そんな中、1996年にリリースされた本盤のタイトルは『18 Til I Die』、つまりは、“死ぬまで18歳”というものであった。1.「君しか見えない」からして直球の正調ロック・ナンバー。2.「ドゥ・トゥ・ユー」もギターをしっかりフィーチャーした曲で、バラードを期待する聴き手は肩透かしを食らう。3.の「レッツ・メイク・ア・ナイト・トゥ・リメンバー」でようやくゆったりした曲調かと思いきや、4.では表題曲の超ストレートなロック…。アルバム全編を通してこのような調子だから、リスナーの期待には全く沿っていなかったのだろう。結局、過去の諸作のようなヒットには結びつかず、冒頭で書いたように“悲劇のアルバム”となったわけである。
15年近くたった今、さらに過去の『レックレス』やその前後のアルバムと聴き比べてみて、本盤は遜色ないどころか、もしかすると上を行っていたのではないかとすら思うほどの出来映えである。何よりいいのは、表題曲の4.「18 Til I Die」。上記のように“死ぬまで18歳(の気分でいく)”という曲だが、実際に“いつか55歳になっても、18歳でいるぞ”というストレートな歌詞でストレートなロックをやられた日には、聴き手は“その意気だ!”と同調するか、さもなくば“参りました”とひれ伏すしかない。同じく一直線なロックという意味では、1.「君しか見えない(ジ・オンリー・シング・ザット・ルックス・グッド・オン・ミー・イズ・ユー)」や7.「ウィア・ゴナ・ウィン」がいい。
1. The Only Thing That Looks Good on Me Is You 2. Do to You 3. Let's Make a Night to Remember 4. 18 til I Die 5. Star 6. (I Wanna Be) Your Underwear 7. We're Gonna Win 8. I Think About You 9. I'll Always Be Right There 10. It Ain't a Party If You Can't Come 'Round 11. Black Pearl 12. You're Still Beautiful to Me 13. Have You Ever Really Loved a Woman?