音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年03月14日
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テーマ: 洋楽(3408)




 ジョー・ジャクソン(Joe Jackson)の天才奇才ぶりは1枚のアルバムだけでというよりは、作風の違う複数枚を聴いた時に顕著に見えてくる。本盤『ライブ1980-86(Live 1980/86)』は、そのタイトルに記されているように、1980年代にジョー・ジャクソンがイケイケだった時期のライブのベスト・テイクを編んだもので、2枚組計22曲というまとまったボリュームでリリースされたものである(ちなみに輸入盤?には曲数の少ない1枚ものもあるので注意されたい)。

 収録されているのは、1980年の『ビート・クレイジー』のツアーから(1枚目1.~6.)、1982~83年の『ナイト・アンド・デイ』(同7.~11.)、1984年の『ボディ・アンド・ソウル』(2枚目1.~5.)の各ツアー、さらには1986年の 『ビッグ・ワールド』 ツアー(同6.~11.)と、アルバム4枚分のツアーからのテイクが収録されている。

 こうしたライブ盤を聴けば、スタジオ作を聴いている時とは、これまた一味違う部分で、彼の天才ぶりがよくわかる。別にスタジオ録音だったらごまかせるという意味でもないのだが、ライブ録音は基本的にその場限りの、放った途端に空中に消えてしまう音である。そこでこれだけのクオリティの演奏ができるというのは、やはり見事というほかない。「音楽は終わってしまうと共に消え去ってしまい、二度とそれを取り戻すことはできない」というのは、エリック・ドルフィー( 参考過去記事 )が残した、ジャズ界では有名なセリフである。皮肉なことに、その音が消えてなくなるのではなく、レコード(音源)に残されることを示したのもドルフィー自身だったわけだが、ジョー・ジャクソンの本作もこれと同じことを聴き手に想起させる。

 ジョー・ジャクソンの多彩さ・非凡さを感じさせる、圧巻と言ってもいい聴きどころの一つは、「奴に気をつけろ(イズ・シー・リアリー・ゴーイング・アウト・ウィズ・ヒム?)」(I-4., 10., II-3.)である。本アルバムには、この同じ曲の異なるヴァージョンが何と3つも含まれている。一つは通常ヴァージョン、もう一つはアカペラ(楽器演奏なし)ヴァージョン、そしてさらにはアコースティック・ヴァージョンというものである。

 他に気に入っている曲を挙げ出すときりがなくなってしまうのだが、I-2.「アイム・ザ・マン」、3.「ビート・クレイジー」、8.「フールズ・イン・ラヴ」といったキャリア初期の名曲群から、80年代に入ってからの名盤『ナイト・アンド・デイ』所収のII-5. 「スローな曲をかけてくれ」 、7.「危険な関係」(その間の6.「ビー・マイ・ナンバー・ツー」も外せない)、11.「ステッピン・アウト」と、見せ場に事欠かない。盛り上がりの10.「ジャンピング・ジャイヴ」も忘れてはいけないし、2枚目の冒頭を飾る、元はデビュー作収録の1.「サンデイ・ペイパーズ」は文句なしのカッコよさ…。

 このライヴ盤を出すためにツアーを続けていたのかと思うほど(そんなわけないか…)の迫力と完成度。ライヴの自然流れを楽しみたいという人には、あまり向かない(構成上、どちらかと言えばハイライト的な作りである)かもしれないが、ジョー・ジャクソンと言う人の偉大さに感動・興奮の末に“お見事”という賛辞しか見当たらなくなってしまう、秀逸なライヴ盤だと思う。




[収録曲]

Disc 1
1. One to One
2. I'm the Man
3. Beat Crazy
4. Is She Really Going Out with Him?
5. Don't Wanna Be Like That
6. Got the Time
7. On the Radio
8. Fools in Love
9. Cancer
10. Is She Really Going Out with Him? (a cappella version)
11. Look Sharp!

Disc 2
1. Sunday Papers
2. Real Men
3. Is She Really Going Out with Him? (acoustic version)
4. Memphis
5. A Slow Song
6. Be My Number Two
7. Breaking Us in Two
8. It's Different for Girls
9. You Can't Get What You Want ('Till You Know What You Want)
10. Jumpin’ Jive
11. Steppin’ Out

1988年リリース。




 ↓以下は、あくまでご参考のベスト盤です(上記の盤ではありません)。



Joe Jackson ジョージャクソン / Stepping Out: Very Best Of 輸入盤 【CD】



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Last updated  2013年03月14日 06時47分46秒
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