■□■いぬ・かめ・花もある家□■□

【麻酔なしで骨に釘を打ちましょう♪】



大阪にいた時、自爆事故を起こした。あたしの運転じゃないけど…

細い道路から 道路下3mの川原にクルマごと落ち、あたしは 右の鎖骨を骨折。
とーちゃんは後頭部を切り、3針縫ったんだったかな。

救急車で、たぶん 近くのすいている病院に運ばれたのだろう。
個人経営の総合病院だ。田舎にありそうな テナントビル程度の大きさかな。
変な説明かな~……

鎖骨をつなげる手術をした。もちろん これは麻酔をした。
局部麻酔… だったのかなぁ~
もうろうとしていたのか、はっきり覚えていないが そんなものかな。


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手術後、鎖骨のところには 釘のような金具が皮膚をとんがらして突き出ていた。
金具で、骨を固定したのだろう。
数週間かひと月あたり後に 金具をとる手術をする予定だ。

退院して、消毒のために週に1~2度の通院だったかな。

次第に 例の金具のとんがりのせいなのか、カラダを動かすと ケガの部分が
かなりの痛みを発するようになった。

病院でその話しをすると 金具の入り方が甘いとかいう事で、もっと入れる事になった。

その日は、手術用の衣服に着替えさせられ 手術室に 看護婦と一緒に入った。
1度目の手術をした部屋だ。たぶん 手術室は1つだけだろう。

前の 年配の医者と違う若い医者で、大きな緑色のマスクをつけている。
(若いと言っても、医者の「若い」は 30代ぐらい)
手術台に寝かされ、看護婦1人か2人かな…
しばらく待たされ、緊張しながら待った。


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麻酔をせずに 処置は始まった。

生身の骨に、1度目の手術で挿入した金具を… 見えないが金づちのような道具で
かんかんかんかん と打ち込んだ。

ぎゃあああぁぁぁああああああああああ~~~~~っ!

黙ってられっか!カラダも動き出すので、看護婦たちが相当がんばって あたしを抑えた。
看護婦たちはけっこうやさしかったように記憶しているが…

金づちで 打ち込むのに、なんで麻酔しないんだっ!

ぎゃあああああ~~~~~ぁぁぁあああああああ~~~~~っ!

叫ばずにおれるか!





しばらくかんかんとやられ 激しく泣きわめいて 看護婦にチカラ仕事をさせて、 終わった...

手術室から、歩いて出た。

まともになんか歩けるわけがない。年配の やさしい看護婦がカラダを支えてくれて
やっと引きずって歩いた。

顔は、涙と痛みでそうとう相当 ぐちゃぐちゃに壊れていただろう。

出口に、今さっき処置をした若い医者がいた。
扉に寄りかかり、腕を組んで 無表情にあたし達を見ている。

あたしは、よれよれの死に掛け状態で そいつに 軽く会釈をした。
医者は あたしを見るには見たが、嫌そうな顔と にやけた顔をした。

会釈には答えない。たぶん わざとだろう。

ものすごくやかましい患者だったので、機嫌の悪い顔と苦笑の顔を わざと見せた。

『 大げさに騒いでるんじゃねぇよ! 』

と言いたそうなの あたしにははっきりとわかった。

おめーは!麻酔なしの生身の骨に!釘を打たれた事があんのかよっ!

… 言いたいが、いえる訳がなかった…


看護婦は 医者の性格を悟っているようで、そして あたしがどんなにしんどいか
当然悟っていて、気の毒なあたしに そのあともやさしかった。

隣りの控え室で 着替えを手伝ってくれた。
どんな言葉だったか覚えていないが、こころのある やさしい言葉をかけてくれた。

20分ほど休み、また自分の運転で 東佐野病院から 帰宅した。


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ドク・ハラ ←別の医者の話しです



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