Running&Climbing

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第14回ピンネシリ登山マラソン

第14回ピンネシリ登山マラソン


2008年7月6日(日)



『2年ぶり2度目の参加』


横断幕


私が初めて練習と大会を通じてオーバーフルを経験したのが2年前のこの大会。標高1,100mのピンネシリ山頂上を往復する45kmコースに臨んだときである。いやもうキツいのなんの。30kmコースの折り返し地点である15km付近から先の猛烈な上りにすっかりヤラれ、そのほとんどを歩き通したものだった。例年であればサロマの翌週に開催される今大会なので去年は全く参加する意思がなかったが、今年は運良くサロマから中1週開く日程だということを知ったので敢然と申し込んだ。しかし15kmから先の地獄が脳裏を過ぎり30kmコースにとどめておいた。

当日は数年ぶりに女房の帯同を得て自宅を出発。時は6時30分。夫婦水入らずでのドライブは実に久しぶりのことである。1時間半弱の末、懐かしの大会会場へ到着。ゴール後に入浴を許される新十津川温泉駐車場に車を止めて受付へ向かうと、まずはトン子さんと会う。お互いに今年はサロマでは残念な経験をしましたね。ジリジリ焼け付くような暑さの中、受付近くに荷を解くとヨーイチさん登場。サロマは見事なタイムでしたね。続いてしげたさん。ご無沙汰しています。それからはもう知り合いだらけ。naruちゃんにやっさんにkanapapaさんにけんいちさん。初めてお目にかかるそうらんさん。とどめはシーハイルさん。この方もサロマで見事サブ10を成し遂げている。参加総数が200名前後の大会でこんなに大勢の知り合いに会うとは思いもよらなかった。

ドーム受付1受付2スペシャル


用意しておいたスペシャルドリンクを預け入れて9時からの開会式。橋本聖子参議院議員の挨拶を含むそれは思いのほか短時間で済みホッと一息。炎天下で体力を消耗することは避けたかったので助かった。

橋本聖子さん橋本聖子さん2


暑い上にスタート時刻は10時ジャストなので、その後はアップをするわけでもなく体力を温存した。ハーフ以下の場合は前日、フルの場合は2日、それ以上の距離の大会に参加する場合は3日間を休肝日とする私だが、今後の大会は至極自然体で臨むことを決めているので今回は前日もいつもどおりの給水をした。そのため腹の具合が悪くなる心配がちょっとだけあったのだが、全くの杞憂に終わった。却って前夜はグッスリと眠れ、当日の朝もスムーズな用足しを出来たので正解だったのだろう。不慣れなことをすべきではないとあらためて知った次第である。

スタートスタート2


知り合い同士が肩を寄せ合うようにスタート地点に集う。仲間って良いな。2週間前のサロマは残念だったがこれはもう過去のものと忘れよう。砂利道対策で2年前と同じ厚底のジョギング用シューズとライトレーサーとでちょっと迷ったが、後者にした判断が正しかったと信じよう。伊達マラソンと洞爺湖マラソンは全力の半分も尽くさない不完全燃焼のレースだったので、今日はゴールテープを切ったらへたり込むような結果にしよう。女房に誓った(2時間45分前後で帰ってくる)をなんとしても実現するのだ。

号砲一発。



『酷暑&無風』


芝生を走って軽く左カーブ。そこで女房が手を振っている。こっちも「待っててくれよ~」と応える。総合公園内の走路を2~3度右左折して公道へ。40kmに参加するヨーイチさんの姿は早くも見失ったが、同じ30kmに参加するやっさん、トン子さん、シーハイルさんと並走する。5分/km程度と思われるペースだとあれやこれやと話をしながら走るのが苦にならないのだな。けんいちさんも合流して気分は合同ランの装い。3km付近だったかの給水をしっかり手にして喉を潤す。これをサボるのは今日のこの酷暑&無風状態では自殺行為に等しいからだ。

長い下り坂を経て左へカーブするとクネクネ曲がりくねった道へ。そうだ、思い出した。この先に5kmポイントがあるのだ。そしてたくさんのスタッフが声援を送ってくれるのだった。

「追いつきました~」しげたさんである。 
「ずっと背中を追って走っていたんですよ」
スピードランナーのしげたさんなのでどんどん遠ざかる。


5km地点通過:24分39秒。(4分56秒/km)


舗装路から砂利道の森林コースへ。陽射しが翳って幾分楽になったが、と同時に上りが始まった。ホームコースが全くの平坦で起伏走を怠っている私なのでこの先は我慢が求められそうだ。15kmコースの先頭ランナーとすれ違った。確か一緒の場所に荷を解いていた人だな。チラチラ後ろを振り向くとやっさん、トン子さん、シーハイルさんの姿も見える。そもそもが薄く、購入後2年とちょっとを経過したライトレーサーのソールは砂利道だとことのほか堪える。ようやく10kmのエイドだ。


10km地点通過:51分16秒。この5km:26分37秒。(5分19秒/km)


ここですっかり脚を止めてしまった私とは対照的に、やっさんとトン子さんは最小限度の補給の末ただちに走り去り一気に差が開く。強いなぁ。その後一時的に追い付き追い抜いたのだが、トン子さんはすぐ背後に。ヒタヒタ聞こえる足音は手稲山トレイルランを経験しているだけあり力強く、対照的にこっちの気力は消失寸前。ついに歩き出してしまった。しかしトン子さんはそうではない。着実に確実に脚を前に進めている。その後ろ姿は神々しくさえ私の目には映ったものである。

急なカーブを幾つか越える。内心(そろそろ折り返しじゃないか)と期待するのだがなかなかそれは見えてこない。走っては歩くの繰り返し。しげたさんとすれ違う。バテバテの私をやっさんが励ましてくれる。ようやくまた走り始めたところで先行するトン子さんとすれ違う。その『速さ』と『強さ』に脱帽である。


15km(折り返し地点)通過:1時間25分17秒。この5km:34分01秒。(6分48秒/km)


預け入れてあったゼリー飲料とスポーツドリンク、そして大会側で用意してあった食料を貪る。やっさんはとっくに復路へ突入したが私はまだ動けない。そんな私に檄を入れてくれたのがシーハイルさん。「休み過ぎだよ~」だそう。 3分程度休んだようだ。 よしっ!ではいっちょ行きますか! 

喘ぎながらひたすら上ってくる後続ランナーにエールを送りつつ下りの復路をひた走る。しかしあまりスピードに乗りすぎてつんのめってしまわぬよう注意しながら。往路の途中でかなり歩きが入ってしまった関係上、その時は(後続者がまだこんなにいたのか)というのが正直な感想だった。下り勾配が緩くなると加速開始。シーハイルさんと接触しないよう注意しながらひた走る。ここまで引っ張っていただいたので今度は私がそうする番。しかし後方から何事か聞こえてきた。「トイレしてきますから~」と言ったらしい。残念ながら並走解除。

やっさんが歩いてしまっている。「やっさん、大丈夫?どこか痛いの?」 「いや、違うんだ」 「頑張ってね」


20km地点通過:1時間54分38秒。この5km:29分21秒。折り返しで3分程度休んだにしてもこのラップは変だぞ。


下り勾配が更に緩くなりほぼ平坦な森林ラン。関節痛の兆候は幸い出ていない。そして太腿の痙攣も。極端に少ない参加総数なので、森林内で見通しが悪いことがあるにせよここを走っているのは自分一人じゃないのか、と疑ってしまうほど人に会わない。前にも後ろにも人の気配すら感じない。こんな大会はここぐらいなものだろう。

森林を脱出すると再び強い陽射しが我々を悩ませる。走路からの照り返しもキツい。しかしただひた走るのだ。そんな私の目にエイドとシャワーが見えてきた。ありがたく頭から水を被る。


25km地点通過:2時間19分18秒。この5km:24分40秒。(4分56秒/km)


スタッフ2名からエールをいただきながら右折して一般道へ。2年前にも苦しめられた数百メートルのダラダラ上りだ。両腕を大きく振ってとにかく失速を防ぐ。そこをようやく上りきるとスッと視界が開け、3km程度と思われる長い直線へ。ここまで至ると無心である。最後の給水はパスした。
以下1kmごとのラップを。


残り4km:4分33秒。 残り3km:4分57秒。←ここにダラダラ上りがあった。 残り2km:4分43秒。 残り1km:4分42秒。


200m程先を行くトン子さんの姿を目視できたが到底追い付けない。この人の努力と走力アップにはほとほと頭が下がる。東京国際女子マラソンにはぜひぜひ万全の体調で臨んでいただきたいものだ。左折して総合公園内に入る。中央分離帯のある道路を下っていくと右左折を各々一回。伊達と洞爺ではできなかった懸命のダッシュである。これだよ、これ。心臓が口から飛び出そうになるような感覚を味わわねば大会に参加した意義がないってもんだ。

芝生に入る。遠くに女房の姿が見える。向こうも私に気付いたらしくゴール地点へ歩き始めた。最後の直線で「ナンバーカード○○○番。○○○○君。札幌から参加」のアナウンスが聞こえている。ゴールテープが用意されている。帽子とサングラスを外し、被写体としての準備も万端。両腕を真上に向け、これから参加する大会で必ずそうしようと心がけること(笑顔)を浮かべながらゴールテープを切る。

ゴール2ゴール


よっしゃ~っ!



やっぱりこれは良い大会だ。ピカ一のお勧め大会である。




~5km:24分39秒。

5km~10km:51分16秒。(26分37秒)

10km~15km:1時間25分17秒。(34分01秒)

15km~20km:1時間54分38秒。(29分21秒)

20km~25km:2時間19分18秒。(24分40秒)

25km~30km:2時間42分36秒。(23分18秒)



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