物欲☆あんず雨

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「ハゲタカ」感想日記.2



『マイ「ハゲタカ」の謎』における、最大のディール…もとい、最大のツッコミどころ、いよいよ書いておこうと思いまする。

それは、「あのラスト、『カメラ・レンズ事業部』さえ良ければ、それでいいのか??」という事でござりまする。

特に芝野サン、あなたが自らの再生をも賭けていた『フェニックス計画』、あれは、あなたが『あけぼの光学の社長』に納まった瞬間、うっちゃり状態になってしまったといふ事なのでござりませうか??

芝野サンだけではござりませぬ…。

怪我人をツッコミたくはござりませぬが、鷲津さんとて、テクスンのリー社長と上海で会見の折、「このまま分社化して行けば、大空電機の名前が無くなってしまう。それだけは避けたい」と仰せでござりましたに…。
『EBOで「あけぼの光学」♪』ってのは、「避けたい」と仰せだった、まさにその方向なのでは??
ズバリ、「『三島製作所』さえ安泰なら、それでイイ」という雰囲気にも???

会社間の駆け引き等にはとんと疎い私め、元々の目的だった「レンズ事業部をレンダント社へ」というのが果たせなかった時点で、今後、ホライズンが大空電機全体をどう扱って行くのか…というのが読めない事からも、不安な気持ちになってしまうのです。

ヤケになった大賀社長&アランが、一気に分社化を進め、『大空電機』という社名がすぐに無くなってしまう恐れすら感じてしまっておりまして…。
その場合、他の事業部の従業員たち、ことに、端末事業部の仲間達への罪悪感から自殺してしまった牛島さんなどは、本当に報われない…という事態になってしまうのではないでしょうか…。

大木会長とて、死の床にありながらも芝野さんの「フェニックス計画」を添削、まさにあれで命を縮めたという印象…。にもかかわらず、その努力は結局、無意味になってしまったの??という気持ちにも。
(そういえば、大賀社長提唱の『フェニックス推進本部』、芝野サンの『イチ、抜けた~♪』で瓦解??)

これはもう、ツッコミと申しますよりは、ドラマ終了後も日々「ハゲタカ」のことしか考えていないがゆえの、『その後』展開への心配…。
ドラマの登場人物たちに、現実での知り合いかのように思えるくらいのリアルさと親近感とを感じたからこそでもあり、ちょいと捻くれた方向の『ドラマ絶賛』と申せましょう。

ともあれ、第4回からの『不死鳥Vs.ハゲタカ』の構図は、もう一羽のハゲタカ(治)が舞い降りた事で、第5回『ハゲタカVs.ハゲタカ』で、不死鳥の影が薄くなってなってしまい、第6回ではもう、『不死鳥、フェードアウト』という感じだったのでござりましょうか…。(鷲津さんにしろ治にしろ、『ハゲタカ』のほうが『甦り系』になっておりますな♪)

フェニックス計画は大空電機のためではなくて、まさに『芝野サンの再生』のみ…で、甦ってみたら、『不死鳥』ではなく芝野サンも『ハゲタカ』になっていた…というオチだったのでござりませうか??

ドラマ副題の「ROAD TO REBIRTH」…。
『大空電機自体の再生』の行方も、もう少し匂わせて欲しかったです。



~悲劇のすべては、9年前に始まった~(2007.5.19)

前日Upの「不死鳥、甦らず??」の補足のようなものを書いてみようと思います。

ドラマ冒頭から、ひとつの節目になる第3回終幕まで、毎回、印象的に挿入されていた、「誰かが言った。人生の悲劇は二つしかない。一つは、金のない悲劇。そしてもう一つは、金のある悲劇。…世の中は金だ。金が悲劇を生む」という鷲津さんのモノローグ。

このドラマは、その、『世の中は金だ』と言い切っていた鷲津さんが、最終回、加藤さんの説得時に、この世の99.9%は、金でほとんどの事が決まるけれど、残りの、たった0.1%、それが、すべてを変えることもある…といったような事を語り、『金がすべてで、金が悲劇を生みがちな世の中』ではあるけれど、『それを超えうる、人間の魂の可能性』を、鷲津さん自身が信じるようになっている…という、『気づき』の物語構造にもなっているのだと思います。

それのみをわかりやすく視聴者にアピールする場合、「…世の中は金だ。金が悲劇を生む」というモノローグを、最終回にも出して、それを受けて、「でも、そうではない、『金』だけではない事を信じて、諦めずに前に進む大切さ」といったような感じ(最終回での鷲津さんの上記セリフ)で締めるというほうが、メッセージ性は高まったような気がします。

むろんの事、テーマを強調する…というのは、やりかたによっては説教臭くなるおそれもあり、そのバランス配分は非常に微妙だと思うのですが、「ハゲタカ」の、ああまでの高度なドラマ手法を見せられますると、「このドラマの良さを味わってくれる人は、あまり説明っぽくしないほうが、自然にメッセージを受け入れてくれて、さらにその先を、『自分自身で考えて』くれますよね」といったような、ある種、視聴者を信頼して、任せてくれているような雰囲気も感じます。

まさにこうして、ドラマ終了後2ヶ月近くにもなろうとしている今も、まだあれこれ考えさせていただき、その『考えている事自体が楽しい』…という、豊かな視聴後感をもたらしてくれたのは、「ハゲタカ」制作陣の、そういう、誇りと意気込みがあったればこそ、だと思います。

さて、話をドラマ冒頭、「…世の中は金だ。金が悲劇を生む」に戻しまする。
銃弾を浴び、担ぎ込まれた病院で、一瞬、取り戻した意識の中、『悲劇』に至るまでの記憶を辿るかのように、さらに続く「悲劇のすべては、9年前に始まった…」という鷲津さんのモノローグ。

そして時を遡って、舞台は1998年のホライズン本社に移り、鷲津さんがクラリスから『「日本を買い叩け!!」指令』を受けるシーンになります。

数字とヨコモジにはとんと弱い私め、この後しばらくは年代の事やら何やら、何となくスルーしておったのでござりまするが、あらすじモドキを書き始めてから、『悲劇のすべてが始まった「9年前」』ってのは、一体いつ??という疑問が頭をもたげ始めたのでござりまする。

ドラマが進むにつれ、鷲津さんにとっての人生最悪の悲劇は『三島社長の自殺』で、そこからすべてが始まったのでは…という印象が、強くなって参りまする。
それが、大空電機編で、既に『11年前の悲劇』となってしまい、「え?じゃあ、やっぱり、クラリスから『買い叩け指令』を受けたあの時が『悲劇の始まり』??」などというふうに、混乱してしまったのでござりまする。

冒頭の「悲劇のすべては、9年前に始まった…」が、銃弾を浴びた2004年・夏のモノローグといたしますれば、正確には、「悲劇のすべては、『6年前』に始まった…」で、あるべきで…。

この事から、「ハゲタカ」というドラマは、当初、『この2007年』まで続く物語だったのでは…という推論に至るのでござりまする。(あのモノローグは、今年のお言葉♪)

大空電機編の2004年、株主総会で熱く叫ばれた(フェニックス計画を完成させるための)「3年の時間を…。3年の時間を、我々に下さい!!」という芝野さんのセリフ(大木会長の遺言)からも、その『3年後』にあたる『2007年』が展望されているのでござりましょうし。

2004年、EBOで『あけぼの光学』が設立、その後も、鷲津ファンドはMGS銀行やテクスンの力を背景に、他・事業部のレスキューにも乗り出し、2007年、不死鳥の如く甦る大空電機…という構図が、ドラマの着地点として一番理想的な気がします♪

…ん?これだと、芝野サンのみ、まったりと『あけぼの光学』で社長業専念??

昨日ツッコミ忘れておりましたが、芝野さんは、悲壮な思いで大空電機を去った塚本さんからも、「会社がどんなに小さくなっても『大空電機』という名前だけは残して欲しい」といった感じで、後事を託されていたハズ!!
『あけぼの光学』という社名にウキウキしてる場合じゃないでしょ~~という気が!

メインの登場人物たちの『心の再生』という点では、あの最終回ですべて決着がついてしまっているぶん、『心の葛藤』が見せ場になるドラマとしては、その後3年も間がもたない…とも思いつつ、大空電機そのものも救われる、文字通りの『大・団・円!!』、観てみたかったです。


~バブルの落とし前~(2007.6.12)

「ハゲタカ」最終回で、萌えに萌えた「だめだ、俺は許さない…」から始まる、芝野さんの熱い告白♪
「鷲津…。お前と俺は、同じだ」で、キュキュ~~ンと来たあまりに、今まで深く突っ込んでいなかったのでござりまするが、ずっと気になっている一言があります。

「バブルの落とし前をつけていない日本…。おまえ、前にそう言った…」

芝野さんは「俺は許さない」発言の後に、そう続けているのでござりまするが、ドラマの中で、鷲津さんが明確に『バブルの落とし前をつけていない日本』というようなセリフを発してる場面、何度観ても確認出来ないのでござりまする…。(セリフだけの『ながら聞き再生』も含め)

想像いたしまするに、上記やりとり自体が、第3回終幕における鷲津さんのセリフ、「あなたは、私なんだ…」への返答になるという辺りで、『バブルの落とし前…』も、そこでの会話のなかで語られている言葉だと思われるのですが…。

なので、第3回のあのシーン、本当はもう少し長めに撮影されていて、その中に鷲津さんの「日本はまだ、バブルの落とし前をつけていない」といったようなセリフがある…という想像をしている次第です。

件のシーン、絶妙の流れでござりまするゆえ、そういうカットされたシーンがあるような感じはしないのでござりまするが、例の、『1&2話総集編』での再編集ワザを考えますると、あり得なくもない気が…。(1話2話と比較して、カットされている気配がわからない、その職人芸に感嘆…)

もしくは第2回の、野球練習場で交わされた『資本の論理』云々の会話の際…という気も。

最終回初見時、芝野さんのストレートなもの言いに最高潮ドキドキしつつ、脳の片隅で「『バブルの落とし前』?…鷲津さん、いつ言ったっけ??」と思うたものでござりまするが、以来、録画再生する度、鷲津さんご自身も「え?そんな事、言ったっけ??」的な表情をしているように見えてしまっておりましたり…。

初回、バルクセール直前に再会した折、鷲津さんの事をてんで思い出せなかった芝野さん。
その『記憶力』に負けた…とは、あまり思いたくない私めです…。



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