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2005.11.09

ＡＣＴ．４６２　モグモグ風邪引きに付き、ミルキーは……。　　『不思議の国のアリスとニセアリス』　

テーマ：短編小説を書こう！(490)

カテゴリ：不思議の国のアリスとニセアリス

　女性陣はミッチーを囲んで夕食を作っていました。
”あの家”のキッチンの方が広いので、今日はここで調理をしています。
１００ゴールド均一ショップで買って来た調理器具と調味料が揃ったので、ここで本格的な料理をする事が出来るようになったのです。
１００ゴールドのミニフライパン、１００ゴールドの薄いまな板。１００ゴールドの包丁、１００ゴールドのお鍋、１００ゴールドのボール、１００ゴールドのきゅうす……。調味料も調味料入れも、全て１００ゴールド均一で仕入れて来ました。

ミッチー・アリス・ニセアリスはキャアキャア賑やかにやっています。ミルキーは早速そこに吸い込まれて行きました。ミルキーはとても料理を作る事に憧れています。そこで料理の手伝いを申し出ましたが……、肝心の包丁はまだ握らせてもらえません。ポテトサラダの盛り付けをさせてもらえるぐらいです。それでも、料理作りの輪の中に入ってキャアキャアやってます。

今、タッキーに構ってくれるのは、椅子の上に座っているモグモグだけです。ウサギさんはまだ仕事から帰って来ていません。

パソコンを開けてメールボックスを覗くタッキー。あれからメールは来ていません。会う約束が付いたので当然といえば当然ですが、メールボックスを覗いて少しため息が出るタッキーでした。
それを見て、モグモグは元気にタッキーに声をかけました。

モグモグ　「ピィーーーーーーーーー！ピィーーーーーーーーー！」

タッキー　「ありがとう、モグモグ。構ってくれて」

モグモグ　「ピィーーーーーーーーー！ピィーーーーーーーーー！」

タッキー　「でも、何言ってるのか分からないよ。」

モグモグ　「ピィーーーーーーーーー！ピィーーーーーーーーー！」

タッキー　「ああ、もうちょっと待てば、料理が出来上がると思うよ。」

でも、本当はタッキーは別の事で頭がいっぱいでした。
”モンスター　イン　パラダイス”にミルキーを連れて行くべきかどうか……。タッキーとしては１人で行きたかったのです。

タッキー　「でも、連れて行かないと会えないだろうなーーーーー」

タッキー、道を踏み外しそうな雰囲気ですが……、妄想は止まりそうにありません。

　次の日の朝が来ました。あのお客さんと会う約束の日です。
今朝から何故かモグモグが元気が無いようでした。雨のせいかも知れません。今朝の雨は大変肌寒かったのです。気温が突然低くなりました。他の皆は一応バスタオルを被って寝たのですが、モグモグはニワトリですので、朝１人で目が覚めて、家の中で遊んで暇を潰していました。それで油断して体が冷えてしまったようです。
モグモグは風邪を引いたかも知れません。ミルキーは心配して、今朝からずっとモグモグを抱いていました。

モグモグ　「ピィ……、クシュン！」

やはり風邪でしょうか？

モグモグ　「クシュン！クシュン！」

ミルキー　「モグモグぅ……」

タッキーは内心「（チャンス到来！）」と喜んでいました。モグモグの側にいるミルキーの所にかがみこんで声をかけました。

タッキー　「ミルキーちゃん、大変だねえ」

ミルキー　「うん。ミルキータン、今日、”ジョシコウセイ”さんに会えないなーーーーー」

タッキー　「そうだねえ……」タッキーは一瞬悪い魔法使いが笑うような顔付きになってしまいました。

タッキー　「まあ、心配しなくても今日は僕１人で会ってくるよ。
ミルキーちゃんの分までよろしくと言っといてあげるよ。」

タッキー、やはり”悪い魔法使いモード”に移行しているみたいです。

その時、ニセアリスが何の会話だろうと思って、頭をこっちに向けました。

タッキー　「わあーーーーーーーーーー！！！」

ニセアリス「……？」　

タッキー　「なんでもない！なんでもないんです！」

慌てて誤魔化すタッキーでした。

小説目次　

→第１話～第１４話
→第１５話～
→第１７話～

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