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2005.03.08

不思議の国のアリスとニセアリス　ＡＣＴ．３５　「あれ？」

テーマ：オリジナルイラスト・小説・漫画・夢日記etc……。(1272)

カテゴリ：不思議の国のアリスとニセアリス

　……その時です。

インコが「大会のルールを詳しく説明いたします」と言う声が聞こえたので、
ニセアリスはウサギさんを相手にするのを止めて耳をそばだてました。
「”右の斜面”と”左の斜面”に……」
そう言って両手を大きく広げます。
「まったく同じ”フィールドアスレチック”が設置してあります。
皆さんはこれから、それに挑戦してもらいます」

ニセアリス「えーーーーーーーーーーー！！！！」

　大きく口を開くニセアリス。

「エントリーされるペアの参加者はそれぞれ同じアスレチック種目に挑戦してもらい、”動き”や”仕草”がどれだけ似ているか審査されます！」
ニセアリス「なんだ？？？？それは？！！」

インコ「”体力勝負”です！」
ニセアリス「？？？そりゃそうだろ！」

　ニセアリスは酷く落ち込むような、めんどくさそうな顔をしました。
ニセアリスとしてはアイドルっぽい歌とフリで魅せようと考えていたからです……。

　がっくり頭を垂れるニセアリス。
あまりにガックリしたので、いままで、絶対放すまいと強く握っていたウサギさんのロープを放してしまいました。
それを見逃さなかったウサギさん。

ニセアリス「あわよくば、アイドル歌手デビューができると思っていたのにーーー」
アリス「えーーーーーーーーー？！」驚くアリス。
ウサギ「いやーーー！残念でしたね。人生思惑と違う事なんていくらでもありますよ。
これで気を落とさず、この次も頑張る事ですね。
……それじゃ、用が済んだので私はこれで……。じゃ、元気出してください”お・ば・さ・ん”……」
ウサギさんはそのままトンズラしようとしました。
さっと後に走り始めようとしましたが、次の瞬間、再び、驚くべき速さでロープのたもとをつかまれ引っ張られました。
バランスを崩しこけるウサギさん。

ドサッ！

　顔から転げ、地面に顔が着きました。その位置から前を見てみますと、逆光の中で仁王立ちになったニセアリスの姿が見えました。
ニセアリス「誰が…………”お・ば・さ・ん”……だと？」
ウサギさんはガタガタ震えていて、まるで”命乞い”をするような目になりました。
ニセアリス「ん？－－－－－－－もう１度聞こうか？誰が”お・ば・さ・ん”だと？……んん？」
ニセアリスはニッコリ笑ってウサギさんのあごを一撫でしました。
するとウサギさんは何を考えたのか、震える指を持ち上げ、しっかりとニセアリスを指差しました。
ニセアリスの目が怪しく星型に光りました。

　次の瞬間またアクションシーンが始まりました。
ニセアリス「このーーーーーーー！！！」

　ドタドタドタ！　ドタドタドタ！ドカッ！ドサッ！バキッ！！

ウサギ「うぎゃぎゃぎゃーーーーー！！」

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