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K/Night
第1回OPEN
『第1回 OPEN』
「シェイル!シェイルス・シェイン?!」
城の中ではセルヴェイスの大声が響く。長い廊下をブーツが叩く。蒼く短く切られた髪が小走りに進むために起こった風で靡いていた。
「セル隊長!シェイル副隊長が先程城下に行く所を見た者がおりました!」
「…またか」
セルヴェイスは眉間に皺を寄せて溜息を吐いた。報告してくれた兵士に礼を言い、持ち場に戻る様指示したが気が変わって呼び止める。
「なんでしょうか?」
「シェイルを探しに行ってはくれないか?至急、城に戻るようにと」
「はっ!分かりました!」
一礼をする兵士に頼んだ、と一言言って踵を返し、セルヴェイスは他の兵士に告げた。
「城に滞在している志願者を玉座の前に集めてくれ。陛下が今日話しをなさるとおっしゃっている」
ラングレスに続く街道を1人の少年が歩いていた。腰に帯びた剣が音を鳴らしている。
整備された街道に長年の平和を物語る。人の手が加えられた場所には魔物は寄り付かないのだ。
「…お前も志願者か?」
後ろを追って歩く気配に少年、サナカミは立ち止まった。同時に背後の気配も立ち止まる。殺気などではない。純粋に向かう方向が同じという感じがした。
「あぁ。貴方もか?」
声を掛けられた気配、十乃牝櫻は自分より背の高いサナカミを見上げる。
「あぁ。お前も異国の者だな」
同じ雰囲気を感じ取ったサナカミは言った。サナカミもこの国の者ではない。
「『お前も』?」
「俺も異国からだ」
「そうか」
頷くと櫻は歩き始める。同時にサナカミも歩く。
話しは途切れたが2人は共に城へ向かった。
「…酒屋か。一杯やるかな」
ワンアーム・ロンドは酒屋を見つけると中へ入っていった。
辺りを見渡して空いている席を見つけると即座に座る。
「おやっさん。一杯」
店主に声を掛けて、フと隣を見遣ると黒髪の男が酒を飲んでいた。細身の剣が2鞘、テーブルに立て掛けてある。
「あんたも志願者か?」
置かれた酒を煽りながら聞くと、隣の男、ブラインドネス・レイは閉じた眼を向ける。
「貴方もですか?」
「あぁ。少し前から城に滞在させてもらってる。こんな腕だけどそこらの若造には負けないつもりだ」
ない右手を上げながら冗談めかすと、ブラインドネスの唇は弧を描いた。そこで初めて気付く。
「あんた、眼が?」
「えぇ、でも、そこらの若造には負けないつもりです」
ワンアームの言葉を真似て微笑むと、ワンアームは吹き出した。
「お互い不自由な体の持ち主ってわけか。気に入ったぜ、あんた。これを飲んだら城まで案内してやるよ」
「ありがとうございます」
「俺はワンアーム・ロンドだ」
「ブラインドネス・レイです」
互いは握手を交わすと、それぞれの酒を煽った。
城下の中をフロッグズ・ルーはのんびりと歩いている。
時に持ち前の笑顔で、
「すみませーん。城への道はこれで良いんですか?」
道行く人々に尋ねながら。通りの両脇に立ち並ぶ店を覗くのも楽しい。
彼にとって『外』を歩ける事は何よりも嬉しいのだ。
「今回のお触れは良い口実になりましたね」
伸びをしながらフロッグズは歩く。
フと気付くと、前に銀髪と漆黒の髪が並んで城へ向かっていた。
「同じ志願者ですかね?」
そうであってもそうでなくても、『外』で暮らすつもりである彼にとって『外』の友人は欲しかった。駆け寄って声を掛ける。
「こんにちは。君達も志願者ですか?」
サナカミと櫻はフロッグズの声に立ち止まる。
「あぁ」
「貴方もか?」
短調な言葉が返ってくるがさしてフロッグズは気にしない。
「はい。一緒に行ってもいいですか?」
「構わないが」
「私もだ」
「じゃあ宜しくお願いしますね」
サナカミと櫻の間に体を置いてフロッグズは彼等と共に城へ向かった。
「にゃあ」
「猫!」
エルフィード・レインは通りを横切った小さな猫に気付いてその後を追った。城へ戻ろうとしていたが細い路地裏へと入って行く。
「何処へ行くんですかー?」
追いながら猫に問いかけるが、長い尻尾を揺らすだけで猫は奥へと進んでいく。
猫が好きで構いたくなる性分に、エルフィードは小走りになると猫の体を捕まえて抱き上げた。
「捕まえました!…あれ?」
「にゃあ」
一瞬の気の緩みに猫は腕をすり抜けて逃げていく。エルフィードは構わず辺りを見渡した。全く見知らぬ場所である。
「…ここは何処でしょう?」
後を追って入ってしまった路地の構図など覚えているはずもない。
「迷ってしまいました」
頭を掻く。つい先日着いたばかりの国だ。知り合いもいない。頼れるのは自分だけという状況。
取り敢えず、唯一覚えている最後に曲がった角を戻る。
「にゃあ」
「どうかしたんですか?迷いましたか?」
「―――?!」
其処にはエルフィードが追いかけていた猫を抱えた青年が立っていた。気配も何もなかった。エルフィードは思わず構える。
すると、
「あぁぁ!警戒しないでください!怪しい者じゃないですって!!」
慌てて片手を左右に振って否定した。しかし言葉だけで警戒心が解けるはずはない。持ち歩いている魔法銃に手を掛けた。
青年はさらに続ける。
「この猫俺が世話してて、それであなたが猫を追ってここに入ってくの見たんで…ここ、複雑なんで地元の人間も迷いやすいんですよ」
「…そうだったんですか。ごめんなさい。疑ったりしてごめんなさい」
警戒を解いて頭を下げると、青年はまた慌てて今度は首を振った。
「いやいや!こっちこそ驚かせたようですし。あ、良ければ元の道まで案内しますけど?」
「お願いします」
「じゃあ、こっちです」
初めてそこで青年は笑って、エルフィードを案内した。
昼下がり。城へを向かっている道端でその人物は突如、地面に膝を付いて額を擦り付けた。
「い…痛いーっっっ!!!」
両手を眼に充ててのたうち回る。XI、彼女の両目は義眼である。かつての師匠の作という事で手入れが難しく、かといって手入れをしないと激痛が走るのだった。泣く事などもっての他だ。
「痛いーっっっ!!!」
泣きたくなる程に痛いのだが、泣いても痛いために我慢するしかないのだが我慢出来る痛みではない。
気を紛らわすために叫んではみるがただの通行の邪魔である。
「なんなんだよ!師匠の馬鹿―!!!」
和らがない痛みに師匠を罵倒してみるが内心で必死に謝る。
「あぁ…本当に辛い…」
痛みを堪えながら何とか立ち上がりフラフラと歩き始めた。白い眼で人が見ているが気にしない。
「城へ行ったら取り敢えず手入れしないとな…」
溜息を吐くXI。
その後を追うようにアイアイも城へ向かっていた。
「兵士さんが志願者呼んでたけど、何かやるのかなー?」
自分探しの旅に出ていたアイアイだが、出身国の姫が一大事と聞いて戻って来ていた。
直ぐに城へ向かって志願者を名乗り出て、それから事が進むまで城下を日々うろうろとしていたのだった。
「話しがあるって言ってたよね。行動に移すのかな?」
先程会った兵士の言葉を思い出す。兵士と言っても鎧は着ていなかった。足元に犬が擦り寄っていて。全く兵士には見えない姿だった。その兵士、城へ戻るように言った後、アイアイに尋ねていた。
「そういえば、兵士さんが探してた人、みつかったのかな?」
「ロビン、いるか?」
「あら、シェイル。久し振りね、ここに来るのは」
ロビン・カリファは目の前に姿を現したラングレスの騎士、シェイルス・シェインに微笑んだ。
城下の一角、外れの酒場の中にある刺激を求めにやってくる人々でごった返すミニカジノに2人はいる。
「昔は良く来てくれたのに、悲しいわぁ」
騎士服を脱ぎ、片手で持つかつての常連客だったシェイルスにロビンは泣く振りをするが、シェイルスは動じない。
「…知っているだろう?今は私が足場を固めるのにも、状況的にも忙しいんだ」
「…『あの人』の場所を壊されたくないのね?」
「……」
返事はしない。しかし眉を寄せるその表情でロビンは悟る。
「まぁ、座りなさいよ。お酒でも一杯奢ってあげるわ」
「…ありがとう」
ロビンはシェイルスを近くにあったテーブルに案内し、自らはカウンターに入って酒を持ってきた。
「そういえば、セルから聞いた。お前も志願者に?」
慣れた手付きで酒を飲む。ロビンはシェイルスの前に座って酒を飲んだ。
「ほら、もしかしたら志願者の中に可愛い子がいるかも知れないでしょ?」
「……」
「呆れないでよ。良いじゃない可愛い子!私はシェイルの長い黒髪も好きなのよぉ」
「それはどうも」
知ったロビンの変態ぶりにシェイルスは素っ気無い返事を返すだけだ。それも何時もの事だった。
「まぁ、それもあるんだけどねぇ。ほら、『彼奴』も行くんでしょ?元仲間としてはほっておけないじゃない」
「あぁ、彼奴か」
「それにアタシみたいな人間が1人いたら便利だと思うけど?」
「…盗むのは止めておけよ?」
酒場の娘にして盗賊というロビンを知っているシェイルスが忠告するが、ロビンは聞かない振りをする。そんなロビンにシェイルスは溜息を吐いた。
「そうそう。その彼奴からシェイルに伝言よ?『至急城へ戻れ』ですって。アタシも呼ばれたからもうそろそろ出発かしらねぇ」
「それを早く言ってくれ!!」
ロビンの言葉に表情を青ざめさせたシェイルスは慌てて立ちあがると急いで酒場を出ていった。その後姿を笑いながらロビンは見送る。
「ロビンも行かなくて良いの?」
「行くわよ。呼ばれたしねぇ」
突如背後から聞こえてきた男の声に動じもせず返事をした。酒を煽ってカウンターへ返す。
「盗みをしちゃ駄目だよ?」
「あら、元盗賊のアンタに言われたくないわね」
「……」
「分かったわよ。盗みはしないよう努力するわ。ほら、アンタも城へ行かなくちゃいけないんでしょ?こんな所でグズグズしてて良いの?」
「駄目に決まってるよ。じゃあ俺は行くから、ロビンもちゃんと来るように!」
男の声が消えると同時に気配も消えた。
「それじゃぁ、行きますか」
ロビンは立ちあがり店の奥に声を掛けてから外へ出た。外に1歩出ると、こことはまた別の喧騒が耳に入る。
「平和、なのよねぇ」
まるで、何事も無かったかのような光景だ。
玉座の前に9人の志願者が集まっていた。
サナカミ、フロッグズ、櫻を前にワンアーム、ブラインドネス、エルフィード、後ろにXI、アイアイ、ロビンが並ぶ。
玉座の両隣にはセルヴェイスとシェイルスが固めていた。
「さて…」
玉座に座るラングレス王は一同を一旦見渡すとゆっくりと口を開いた。
「触れを出してから幾日も経ち、志願者は君達9人となった。本当にありがたいと思う。ここに集まってもらったのは、君達に最終確認をするためだ」
王は隣に目を移し、セルヴェイスが1歩前へ出る。
「君達志願者は3つのルートに分かれてもらう。1つはエイグの討伐、1つはシーナ姫の救出、1つはラングレス王の護衛だ」
静まり返るその場所にセルヴェイスの声が響く。
「明日の朝までに決めてもらいたい。それまでは各自城下、もしかは城内で準備をして欲しい。明日、またここに集まってもらう。その時に何処のルートを進むか報告してくれ。どれも危険な道だ。慎重に選んで欲しい」
セルヴェイスは言い終わると同時にシェイルスに合図し、それに応えてシェイルスは隣に控えていた兵士から包みを受け取った。
「ここにある程度の金が入っている。全員、同額の量だ。ここを出る時に1人1袋ずつ持っていってくれ。何に使おうと我々は関与しない。好きに使ってくれ」
話しを終えてシェイルスは王に一礼してから下がる。兵士に包みを渡し、その兵士は扉で待機した。セルヴェイスも一礼してから下がる。
王は1度深い溜息を吐くと、疲れた表情を引き締めた。
「少ない人数を更に分けて進まなければならない。とても厳しいものになるだろう。そんな場所に君達を進ませなければならず申し訳ないと思うが、どうかエイグを討ち取り、姫を救出して欲しい」
「陛下、少し休まれた方が」
思い詰めるその表情に、セルヴェイスは王の体を心配する。肺に溜まった酸素を吐き出して、王は腰を上げた。
「すまないが、失礼させてもらう。もし、辞めたくなったら遠慮なくセルヴェイスに言ってくれ」
「シェイル、陛下を」
「陛下、こちらへ」
王を支えながらシェイルスは玉座の間を退出した。姿が見えなくなってから、セルヴェイスは再度口を開く。
「部屋は各自用意してある。先程来た者は兵士の指示に従ってくれ。明日の朝までは自由に行動してもらって良い。以上だ」
一同を見渡し、そして王とシェイルスが出た扉を通って部屋を出た。
次回アクト
【A.エイグの討伐に向かう
B.シーナ姫の救出に向かう
C.王の護衛をする
D1.志願者を辞め、放浪
2.志願者を辞め、エイグ側に付く】
*全アクト、朝までの行動を書く事が出来ます
登場NPC
セルヴェイス/人間 /男/29歳/近衛騎士隊長
シェイルス・シェイン/人間/女/17歳/近衛騎士副隊長
ブラインドネス・レイ/人間/男/21歳/剣士
ワンアーム・ロンド/人間/男/26歳/傭兵
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