北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2007.03.04
XML
以前、 エレベータ広告屋 として こちらのブログでも取り上げたことのある FOCUS MEDIA(分衆媒伝) という、自社で設置した液晶モニタで広告を流す、スクリーン広告を手掛ける中国の広告会社が、 中国最大のインターネット広告会社であるAllyes(好耶) を2.25億USドル(約300億円)で買収したそうです( eNet.com.cn ほか)。

2006年の中国のネット広告市場は60億RMB ( 約900億円 = iResearch発表 )くらいで、Allyes(好耶)は5億RMB(約75億円)ほどの売上があったと考えられ、売上高では中国トップのネット広告会社です。
ちなみに、 日本のネット広告市場はモバイルも含めて3,630億円 ( 電通発表 )。ネット広告会社トップのサイバーエージェントの06年の売上は250億円くらい(同社公開資料より)、時価総額は720億円くらいです。

中国のネット広告市場は、日本の5分の1以下、トップ広告会社の売上は3分の1以下にも拘らず、買収価格(時価総額)は2分の1ちょっと、ということになります。とは言えインターネット広告の伸び率は、日本が30%程度なのに対し、中国は50%くらいですし、広告取引に電通や博報堂のような"オールド・エージェンシー"が介在することが少ない中国では、ネット広告会社の収益性も高いので、300億円のお買い物は、決して割高とは言えないでしょう。

AllyesはアメリカのIT情報企業IDCのVC会社とNASDAQへのIPOを目指していたのですが、一足先に上場を果たしたFOCUS MEDIAからの買収を選んだわけです。IDCは7,500万USドル(約90億円)ものキャッシュを手に入れたことになります。

これまでのFOCUS MEDIAは、どちらかと言うとロウ・テク でした。スクリーン広告で流す映像も、ネットワークで配信するのではなく、広告映像の入ったDVDを自転車に乗ったお兄ちゃんが一箇所ずつ取り替えて回る、といったものでした。メディアとして競合するためか、インターネット広告事業も泣かず飛ばず、といった感じだったのです。
いっぽう、FOCUS MEDIAの最大の強みは、数多くのクライアントを抱えているということ。しかも、オフィスビルのエレベータホール前や高級量販店の店内に設置されているスクリーン広告のターゲットはインターネット広告のターゲットと一致していて、コラボレーション効果も高いと思われます。
テレビ広告なんかで"無駄打ち"しなくとも、スクリーン広告からのネット誘導が可能ですから、広告主にとっても コストパフォーマンスの良いメディア・ミックスをワンストップで行える ようになるかもしれません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.03.04 18:57:13
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

ぺきんのぐっち

ぺきんのぐっち

Comments

市松 通りすがりですが・・@ Re:究極の(!?)Buz Marketing in China 権力者の有無に関係なくネット掲示板を動…

Archives

2024.12
2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05
2024.04
2024.03

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: