ドラゴン・龍平

ドラゴン・龍平

一輪の花



雨の街に開いた「一輪の花」たる傘に対してのお話だ。オレの爺さんが青年のころには「傘かしぎ」なるシキタリ? あるいは,風習があったという。狭い花のお江戸、東京浅草あたりの下町の路地を行き交う人々が、そのすれ違う刹那、互いの傘をほんの少し傾けて相手に対する敬意を表しながら、互いの存在感とともにメッセージも送り合う。俳句の季語にもなったほどの言葉なのに、残念ながらそんな粋な空間も今は生まれづらい。「ドウデモイイ」といえばそれまでのことなんだけどね……。でもそれを、京都の祇園で芸者さん達がやっていたのを目撃したんだよ。ホント粋でいなせな京都の人々だった。


DOG


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