京セラ稲盛氏が社員に言い続けた言葉


仕事を通して美しい心へたどりつく京セラ稲盛氏が社員に毎日発言していた言葉です。
競争の激しい、弱肉強食のビジネス社会にあって、私たちはすぐ目の前にある利益や目標を必死になって追い続ける姿勢になりがちです。それは毎日食べていかなければならないのだから当たり前でしょう。しかし、精いっぱいやるというのはもちろん大切なことですが、この仕事は何のためにやっているのかといつも自問自答して欲しいと思うのです。

あなたの能力と時間を注ぎ込み、人生を費やしている仕事は人の役に立つのか。人を幸せにすることの一端を担っているのか。その仕事の原点に立ち返ることを忘れずに誠実な努力をして欲しい。私は今日まで多くの仕事人を見てきましたが、成功を収める企業人に必ず共通しているのは、「利他」の心をいつも内に秘めているということでした。私も、考え方、生き方の中心にこの「利他」の心を据えて働き続けてきたのです。 

「利他」の心とは、人を思いやる心。自分だけの利益を考えるのではなく、自己犠牲を払ってでも相手に尽くそうという、人間として最も尊く美しい心です。わが社にとってどうすれば利益になるかとか、私個人にとって何が良いかということではありません。それは、一つの企業とか個人の利害得失を超えて、もっと広く高く、人間にとって、世の中にとって何が良いことなのかを考える生き方です。利益はそのあとからついてきます。

そんな理想を言っても、と思うかもしれない。しかし私はこの考え方を京セラ創業以来、全社員に言い続けています。またDDI(現KDDI)を創業した際に強調したのもこの点です。ビジネスも人間の営みですから、人間の純粋な心の持ち方が共感をかちえ、仕事を成功へと導いていくのです。これは国や人種を超えていくことも、私は海外企業とのビジネスの成功で実感しました。「利他」の心は人を動かしていくものなのです。


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