K/Night

K/Night

無題・無題2・無題3


時計の針
チクタク チクタク
刻んでいく

追い付き、追い越され
逃げて、逃げられ
捕まり、離れて
繰り返し

1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12
巡り巡って
また戻る
同じだけれど違う
別のモノ
同じモノはもうない
全てが始まりで全てが終り

鶏と卵はどちらが先?
卵無ければ鶏産まれず
鶏無ければ卵産まれず


開くも自由
閉じるも自由
見てはいけない
見なければいけない
扉から
前に進むも良し
後に進むも良し
立ち尽すも良し

光と闇
相反するもの
それ故同一
光無ければ闇無し
闇無ければ光無し
2つが在ることで初めて意味を持つ

無から有は産まれず
有から無もまた然り
無は無を産み
有は有を産む
相反する
それ故別個

愛しいから憎む
憎むから愛しい
どちらも相手を想う形の1つ

死は始まりにして終り
生は終りにして始まり
永遠なる螺旋

傷が付く
血が流れる
傷付く
血が流れる
涙を流す
心は血の涙を
たとえ傷が治っても
心までは治らない

世界に在るのは人間
それは一言で同人
それは一言で別人
違いの無い他人

一段上がる
一段下がる
どちらにしても差は開いたまま
縮まることのない時間

大きい
小さい
全て同じ
1つの細胞

時計の針
タクチク タクチク
新たな時を刻む



【無題2】
ゆらゆら
揺らいでは消えかける炎
ゆらゆら
燃え上がって燃え尽きる
小さな炎
大きな炎
紅い
青い
緑に
黄色


命の灯火

喧騒
騒音
静寂
無音
成り立たせるのは

生きる音
呼吸
心臓
動く音
歩く
振る
機械音
自然音
全て音


世界が


火は水で消え
水は火に消され
土は炎を消し
水で潤う
風は炎を燃えあがらせ
水を運ぶ
雷は火も水も生み
大地を傷つける
流れ
流れて
自然が成り立つ

廻る
廻る
クルクル
狂狂
全てが無限
全てが有限
廻る
廻る
クルクル
狂狂

【無題3】
階段の上から見下ろす世界
黒と茶の混合色
波の様に流れていく
階段を下る
飲まれていく
溺れていく自分

窓から見える世界
流れていく世界
刹那で場面が変わり
刹那で場所が移動する
捨てられた景色
後ろへと積まれていく
それに反して人間は前へと進む
前へ
前へ
流れるままに
流されるままに
同じ道を
他人と同じ様に
流されていく

小さな箱
鉄色の光を発する緻密な細工をされた箱
それに繋がる黒い紐
耳には紐が繋がった小さな半円
流れてくるのは記憶された機械音
ねぇ?
君は気付いている?
それだけじゃないんだ
周りには
機械が充満している
この世は機械が必然の世界

閉ざされた空間
異様な浮遊感
圧し掛かってくる重圧
胃が、内臓がヒックリ返るような錯覚
孤独を思わせる状況
そこは一種の牢獄

淡いピンク色の花びら
誇る様に咲く花
そして儚く散っていく
命の灯火が消えていく様に
消える命が堕ちていく様に

1つの自分による理論
『闘』をする事は『死』を招く
『闘』の周りには『死』が蔓延る
『闘』は戦争だけではない
喧嘩もそれ以外の『闘』も意味する
そして『死』とは
誰かが『死』ななくても
心が『死』んでいるという意味も持つ
また『死』は『力』になる
憎しみか
あるいは乗り越えたのか
どちらに転んでも
それは『力』
『力』は『闘』を招く
しかし『闘』は始めの『闘』とは
意味合いが少し違う
『闘』
それは自分との『闘』いか
あるいは他人との『闘』いか
『闘』が終る
すると『死』が現れる
同じに『生』が現れる
誰かが『死』に
誰かが『生』きる
それは循環
循環なようでいて
そうでは無いもの

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