自分自身のなかへの旅

自分自身のなかへの旅

東洋のセルフコントロール 2

最近の研究で東洋の行法(座禅・ヨガ・武道など)には
西洋式のリラックス法・自立訓練法などより
もっと強力に脳内各部の力関係の再調整を
促す効果のあることがわかってきている

たとえば座禅では
調身(身をととのえる)・調息(呼吸をととのえる)・調心(心をととのえる)といわれるように
単にリラックスや自己暗示よりももっと積極的に
身体に働きかけることによって心身をととのえる

ヨガや武道の場合は ダイナミックな身体の動き
交互に行われる筋肉の緊張と弛緩の繰り返し
そして呼吸法 そして瞑想(黙想) などによって心身をととのえる

神秘としか言いようもない古人の工夫がここにある

白隠禅師も「動中の工夫は静中の工夫に百千億倍まさる」といっておられるように
日常態の“動”の中にあって セルフコントロールをしようとする場合
やはりヨガ・武道などのような『動中の静』の工夫の方が実用的なのである

筋肉を伸ばし 姿勢・呼吸をととのえ
絶叫させるなど 身体へのダイナミックな働きかけによって
幼児期より心の奥底に秘められていた感情の解放をはかる
重度の情緒障害の患者を治療する
ローウェン博士の「生体エネルギー療法」にも
東洋の行法が含まれている

まだ少ないが エアロビ・ジャズダンスなどに
ドイツ式自律訓練法を組み合わせた試みが行われている
また すでにプロスポーツの世界では 選手に我が師;池見先生の考案された
自己統制法(調整法)などが用いられており
今や「イメトレ」などと 選手が気軽に口にするようになってきている

一般に西洋のスポーツには
身体を道具のように酷使する傾向があるが
東洋の体術には、身体をととのえ 心をととのえるといった
心身一如の考え(心と身体を同価値とする考え)があるようだ

梓川



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