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2014.06.16

なんとタクシーの運ちゃんは震え始めました。

銀狼「はん？”あの森家商事”って……、なんだ？」

鈴木「いっ、いえ。なんでもありません！」

銀狼「何か隠しているな？」

鈴木「いえ、隠しているなんてとんでもない！！」

銀狼「じゃあ、なんだ？」

鈴木「あそこにはまだ人がいるのかなあ？なんて……、」

銀狼「”まだ人がいるのかなあ？”って……、なんだ？」

鈴木「だって、あそこはまあ敷地は広いんですが、なんて言いますか、木が生い茂っているんですよ。都会の中なのにあそこだけまるで田舎の土地みたいになってまさあ！！
で、建物はまったく見えないんです。たぶん木に隠れて。そこだけまるで”森”みたいで。
いや、建物はすでに朽ち果てているのかも？」

銀狼「……でも確かまだ営業はしているはず？
だって森家商事の名前で仕事はしているから。うちの会社も何度か取引があった。別の仲介業者を通してだけど。」

鈴木「するとまだそこは……？」

銀狼「まだ営業はしているはずだ。
タクシーを飛ばしてくれ！すぐに森家商事まで行きたいんだ！」

鈴木「すると高速（道路）ですか？」

銀狼「ああ、高速を飛ばしてくれ！」

こうしてタクシードライバーの鈴木さんはタクシーで高速道路に乗り、飛ばしに飛ばしました。

ブイイイイイイイイイイイイイイーーーー！

銀狼「飛ばせ！飛ばせ！飛ばせーーーー！もっと飛ばせーーーー！！」

鈴木「そんなに飛ばすしますと……、捕まっちゃいますよ！」

銀狼「電車よりも速く着かないとダメなんだ！
あの電車に追いつけないとまったく意味が無くなる！飛ばせーーーー！」

……こうして銀狼が乗ったタクシーは、電車に乗った琴子ちゃんよりもかなり早く、森家商事のビルが建つという場所の最寄り駅付近に到着しました。
そしてさらにそこから住所とカンを頼りに、タクシードライバーの鈴木さんは森家商事のある場所へと向かいます。そして……、

キキキキキキキーーーー！！

タクシードライバーの鈴木さんが言う通り、都会の住宅や商業用の建物が建ち並ぶ中に、なんと”森”のように木が生い茂った場所がありました。そこだけうっそうとした木々が生い茂り、向こう側はまったく見えません。この敷地には森家商事の建物があるはずなのですが、それもまったく見えません。

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