次の日、母さんとお兄ちゃんは、お姉ちゃんを連れてきた。
この時のお姉ちゃんの心に触ってみると
「犬太が死んでまだ日が経ってないのに、
子犬を飼ったりしちゃ、犬太に悪いわ」
なんて思っている。
お兄ちゃんは、お姉ちゃんをちび犬のケージの前に連れてきた。
ちび犬はよく寝ていた。
「ほら犬太だろう!似てるだろう」とお兄ちゃん。
「犬太だっ!犬太がいる」とお姉ちゃん。
すると、ちび犬がボクに
「犬太にいちゃん、早く!早くボクの中に入って!」
って言いながら、ボクを引っ張った。
ちび犬に入ったボクは、起きあがりお姉ちゃんの前に立った。
「犬太だ、犬太が来た」とお姉ちゃん。
その後、
あっという間にちび犬は母さんちにもらわれることに話が決まった。
子犬になったボクの横で本当のちび犬がうれしそうに笑っている。
ボクはケージから出され、お姉ちゃんに抱っこされた。
うわぁ、お姉ちゃんの抱っこ、久しぶりだあ(T_T)
母さんが「犬太」って書かれた青い首輪を着けてくれた。
「よっ(^^)母さん久しぶり」って言いながら、クンクンしてあげました。
それから、僕はお姉ちゃんに抱っこしてもらい、
「LOVELY DOG KENTA」のステッカーの貼られた窓越しに、
懐かしい景色を見ながら、家に帰った来た。
ボクは死ぬ前にしたかったことを全部やった。
「みんな、ボクが犬太だった頃、大事に育ててくれてありがとう」
って大声で言った。
もちろん、みんなにはキャンキャンとしか聞こえなかったみたいだ。
今のうちにいっぱい甘えておくんだ。
みんな犬太のことを忘れて早くこの子と本当の家族になりますように。
家族は本当にうれしそうで、
母さんもお姉ちゃんもお兄ちゃんも泣きっぱなし(^O^)
ほうら、うれし泣き用の涙を取っておいてよかったでしょ?
続く