K/Night

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華観拓衣様への捧げもの

サナカミ

某文化祭(って自分の学校の文化祭だけどさ)で発行した我が部の部誌にて描かせてもらった 華観拓依様 の小説のキャラ、『サナカミ』君でございますw
いやー・・・・絵が古い(泣(ぁ
写メで撮ったから画像汚いです(蹴
こんなんで本当に申し訳ない。。。

【Merry Christmas?】
「クリスマス【Christmas;Xmas】」キリストの降誕祭。12月25日に行う。もと太陽の新生を祝う「冬至の祭」がキリスト教化されたもの。ギリシア正教会では1月6日。聖誕祭。降誕祭。ノエル。  <広辞苑より>

「というわけなのよ~サーちゃん」
「・・・・だから?」
「んも~だから~この日は恋人同士が愛を確かめ合う日なのよ~」
「そんな事一言も書いてないだろ」
ここまで説明しても分らない、否分っていない些那佳彌(サナカミ)に柘季(ツキ)はあからさまに溜息を吐いた。
時はクリスマス前日の事である。
「もう良いよ~遠回しに言うのはサーちゃんには理解させられないね~結論から言うと~私は『クリスマスパーティ』をしたいだけなの~」
「クリスマスパーティ?」
雰囲気だけで甘そうなその言葉を反復し、サナカミは顔を歪める。
「嫌だ」
そして即拒絶した。
「え~?どうして~?」
「どうして俺がお前とそんな事をしなくちゃならないんだ?!」
指差し確認よろしくサナカミは可愛らしく首を傾げるツキに再度拒絶の意を示す。
「え~?!」
あわや中止になりそうになるそのパーティに、
「面白そうな事をやるね」
と話しに加わったのは2人の先輩である死夜(シヨ)だった。
「シヨ先輩・・・・」
嫌な方向に進みそうなその嫌な雰囲気にサナカミは後退する。
一方ツキはシヨの言葉に満面の笑顔を振り撒く。
「ですよね~?!ほら~サーちゃん、シーちゃんは分ってくれたよ~?」
形勢は明かにサナカミが不利。
「良いじゃないか。サナカミ君。たまには旅の途中で息抜きも大切だよ?」
「それでも嫌です」
だが、あくまでサナカミは我を張る。
しかしその言葉はあっさりと無視された。
「じゃあ~私はケーキ作りますね~」
「僕はパーティ用の料理を調達してくるよ。プレゼントなんかはやはり必要だよね?」
「そうですね~プレゼント交換なんてどうですか~?」
「良いね。じゃあケーキを食べる前にでも交換しようか」
2人は着々と計画を進めていく。
その中取り残されたサナカミは、この後我が身を襲うだろうその出来事を、漠然とした不安を抱きながら見つめていた。

次の日、もちろんのようにサナカミの不安は当たった。
ツキに宿から連れ出され、財布を手に握らされ、
「プレゼント買ってきて~!」
一方的に、反論する余地も与えられず送り出された。
背中越しに、
「もしプレゼントに迷ったら~一般的に自分がもらったら嬉しい物を買ってくれば良いんだよ~」
と嬉しくない忠告。
一般的ってなんだよ、とツッコミながらも逃げられない状況に肩を落とす。
渋々、しかも散々悩んで求められた物を買い、帰りは食料を持ったシヨに強制連行されてサナカミは宿へ戻った。
部屋に入ろうとした瞬間、甘い匂いが鼻腔を付く。
「・・・・・・・・」
本気で逃げたくなる。
しかし、その肩はシヨに掴まれて逃げられない。
「さぁ、入ろう?サナカミ君」
あんた鬼ですか?
心の中で思って、急いで謝った。
そういえばこの人、心読めるんじゃん。
ということは、逃げる算段をしても実行する前にばれているという事。
「・・・・はい」
諦めてサナカミは背中を丸めて砂糖の匂いが充満した部屋に入っていった。

「美味しい~シーちゃん料理上手ですね~」
「それほどでもないよ?人並みに出来るくらいだし」
「・・・・・・・・」
料理も終盤、前に何度も繰り返した会話を再度繰り返すツキとシヨを無視し、黙々と料理を口に運ぶサナカミ。
これが終ればプレゼント交換とかいう事をしなくてはならない。
はっきり言って嫌の一言である。
そんなサナカミの思いを全員気付いていながら、そのイベントは行使されるのである。
「じゃあ~プレゼント交換しようか~」
ツキの一言で呆気なくそれは始まった。
「はい~自分の買ったプレゼント持って~順順に回して行くよ~?私がストップって言ったら~自分がその時持ってるプレゼントが自分の物だからね~?」
簡単に説明し、
「サ―ちゃん分った~?」
サナカミに確認する。
「分ったよ」
ぶっきらぼうに答えて、手招きされた場所へサナカミは移動する。
円形に座り、ツキ、サナカミ、シヨと座った。
「じゃあ回すよ~あ、目瞑ってね~」
ツキがサナカミにプレゼントを渡す。
それに順じて3人はプレゼントを回した。
どれくらい回したか分らなくなった時、
「はい~ストップ~」
ツキの声が響いた。
それぞれの手元にあるのは、ツキがサナカミの、サナカミがシヨの、シヨがツキの、といった具合だ。
早速と3人は―――サナカミは別としてだが―――包みを開ける。
「何~これ~?」
非難めいた言葉がツキの口から出た。
サナカミの包みから出てきたのは短剣諸々・・・・
「お前が自分が好きな物を買ってくれば良いって言ったじゃないか」
「そうだけど~これは一般的じゃないでしょ~」
「一般的なんて人によって違うじゃないか」
そういうサナカミの手にあるシヨの包みは旅で何かと使う必需品諸々だった。
「まぁまぁ、2人共、そう言い争わないで。ね?」
そのシヨの手にはデカデカとしたフワフワのクマのぬいぐるみが抱かれている。
「・・・・先輩」
「どうした?サナカミ君」
「・・・・いえ」
似合ってるなんて一言も言えない。
サナカミは視線を逸らす。
「じゃあ~ケーキ食べようか~」
1段落無理矢理させて、ツキが奥へと消えていった。
戻ってきた手には今だ泡立つ白い、お世辞にはケーキとは言い難い代物。
「はい~これはサーちゃんのね~で、こっちがシーちゃんの~」
そう言って差し出すもう1つケーキもまだ泡立っている。
「・・・・これは何だ?」
「ケーキだよ~?」
「・・・・ツキちゃん、何か入れた?」
「・・・・何も入れてませんよ~?」
一瞬の間を2人が見逃すはずもない。
机に置かれたケーキをサナカミは窓から投げる。
「何するのよ~」
「ツキちゃん、自白剤を入れちゃ駄目でしょう」
微笑みながら告げるシヨにツキも微笑む。
「・・・・何をする気だった?」
「別に~?」
「・・・・・・・・」
外はチラチラと雪が降り始めていた。
部屋の中が外よりも寒い空気が流れていた事は3人以外誰も知らないのだった。



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