四半世紀、つまりは25年前のクリスマスを彩った最大のヒット曲、それがこの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(Do They Know Christmas?)」(和訳すると、"彼らは今がクリスマスだということを知っているのだろうか")である。演奏しているのは、バンド・エイド(Band Aid)というグループだ。別に絆創膏の名前ではない(それにひっかけて付けた名前であるとは思うが)。音楽の"バンド"と援助を意味する"エイド"を引っ掛けた名称で、単純と言えば単純すぎる名前である。ボブ・ゲルドフの呼びかけに賛同した英国ミュージシャンたちの集まりがこのバンド・エイドで、いわゆるチャリティを目的とした曲が「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」である。
ちなみに、この曲は後にリメイクされ、プロジェクトとして継続されている。1989年のバンド・エイドII、2004年のバンド・エイド20(20年目の意)がそれである。けれども、後者を聴いたときの感想になるが、"何だかなあ…"という感じの歌・演奏だった。正直、曲や詞自体はむしろ即席だったのだから、やはりやるべきタイミングで豪華アーティストが見事、奇跡的に集結したから素晴らしかったのだろう。なお、このバンド・エイドに集結したのはほんの一部を除き英国出身ミュージシャンたちであったが、翌年には米国でUSA for Africaによる「ウィー・アー・ザ・ワールド」が企画される。その先鞭をつけたという意味でも、この曲の影響は大きかったと言えるだろう。
[収録アルバム]
Band Aid / Do They Know It's Christmas (Standard Mixに加え、トレバー・ホーンのミックスによるオリジナル・ヴァージョンも収録。さらにレコード時代の12インチ盤には"Feed The World"と題された参加アーティスト20名からのメッセージも収録。)
Standard Mix(通常のシングル曲用の短いヴァージョン)は、クリスマス曲の各種コンピ盤にも収録。