世界で一番愛する人と国際結婚

キューバの暑い夜 7




革命博物館、ゲバラ博物館、ホセ・マルティの家、革命広場、要塞、、、

タクシーで、そして徒歩で、早足で、私は見所を全て回った。



夕方、雰囲気のいいオープンエアのカフェで、お砂糖をたっぷり入れた
キューバンコーヒーを飲んだ。


ふと顔をあげると、カテドラル前のステージで、ダンサー達が
サルサを踊っていた。カーニバルをやっているのだ。

音楽に合わせて、ツーリスト達も路上で踊り出したす。


キューバらしいその光景に、私はしばらく酔いしれた。


その時、初日にクラブで出会った、ニノというキューバ人に再会した。
彼の営むレストランがすぐ近くなので、ご馳走すると言う。
だが、お腹を壊しそうな外見のお店だったので丁重に断る。

代わりに近くを案内してもらった。


キューバ最後のディナーは、「スープなら食べれそう」という
あや子ちゃんと中華街へ言った。


その後、いくつかのバーをはしごした。キューバ最後の夜は、
もっともっと遊びたかった。でも宿の老婆が怖くて、泣く泣く
1時前に帰還した。


案の定、おばあさんは寝ていて、何度もベルを鳴らすはめになる。
帰宅が遅いのを怒られ、部屋の電気をつけっぱなしを怒られ、
部屋に入れてくれない。


「私は、別にここに泊りたくて泊ったわけじゃない。事情が
あって、仕方なかったのだ。鍵も渡さないのはひどい。」


私はあまりにも頭にきて、滅茶苦茶下手なスペイン語と
フランス語が混じった変な言葉で言い返した。

「スペイン語できるようになってよかったじゃない。」

老婆に嫌味を言われた。

超はずれのホームステイに当ったような宿だった。



4泊、あまりにも短かった。なんだか、心残りで眠れなかった。



翌朝、LAでブランと会うためにハバナを発ち、メキシコシティ経由で
LAXへ向う日がきた。


ブランに会う前は、私はいつも細心の注意で身だしなみを整える。
だが、その宿のシャワーはぬるま湯と言うよりは、水に近かった。
しかもシャワーの出はちょろちょろと、その水が髪全体に
行き渡るのに10分はかかるくらいの水圧なのだ。


あまりの寒さに、まるで修行だった。

キューバも一応冬だった。髪の毛のトリートメントなんてしてたら、
1時間くらいかかって風邪をひきそうなので、我慢する。
髪はバサバサ。本当に最低、最悪の宿だった。



ハバナを発つ飛行機の、窓際の席から、瞬く間に真っ青な海が広がった。


さよなら、キューバ。


つづく


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: