朝になる前に眠りたい

朝になる前に眠りたい

大人の生き方


昔はいつも
一人きりで
誰の言葉も届かぬ場所で
あなたの声も届かぬ場所で
生きていくのが大人なのだと
そう思っていた
私はずっと子供だったから
大人っていうのは
きっと自分とは全然違う
別の誰かがなるものなんだと思ってた

蝋燭を吹き消すたびに
大人に近づいてゆくのは分かるけど
でもどうして
私は子供のままなのだろう
いつだって誰かと繋がっていたくて
いつだってあなたのそばにいたかった
そしていつかの帰り道
私はようやく気がついた
大人っていうのは
誰かの言葉が聴けて
あなたに会いに行けて
そういう自分を
生きていく人なのだということ

今も一人じゃないって思ってる
みんなの言葉を聴いて
あなたを追いかけたり追い抜かしたりしてる
ねえ今はあの日が懐かしいよ
あなたとふたりで
星を眺めていた日
星座も何も知らなかったふたり
流れ星見えないかなあなんて無邪気にね

今は光の溢れる場所で
みんなの笑顔を見ているよ
今はあなたの手が届く場所で
私は私の大人を生きているよ

寂しくなったら会いに行く
足りなくなったら走って行く
そうだね私も
そしてあなたも
そういう自分を生きている
自分の大人になったんだよね



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