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小林正観さん
1948年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業。心学研究家。コンセプター、心理学博士、デザイナー、作詞家、歌手、ありがとう研究所所長など、幅広い分野の第一線で活躍している。著書は『22世紀への伝言』『守護霊との対話 中川昌蔵の世界』(弘園社)『宇宙が味方の見方道』(英光舎)『宇宙方程式の研究』(風雲舎)『笑いつつやがて真顔のジョーク集』(宝来社)など多数。
父に家を出ていけと言われ…
宮西 小林さんは全国各地を講演活動して回っていらっしゃいますね。
小林 ええ。こうしてスケジュールを見ると、もう来年の末までほとんど毎日、予定が入っていて、休みの日は2日ほどしかありません。とはいえ、この貴重な2日間も、もうすぐに埋まってしまうでしょうね(笑)。
宮西 それは、すごい!講演活動をされるようになったきっかけを教えてください。
小林 私はもともと旅行作家だったのです。
宮西 えっ!旅行作家でいらっしゃったのですか?
小林 大学では法学部で司法試験の勉強をしていたんです。でも父が長男の私に家を継げというんですね。それで拒否したら、家を出ていけといわれて、21歳の時に家を出て行かざるを得なくなりました。
宮西 自活しなくてはならなくなったというわけですね。
小林 そこで、何をして食べていこうかと思ったときに、9時から5時までのアルバイトは勉強があるからできません。だから旅の原稿を書いたのです。いろいろな雑誌や新聞に100編くらい送ったのですが、全部採用されました。
宮西 すごい文才ですね!
小林 当時は、普通のサラリーマンの倍以上の収入を得ることができました。ですから生活は左団扇だったわけです。以後、33年間旅行作家をしてきました。
宮西 旅行作家がどうして、今の正観さんのような活動をされるようになったのですか?
小林 旅をするといろいろな人々に出会うでしょう?
人はそれぞれの悩みを抱えています。実は私は15歳の時から人相学、手相学の勉強をしていましたので、人の悩みをアドバイスすることもできたのです。宿に行くと30人、40人の人が集まり、そのような人にワンポイントアドバイスをしてきました。30年間に6万人くらいの人をみたと思いますが、かなり当たるらしい。「それ違う」といわれたのは皆無で、今のところ100%です。
宮西 すごい的中率ですね。
小林 リピーターは増えるし、評判を聞きつけて、夜汽車で朝着いて「会ってくれ」「相談に乗ってくれ」などという人もでてきました。
宮西 それは大変でしたね。
小林 相談の内容も答えもほとんど同じなので、400字×250枚くらいにまとめた小冊子を作って配ったのです。友人、知人でほしい人がいたらコピーして渡していいですよということにしたのです。そうしたらこれがコピーされて、1年間に数万部配られ、さらに相談が倍になりました(笑)。
宮西 相談を少なくしようとしたら、かえって倍になってしまった(笑)。
小林 しかも無料でコピーしていいといっているのに、コピーを求める人が現金書留で現金を送ってくるために、コピーをしてお送りするという状況が続きました。一時は毎日、本業の取材活動をしていた時以外は、コピーとりをしていたこともあるくらいです。
宮西 ますます大変なことになりましたね(笑)。
小林 そのようなときにハイテク会社の社長さんに会いました。そんなに大変なら本にしてあげましょうと、本にしてくれたのが『22世紀への伝言』なのです。それから年に1冊くらいは新しい本を書いています。
感謝する心
小林 私が20歳から40歳まで言い続けてきたことが、「不幸や悲劇は存在しない」ということでした。そして40歳以後、もうひとつのこと、「人生には幸福や幸運はないみたいだ」ということもいい始めたのです。
宮西 不幸も幸福もない……。
小林 ただ、そう思う心があるだけだということです。つまり宇宙には不幸や悲劇は存在せず、幸福や幸せも存在しない。そう思う心があるだけだということです。
宮西 自分が解釈する心、ですね。
小林 これはお釈迦様のおっしゃっていた「色即是空」の世界にも通じるのかもしれません。目の前の現象は空ではあるが、無ではない。現象はニュートラルなもので、そこに自分が喜びや悲しみの色を付けた眼鏡でみているだけということがわかってきたのです。
思えば大学2年の時、父に家を出ていけと言われたことがきっかけで、自分で学費を稼いで大学を卒業しましたが、当時は父を許すことができない時期もありました。ひどい親だと思っていたこともありました。5年でゼロになり、10年で手を合わせられるようになりました。
宮西 感謝になった?
小林 そうです。上司に怒られたこともなければ、同僚に気を使ったりすることなく、自分の好きな仕事ができるということは、すべて父親が追い出してくれたからだと思い、手を合わせて拝めるほどに感謝するようになりました。
宮西 今の正観さんがいらっしゃるのも、そのときのお父様のおかげなんですね。
小林 その後、30歳で結婚しました。でも3年経過しても子どもができなかったのです。33歳の時、やっと子どもに恵まれました。うれしくて「慶」という文字を用意して慶子という名前にしました。その子は知的障害児でした。そう聞かされたときはショックで頭の中が真っ白になりました。
でも結果として私は彼女に感謝をするようになり、そして本当に多くのことを学ぶことができました。まるで彼女が私に教えてくれるために、私たち夫婦を選んで、やって来てくれたようなのです。
宮西 慶子ちゃんは、正観さんを父親として選んできてくれたということですね。
小林 彼女を通して「争わないこと」の大切さを教えてもらいました。彼女の1歳下には次女がいますが、妹は健常児です。
慶子は筋力も普通の子どもの3分の1くらいしかありません。ですから、彼女がおもちゃで遊んでいると、妹がそれを容易にとることができる。でも慶子は決して怒ったり、奪い返そうとはしません。何も気にせずに次のおもちゃをもって遊んでいる。それを見た妹は、またそのおもちゃがほしくなり、取ってしまう。慶子は、また怒りもせずに、また次のおもちゃをもって遊びます。これを3回繰り返し、4回目になったときのことです。妹はもう、おもちゃをとりあげませんでした。近寄っていって慶子と一緒に遊び始めたのです。
宮西 まあ。すごい、感動的な場面ですね。
小林 私は、二人が仲良く遊んでいる姿を見たときに、いっさい争わないことのすごさを知りました。争わないで、闘わないで問題解決してしまう、そのすごさを実感しました。争うことや闘うことは意味をもたないのではないかと思ったのです。争わずに受け入れ、分かち合うことの大切さを慶子に教えてもらいました。
人間とは、競争する存在なのではなく
小林 慶子が小学校6年で12歳の時でした。運動会で、徒競走がありました。4年生までは50メートル走、5、6年生は100メートル走ですが、彼女は筋力が普通の子のようにはないので走るのも遅く、いつもビリでした。
ところが、その年は捻挫した友達がいました。その子も走りたいと。先生は、それならば慶子ちゃんと同じ組で走らせようと考えたのです。妻がそれを聞いて「「慶子がはじめてビリじゃないかもしれない」と笑顔で出かけて行きました。もちろん何番でもいい。ビリでもいいんですが。
宮西 ついに、慶子ちゃんはビリから2番目になったんですか?
小林 妻がにこにこして帰ってきました。それで、慶子ちゃんが初めてビリでない徒競走ができたのかと思って聞いてみました。すると、彼女は「それがねえ、またビリだったのよ」とうれしそうにいうのです。
宮西 うれしそうに?
小林 そうです。「よーいどん!」で、慶子はいつものように走り始めましたが、後ろには捻挫をした友達が走ってきます。彼女はその子の姿を気にかけて、心配そうに、振り返り振り返り後ろを見て、走り続けたようです。その子が足をかばいながら走ったためにキャッと叫んでころんでしまった。慶子は急に回れ右をして走り出し、その子のところにいって手を引き、一緒に走り始めたというのです。二人の走っている姿を見て、生徒達はもちろんのこと、父兄達も総立ちになって慶子とその子に声援を送ったといいます。
宮西 なんて感動的なシーンなのでしょう。
小林 二人で仲良く走って、最後にゴールの前にきたときに、慶子は、その子の肩をぽんと押してあげて、その子をゴールに入れてから自分が入ったというのです。
宮西 すごい!涙が出てしまいます。
小林 この話を聞いたとき、私は最初、にこにこ笑って聞いていましたが、そのうち顔が真顔になりました。今まで競争社会の中で、生きてきたように思います。それが当たり前のように思っていた。でも慶子は、人間とは、競争する存在なのではなく、「喜ばれる存在」であることを教えてくれたのです。
人間の生きる目標というのは、決して人を蹴落として一番になることではなく、喜ばれる存在になることではないかと思ったのです。「人間」とは、人と人との間で生きています。だから「人間」と書く。頼まれて初めて、その人の存在感があるのです。人生の目標は何かを達成することではなく、喜ばれる存在になることなんですね。
宮西 喜ばれる存在とは、もう少し具体的に教えてください。
小林 頼まれやすい人。頼まれやすい顔をしていることです。
喜びの精霊
宮西 ここにあるお写真ですが、正観さんたちがみんなで楽しそうにしていますね。みんな、にこにこしていますが、写真の中に白い丸がいくつも写っていますね。
小林 これは喜びの精霊が写ったものです。
宮西 えっ!喜びの精霊ですか?
小林 人が喜んでいるときに、そしてその場にいる人みんなが喜んでいるときに、このような光の玉が現われるようです。例えばこの写真を見てください。
宮西 あ、かわいい赤ちゃんを抱いた女性のところに光の玉が見えますね。
小林 この方は初孫を抱いて喜んでいらっしゃるのです。そしてこの写真を撮影した人も喜んでいる。そういうときに、この光の玉が写ります。このときに何枚か同じような写真を写したようですが、光の玉の位置が違うのがわかると思います。ですから、この光の珠は、フィルムや写真機の汚れや、その部屋の壁の汚れとかというわけではないのです。
宮西 確かに、光の玉の位置も違うし、場所も違います。何よりも、この女性の幸せそうな顔には癒されますね。
小林 もう一枚の写真を見てください。こちらは山の写真です。2枚の写真の違いがわかりますか?
宮西 一枚には光の玉が写っていて、もう一枚には写っていませんね。
小林 光の玉が写っているのが最初に撮影した写真なのだそうです。そのとき撮影した人は奥さんと一緒に「わあ、きれい!」と喜んでいました。だから光の玉も撮影されていますね。もう一枚撮ろうといった夫に対し、「同じものを2枚撮ってもしようがないじゃない」と妻が中に入ってしまった。そのときに撮影した写真がもう一枚です。わずか1分の間のことなのに、光の玉が消えています。これは人間の意識によって、喜びの精霊が、現われたり、消えてしまったりすることを意味していると思います。
宮西 瞬時にして消えてしまうんですね。
小林 そうです。ですから、常に楽しい意識でいることが大切です。楽しい意識で、楽しい言葉を発することが大切なのです。このようにして、日頃、その人がどのようなことを考え、どのような言葉を口に出しているか、それがすべて人相に現われています。
宮西 正観さんは人相学もやられていたのですから、そこいらへんについては、プロですね。顔をみれば一目でわかるんですね。
小林 日頃から前向きに考え、肯定的な言葉を発言している人は、頼まれやすい顔をしています。そして、愚痴や泣き言をいっていた人は、そのような顔になってしまいます。
宮西 すべて顔が物語ってしまう。
小林 そうですね。でも、今まで否定的な言葉を使っていた人でも、意識的に「ありがとう」「うれしい」「楽しい」「ついている」「愛している」というような肯定的な言葉を発しているうちに、その人の人相も人格も変ってくるのです。
宮西 言葉が顔を作る。
小林 そして、そのような言葉を発した分だけ宇宙から、それに見合う現象が生じてきます。それが宇宙の原理です。「はじめに言葉ありき」というのは、その宇宙の原理をいっているのです。自分の発した言葉が宇宙からの現象としてあらわれてくる。
この原理を知ったとき、私は「打ち出の小槌」を手にしたと思いました。「うれしい」「楽しい」「幸せ」の頭の3文字を使った「うたし会」という会があるのですが、この会には630くらいの事業主の方がいらしていますが、どの方も生き方が楽になった。楽しくなったといっています。
「ありがとうグッズ」
宮西 言葉の力は本当にすごいんですね。
小林 何かをやろうとするとき、執着のない喜びの気持ちでやれば、到達されるのですが、「ねばならない」というような気持ちで行えば、かえって実現できない。15%の顕在意識が働くだけなんです。でも85%の潜在能力、別名、超能力は喜びに反応するんですよ。だからうれしい、楽しい、幸せというような意識をもって、加えて言葉を発すれば、それに見合った現象が自分の手元にやってくる。
宮西 発した言葉と同じ現象がやってくるのならば、どんどんいい言葉を使いたくなりますね。
小林 思いも大切ですが、言葉のほうがより強い。ですから肯定的な思いを抱いたら、口に出すことです。そう考えたとき、私は現実主義者でもありますから、どの言葉を使ったときに、現実にやってくる現象が一番うれしいかなと考えたんです。その結果、「ありがとう」が一番いいのではないかと思いました。
それから私は意識して「ありがとう」というようになりました。この4、5年の間、250万回はいってきたと思います。
宮西 250万回。
小林 こうして唱えてみてわかりましたが、確かに、「ありがとう」に見合った現実がやってくるんです。今約200種の「ありがとうグッズ」を販売しています。遊び心100%で楽しむために作り始めたのですが、なんと、使った人たちから、いろいろな効果があるようだという話が続出しているのです。
宮西 江本勝さんも水の結晶写真をとって、「ありがとう」という言葉が水の結晶をきれいにすると証明していますからね。
小林 そうですね。例えば「ありがとうハンカチ」というのがあります。これは、ハンカチ一面に「ありがとう」の文字が書いてある。
3280個も書いています。もっているだけでも気持ちがよいのですが、このハンカチを頭痛のする部分に当てたら、15分間で頭痛が治ったという報告もあります。また「ありがとうパジャマ」といって、パジャマ一面に「ありがとう」の文字が書いてあるのですが、このパジャマを着て眠ったら熟睡できたというような話もたくさん寄せられているんですよ。
宮西 本当によさそうですね。そのグッズはどこで買えるのですか?
小林 株式会社SKPに問い合わせていただければSKPうたしショップ60軒の一覧表をお送りします。(電話045-412-1685)
宮西 ぜひとも使わせていただきたいです。私も積極的にありがとうと感謝していきたいと思います。本日はありがとうございました。
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