鷲津。
しかし、どこも冷たくつれない反応。(これまでの悪行悪評が祟りまくっているらしい)
MGS銀行の副頭取・飯島亮介とは、一対一で会う鷲津。
鷲津は飯島に出資金を頼むと共に、政府に対し、優秀な人材が国外に流出し、軍需企業に利用されるのを防ぐための『ロビー活動』をしてくれるよう依頼する。
「私の全財産が振り込まれています。好きなだけお取り下さい」と、飯島に封筒を差し出す鷲津。
「我々はハゲタカだ。最後まで、ハゲタカなりのやり方を通させていただきます」

細い路地に停まる車。降り出す雨、車内から何かを見上げている鷲津。それは三島製作所…。
事務所では、芝野が、由香とその母を前に新会社設立のための出資を懇願している。
カメラ・レンズ事業部が独立し新会社ともなれば、自分が責任を持って経営し、三島製作所は下請けとしてそのまま操業できること、利益が出れば還元される事などを説明する。そして、ついに11年前の悲劇に触れる芝野。
あの時、自分はただ側で見ているしかなく、そのために鷲津一人が、罪の意識を一身に背負って生きて来た…。
「私にも罪を償う機会を与えていただけませんか?」
涙ながらに訴える芝野を、微かに眼差しを震わせ、無言で見つめ続ける由香…。

夕暮れの礼拝堂。ひとり座る鷲津の元へやって来たのは、治。
「足、大丈夫なの?」(根が優しい治・復活)
「ああ…」と答える鷲津に、彼からの伝言を聞いて以来、治は亡父の事を考え続けていた、と話す。
留守電に残されていた父の最後の言葉を再生し、鷲津にも聞かせながら、どんな顔で父がそれを遺したのか…とつぶやく治。
鷲津は、生前の西野がいかに治の経営の才を買っていたかを語る。(それって、鷲津さんのほうが西野氏に言ってあげていた事なのですが)
「それは金持ちになれって事じゃない」立ち上がりながら言う鷲津を見上げる治。「きちんと事業をするって事だ」潤み始めたらしい目を逸らす治。さらに続く鷲津の言葉。
「戻って来い。もう一度」

冬の陽射し。大空電機会長・大木昇三郎の墓前で手を合わせる芝野と鷲津。(そののち、『目で頷き合う二人』に大注目の私め♪)
帰りかける二人の前に由香が現れ、三島製作所からの出資金が入った封筒を差し出す。
彼女の母からの、新会社へ喜んで協力したい、という伝言と共に。(メッセンジャー由香、再び)
少し震える手で、ゆっくりと封筒を受け取る芝野。
晴れやかな表情で、一礼して去る由香。(このシーンの由香、ことさらに輝く美貌 !!)
由香の去ったあと、鷲津に封筒を渡す芝野。感慨深げな面持ちで、それを見つめる鷲津。

都内の夜景を見下ろす、高層ホテルのラウンジらしき場所。
その片隅で、加藤に会社設立を促すための会見に臨む鷲津。加藤を案内したあと、少し離れた席で見守る芝野。
加藤は、ハゲタカとしての鷲津に『他人の金を使って見ず知らずの会社に投資する』ことの意義を問いかける。
何かを作る訳でも無く、何ら価値を生み出す事は無い。「しょせん金なんだろう?」と加藤。「ただの紙っ切れじゃないか…。ただの、紙っ切れだよ」
淡々とそう言い切る加藤に、しばし沈黙の鷲津。
ようやく鷲津は、その『紙切れ』で自ら首を縊る人もいる…と語り始める。だから、自分は、それを『ただの紙切れ』と言ってしまう事は出来ない、と。
そして、以前の自分なら、加藤の前にレンダントが出す金額の倍を積むことで話を進めようとしただろうと言い、三島製作所からの出資金の封筒を加藤に差し出す。三島製作所の皆が、精一杯の金額を出し合って作った、『加藤の会社』のための出資金。

この世の99.9%は、金でほとんどの事が決まると言う鷲津。だが、その『金』を扱う仕事を通じて、残りの0.1%の重要性を感じるようになった、と続ける。
大きな機械の中の、たった1個の部品。0.1%…。大空電機の、小さな部品一つ一つに、亡き会長・大木が宿っているように、その部品1個で、生涯忘れられない思い出もできる…。
11年前の、拾ったネジを嬉しそうに三島に渡す鷲津自身の姿…。

加藤も、大企業・大空電機の中では0.1%の存在に過ぎない。けれど、その0.1%が、時にはすべてを変える事ができる。
どういう使われ方をするか、その事によって『紙切れ』自体の価値は変わる。
それは職人の技術も、同じ事ではないのか、と加藤に問いかける鷲津。
「加藤さん。賭けてくれませんか?私と、芝野に」

レンズ工場。自分とレンダント社へ行く予定の、直属の部下たちを前に、訥々と語り始める加藤。
自分たち50名は、厚遇されてレンダントへ行ける。けれど、残りの従業員300名近くは首を切られる。
共に働いて来た仲間を犠牲にして新天地に行き、レンダントの製品を作る。そこに、希望はあるのか?誇りはあるのか?…と。
戦後の焼跡で、大木会長が何を思い、大空電機を作ったのか…。(戦争で使われたレンズを、平和な時代のカメラに…という思い。でもレンダントで作るのは、軍事衛星用のレンズ…)
真剣な面持ちで聞き続ける従業員たちに、加藤は言う。
「我々技術者も、技術が何のために使われているか、責任を持って感じ続けなければいけないと思う」

社長室の大賀の元に、ただならぬ内容らしき電話がかかって来る。居合わせたアランの携帯にも、着信を告げる点滅が。ディスプレイには『鷲津政彦』の文字。

大空電機前に殺到している取材陣。レンズ事業部の、レンダントへの売却話が暗礁に乗り上げたというニュース音声。貴重な技術者が海外流出するばかりか、軍需産業に利用されることに、政府が不快の念を表わしたという。(飯島さん、グッジョブ♪)(でも幾ら取ったのか…)

ホライズンの応接室に、中延を伴った鷲津が入って来る。大賀社長とアランを前に、EBOの話を切り出す鷲津。(芝野はまだ『大空電機サイド』として、大賀の脇に佇んでいる)
カメラ・レンズ事業部を、大空電機から独立させ、新会社を設立する。MGS銀行をバックに付けたばかりか、業務提携先として中国のテクスン社にも話を付けた事を、鷲津は明かす。
あまりの手際良さに驚愕するものの、当然の如く拒否する大賀。彼の前に、レンダント社に売却された場合に退職を希望する者のリストを差し出す鷲津。

筆頭に、加藤の名。無言で脇に立ち続けていた芝野に、加藤のレンダント行き了承は確認済みのはず、と問いただすアラン。「その筈ですが」ととぼける芝野。(鷲津さんと行動を共にした事で、タヌキ度Up)
すかさず鷲津が言う。EBOの成果を実らせるために、芝野を新会社の社長に迎えたいと。
「なるほど、あなたは裏でシナリオを書いていたのか…」鷲津を見据えつつ、アランが言う。
そんなアランに、鷲津は返す。「アラン…。お前にはまだ何も見えていない」

かくてEBOは成立。大空電機から独立したカメラ・レンズ事業部は、『あけぼの光学』という新会社として出発。晴れて、記者会見の日を迎える。
笑顔で握手を交わす芝野新社長と、大賀(こちらはビミョ~な作り笑い)を包むフラッシュ。
会見場の入り口で見守っていた鷲津、無言のまま立ち去って行く。それに気付きつつ、会見に臨む由香。
ジャーナリストとして由香は、『歴史的EBO』の成功の、一番の要因を芝野に尋ねる。
「鷲津ファンドです」と答える芝野。鷲津ファンドの存在なくして、EBOの成功は無かったと。
「彼との…。いや、鷲津ファンドとの出会いがすべてを変えました。出会えて…良かったと思っています」
万感こもる、晴れ晴れとした表情で語る芝野。
「ありがとうございました」同じ思いの笑顔を、芝野に向ける由香…。

何処かへ向かう車中で、「ようやくですね…」と鷲津に語りかける中延。「ああ…」と鷲津。
やがて車が停まったのは、三島製作所の手前。建物を見上げてから、中延の方に顔を向ける鷲津。促すように頷く中延。
杖をつきながら、ゆっくりと歩み行く鷲津の後ろ姿。

仏壇におさまる、三島の遺影。目を閉じ、長いこと合掌を続ける鷲津。
そして顔を上げ、まっすぐな眼差しを向ける。
「ようやくご報告できそうです。あれからの、私を…」

(終)


…とにもかくにも、長文をご覧いただき、どうもありがとうございました~~!!

ラスト、三島製作所へ歩き出す前に、頼るように中延さんのほうを見る鷲津さんが、たいそうラヴリーで、そこだけ何度も再生してしまいました♪
「大丈夫ですよ、行ってらっしゃい」という感じで、優しく頷く中延さんも味わい深く、何度見ても心和むシーンです。

中延さんに関しましては、後日また改めて語りたいと思いまするが、彼の存在が無かったら、鷲津さんの状況はもっと悲しいものになってしまっていたかもしれない…と強く思うております。

その他にも、全編を通して語りたいことは山~~のようにあるのでござりまするが、長文綴り後の脱力で、とりあえずはこれにて…。
本当に、今、この時、出会えて良かったドラマです!!!


☆↓本放映視聴後リアルタイム感想日記です。(2007年03月25日)

「新しきバイアウト」
ハイビジョンChの18時からのと、総合21時からのを、当然のごとく両方鑑賞いたしました…。
で、今現在、軽く脱力しながら、余韻に浸り切っております。

たぶん、ネタバレしまくりになると思われますので、最終回ご鑑賞がまだのかたは、以下、お読みになられないほうがよろしいかと存じまする。

鑑賞前にあれこれ妄想していた『鷲津さんと由香、イイ感じかも♪シ~~ン』は全くと言っていいほど無く、潔い(いさぎよ過ぎな)ほど『男のドラマ』として完結しておりました。
最後までとうとう、フツーの恋愛モードが無いドラマでござりましたゆえ、つい『殿方同士のカップリング』を考えてしまいがちになり、前回まで以上にヨコシマな妄想が頭をもたげて来てしまひました…。(日頃、そうそう『腐』ではない私めではござりまするが)

新聞の番組案内とかに、鷲津さんの覚醒を病室で由香が必死に願う…といったような文がありましたゆえ、「前回で鷲津さんの『真心』を知った由香が、枕元で看病ね♪」ぐらいの妄想をし、今回冒頭でも、病院に入り込む時に由香が「身内です!」と叫びましたゆえ、「え♪いきなり『フィアンセv』くらい名乗っちゃうの??」とまで妄暴走いたしました…。

ええ…。ただの妄想に終わりました…。

でも、見舞いに来た由香に、「仕事はいいのか…?」と聞く鷲津さんの口調に、ちょいとドッキリいたしましたり♪
今までの鷲津さんでござりますれば、「仕事はいいんですか?」だったはず。
なので、由香に対して、こういう口調になるまでに、何か1エピソードあったのでは…という気がしております。
実は、『鷲津さんの意識が戻る時、由香が枕元に居て…』というシーンがあって、編集の段階で切られたのでは…という想像までしておりましたり。

他にも、「?…この展開、あいだ抜けてない??」と思えなくもないシーンがござりましたゆえ、民放の連ドラでありますように、『最終回90分スペシャル!!』ぐらいで放映していただきたかったような~~。

とは申せ、今回はもう『最大の敵』との戦いが終わった後…という印象が否めませなんだゆえ、その後の収拾を付ける、という点では、長いエピローグと言えなくもない雰囲気もござりました。

そういう意味では、前回までは『派手な戦いのドラマ』で、最終回は、『人間ドラマ』のほうに比重がおかれていたように思われます。
より深みが出ていい感じ♪とも思うのでござりまするが…。
どこかで物足りない思いも抱いてしまい、それが何故なのか自分の胸に聞いてみましたら(由香のように)、私め、このドラマの『バトル』部分に、おおいに魅了されていたようでござりまする。

三葉銀行とのバルクセールのせめぎあい、サンデー編でのサドンデス入札、前回のTOB合戦…。
それぞれに、鷲津さんに対するそれなりの『敵』がいて、今にして思いますれば、そのせめぎあいや勝負の行方に、たいそう惹かれていたように思われます。

ゆえに、最後の敵が『大賀社長&アラン』では、ちょいと『相手に不足』感が…。
しかも鷲津陣営には、これまで事実上『敵』だった芝野さんが既に味方としてついておりますし(欲を申さば、治にもメンバー入りして欲しかったです)、あの飯島さんですら『頼もしい人』ポジションに。
ラスボスとして、本国からクラリスが登場するくらいのノリが欲しかった気がします。
(クラリス、アランに丸投げじゃダメだと思う…)

最終回にもかかわらず、ツッコミ注文を付けてしまいましたが、このドラマに出会えて本当に良かったという思いは、まったく変わっておりません。
前にも書いたかと思われまするが、金融や経済に興味のなかったこれまでの私めに、このドラマは『新しい世界観』を与えてくれたように思われます。

世界の見方が変わる瞬間の不思議な陶酔感、ずいぶん久しぶりに味わっております…。
(↑ちと大げさ??)



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