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2014.12.06
テーマ： 劇団四季(528)
カテゴリ： 映画・舞台観劇
昨夜、サンダーバードに乗って京都に向かったのは
劇団四季『ジーザス・クライスト＝スーパースター〈エルサレム・バージョン〉』の
京都劇場 初日を見るためでした。
8月31日、静岡県富士から始まり
53都市を回った全国公演のフィナーレとも言えるのが昨日から始まった京都公演なのです。
キャストを見て、ウギャー！！
し、し、下村尊則さま ご光臨！
下村さんの舞台は
2012年8月『夢から醒めた夢』 以来のこと。
その間、東京での下村さんのディナーショーや
『ライオンキング』での来阪、
『ジーザス・クライスト＝スーパースター』の神戸公演など
何度もチャンスがあったのに、見ること叶わず、
もう一生お会いできないのではと涙に暮れておりました。
（大げさ）
ううう、嬉しい。
この時点でドワッとアドレナリンが噴出し、体温急上昇なのでした。
この時点では下村熱が高まりすぎて前後が見えていなかったのですが
舞台が始まってから気がついた。
「芝さん？！え？！村さんもご出演なの？！」
はい。
下村さん、芝さん、村さん、
どなたも主役を張れる人ばかり。
だもんだから、舞台の厚みが全然違います。
格が違う。
こんなメンバーで全国公演…。
すごいことです。
北海道・七飯町での公演で通算1500回を迎えたそうで
ロビーにはパネルが飾られていました。
さて、『ジーザス・クライスト＝スーパースター』は
イエス・キリストが十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いたミュージカル。
音楽作曲がアンドリュー・ロイド＝ウェバー、作詞がティム・ライスで、
一部の音楽については、聞いたことがあります。
が、通してみるのは初めてのこと。
全編通してすごく暗いらしい…。
大丈夫かな私、ついて行けるかな。
イエス・キリストについての知識と言えば
大学時代、必須教科だったキリスト教学に出席して学んだ断片があるのみ。
それとて、単位欲しさに出席していただけなので
マグダラのマリアのこと、
最後の晩餐の席で弟子たちに
「あなたがたのうちひとりが、私を裏切ろうとしている」と言ったこと、
ペテロに向かって
「鶏が鳴く前に、あなたは、三度私を知らないと言うであろう」と言ったこと…などなど
かなりポピュラーなエピソードしか覚えていないのです。
客席についてみると、緞帳は降りていない状態で、
舞台がむき出しになっています。
ここでまず衝撃をうけました。
かなり傾斜のきつい八百屋舞台。
（舞台の後ろが高く、前に行くほど低い傾斜面の舞台のこと。
平面ではなく斜めになった台に野菜を置いて商売していた
八百屋にちなんでこんな風に呼ばれています）
その八百屋は砂とゴロゴロとした石などで覆われていて
砂漠そのものでした。
開幕するとすぐに始まるのがユダ（芝 清道）の歌。
すごくリズムが取りにくそうな、難しそうなロックなのに
そんなことはへっちゃらなのね。
声はズーンと通り、歌詞も明瞭で、さすが芝さんでした。
地獄に堕ちてから再び現れた姿には絶句。
歌詞と相まって「ここは唯一笑うところか？」と悩みました。
ジーザス・クライスト役は神永東吾。
私は初見です。
キリスト役は、あまり極端な感情表現をしないので
すごく難しい役なんだろうと思いました。
磔刑の前に むち打たれるシーンがあり、
（50回近くもむち打たれるのよ）
あまりにもリアルで「もう、やめて〜」と
内心悲鳴を上げていたら
その後、自分が架けられる十字架を背負って歩かされるわ、
手や足にゴンゴン釘を打たれて はり付けられるわ、
お腹壊しそうでした。
（私は人の怪我などを見ると、お腹を壊してしまうのです）
はり付けられ、何度か主に呼びかけたキリストが息絶えたあと、
しばらくそのままで舞台が進行します。
ほとんど裸体の状態の神永さんを
脚や腕の筋肉がすごいなぁ、鍛えてはるわぁ、と観察していたのだけど
息を引き取った後ピクリともしないのが凄い。
本当に息を止めているのかと思うくらい、どこも動きません。
まぁ、それは舞台の本質とは違うんだけど、
プロ根性を感じました。
お目当ての下村さん演じるヘロデ王の登場は後半になってから。
捕われのイエス・キリストの処遇を決める権利を持つ人物です。
出てきた瞬間、ずーっと暗かった舞台にピッカピカの光が！
私が好きだからそう見えるわけではなく、
ヘロデ王の造形がめちゃくちゃ きらびやかなのです。
王冠をいただき、優雅な衣装を身にまとい、
化粧や宝飾品でキラッキラなの。
特に、ネイルアートの先に垂れ下がったダイヤ（クリスタル）が
手を動かすたびに揺れる様子などは目眩がしそうな妖しさです。
周りに何人も女性を侍らせているのですが
その誰よりもお耽美なヘロデ王、
下村さんに似合い過ぎ！！
歌がうまいのはもちろんデス。
尊大にイエス・キリストを嘲笑する様子の憎々しいこと！
（でもそんな下村さんがステキ←私ってばヘンタイ）
この一場面だけなのに、絶大なインパクトを残した下村さんでした。
そして村さん。
パンフレットを読む時間がなくて、
人間関係や背景を知らず見ていたのですが
ピラト、という役はローマ人の総督なんですって。
当時、パレスチナはローマ領で
ユダヤ人のヘロデ王が政権を握っているというのは建前。
実質権力ははローマから任命されたローマ人総督ピラトが持っています。
ピラトは、捕われたキリストをどう処分すればいいか悩んだ末
ヘロデ王に決めさせるものの
処刑が決定した後になっても、なんとか助けられないものかと悩む
複雑な役です。
それを全て歌で表現する、ミュージカルってすごいなぁ。
村さんもすごい。
私はキリスト者ではないので、
割と平静に見ていましたが、
はりつけのあたりから、客席ですすり泣く声が聞こえてきました。
終演後、このミュージカルの意味ってなんだろう、と
考え込んでいます。
１つ鮮明にわかったのは音楽の力の強さ。
すぐに口ずさめるようなナンバーは少ない作品ですが
とても印象に残る曲ばかり。
心を揺さぶられました。
見てすぐに「好きだ！もう一度見たい！」と思えるような作品ではないけれど
見れば見るほどハマりそう、そんな気がした
『ジーザス・クライスト＝スーパースター』でした。
京都公演（および全国公演）の千秋楽は12月14日（日）。
チケットはこちら→ 劇団四季公式サイト チケット京都劇場
【おまけ】
舞台でヘロデ・下村さんを見ていて思い出したのが
『北斗の拳』に出てくるユダ。
名前はユダだけどキリストを裏切るユダとは全く違うキャラクターです。
『北斗の拳』のユダはボウイ・ジョージをイメージして描かれたそうだけど
私にはボーイジョージより、このヘロデ王に見えて仕方がなかったです。
そんな印象的なヘロデ王のメイク。
下村尊則さんのブログに、事細かにメイク手順が書かれています。
今日は、それを参考にヘロデメイクをしたところ、
夫が「今日の化粧…変やな」
ふふふ。だってヘロデですから。
あなたもヘロデメイク、いかがでしょう？
興味のある方はこちらをご参照ください。
下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ」
下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ2」
下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ3」
【おまけ２】
キリストを裏切るユダを描いた太宰治の作品「駆込み訴え」。
もう一度読んでみたくなりました。
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劇団四季『ジーザス・クライスト＝スーパースター〈エルサレム・バージョン〉』の
京都劇場 初日を見るためでした。
8月31日、静岡県富士から始まり
53都市を回った全国公演のフィナーレとも言えるのが昨日から始まった京都公演なのです。
キャストを見て、ウギャー！！
し、し、下村尊則さま ご光臨！
下村さんの舞台は
2012年8月『夢から醒めた夢』 以来のこと。
その間、東京での下村さんのディナーショーや
『ライオンキング』での来阪、
『ジーザス・クライスト＝スーパースター』の神戸公演など
何度もチャンスがあったのに、見ること叶わず、
もう一生お会いできないのではと涙に暮れておりました。
（大げさ）
ううう、嬉しい。
この時点でドワッとアドレナリンが噴出し、体温急上昇なのでした。
この時点では下村熱が高まりすぎて前後が見えていなかったのですが
舞台が始まってから気がついた。
「芝さん？！え？！村さんもご出演なの？！」
はい。
下村さん、芝さん、村さん、
どなたも主役を張れる人ばかり。
だもんだから、舞台の厚みが全然違います。
格が違う。
こんなメンバーで全国公演…。
すごいことです。
北海道・七飯町での公演で通算1500回を迎えたそうで
ロビーにはパネルが飾られていました。
さて、『ジーザス・クライスト＝スーパースター』は
イエス・キリストが十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いたミュージカル。
音楽作曲がアンドリュー・ロイド＝ウェバー、作詞がティム・ライスで、
一部の音楽については、聞いたことがあります。
が、通してみるのは初めてのこと。
全編通してすごく暗いらしい…。
大丈夫かな私、ついて行けるかな。
イエス・キリストについての知識と言えば
大学時代、必須教科だったキリスト教学に出席して学んだ断片があるのみ。
それとて、単位欲しさに出席していただけなので
マグダラのマリアのこと、
最後の晩餐の席で弟子たちに
「あなたがたのうちひとりが、私を裏切ろうとしている」と言ったこと、
ペテロに向かって
「鶏が鳴く前に、あなたは、三度私を知らないと言うであろう」と言ったこと…などなど
かなりポピュラーなエピソードしか覚えていないのです。
客席についてみると、緞帳は降りていない状態で、
舞台がむき出しになっています。
ここでまず衝撃をうけました。
かなり傾斜のきつい八百屋舞台。
（舞台の後ろが高く、前に行くほど低い傾斜面の舞台のこと。
平面ではなく斜めになった台に野菜を置いて商売していた
八百屋にちなんでこんな風に呼ばれています）
その八百屋は砂とゴロゴロとした石などで覆われていて
砂漠そのものでした。
開幕するとすぐに始まるのがユダ（芝 清道）の歌。
すごくリズムが取りにくそうな、難しそうなロックなのに
そんなことはへっちゃらなのね。
声はズーンと通り、歌詞も明瞭で、さすが芝さんでした。
地獄に堕ちてから再び現れた姿には絶句。
歌詞と相まって「ここは唯一笑うところか？」と悩みました。
ジーザス・クライスト役は神永東吾。
私は初見です。
キリスト役は、あまり極端な感情表現をしないので
すごく難しい役なんだろうと思いました。
磔刑の前に むち打たれるシーンがあり、
（50回近くもむち打たれるのよ）
あまりにもリアルで「もう、やめて〜」と
内心悲鳴を上げていたら
その後、自分が架けられる十字架を背負って歩かされるわ、
手や足にゴンゴン釘を打たれて はり付けられるわ、
お腹壊しそうでした。
（私は人の怪我などを見ると、お腹を壊してしまうのです）
はり付けられ、何度か主に呼びかけたキリストが息絶えたあと、
しばらくそのままで舞台が進行します。
ほとんど裸体の状態の神永さんを
脚や腕の筋肉がすごいなぁ、鍛えてはるわぁ、と観察していたのだけど
息を引き取った後ピクリともしないのが凄い。
本当に息を止めているのかと思うくらい、どこも動きません。
まぁ、それは舞台の本質とは違うんだけど、
プロ根性を感じました。
お目当ての下村さん演じるヘロデ王の登場は後半になってから。
捕われのイエス・キリストの処遇を決める権利を持つ人物です。
出てきた瞬間、ずーっと暗かった舞台にピッカピカの光が！
私が好きだからそう見えるわけではなく、
ヘロデ王の造形がめちゃくちゃ きらびやかなのです。
王冠をいただき、優雅な衣装を身にまとい、
化粧や宝飾品でキラッキラなの。
特に、ネイルアートの先に垂れ下がったダイヤ（クリスタル）が
手を動かすたびに揺れる様子などは目眩がしそうな妖しさです。
周りに何人も女性を侍らせているのですが
その誰よりもお耽美なヘロデ王、
下村さんに似合い過ぎ！！
歌がうまいのはもちろんデス。
尊大にイエス・キリストを嘲笑する様子の憎々しいこと！
（でもそんな下村さんがステキ←私ってばヘンタイ）
この一場面だけなのに、絶大なインパクトを残した下村さんでした。
そして村さん。
パンフレットを読む時間がなくて、
人間関係や背景を知らず見ていたのですが
ピラト、という役はローマ人の総督なんですって。
当時、パレスチナはローマ領で
ユダヤ人のヘロデ王が政権を握っているというのは建前。
実質権力ははローマから任命されたローマ人総督ピラトが持っています。
ピラトは、捕われたキリストをどう処分すればいいか悩んだ末
ヘロデ王に決めさせるものの
処刑が決定した後になっても、なんとか助けられないものかと悩む
複雑な役です。
それを全て歌で表現する、ミュージカルってすごいなぁ。
村さんもすごい。
私はキリスト者ではないので、
割と平静に見ていましたが、
はりつけのあたりから、客席ですすり泣く声が聞こえてきました。
終演後、このミュージカルの意味ってなんだろう、と
考え込んでいます。
１つ鮮明にわかったのは音楽の力の強さ。
すぐに口ずさめるようなナンバーは少ない作品ですが
とても印象に残る曲ばかり。
心を揺さぶられました。
見てすぐに「好きだ！もう一度見たい！」と思えるような作品ではないけれど
見れば見るほどハマりそう、そんな気がした
『ジーザス・クライスト＝スーパースター』でした。
京都公演（および全国公演）の千秋楽は12月14日（日）。
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【おまけ】
舞台でヘロデ・下村さんを見ていて思い出したのが
『北斗の拳』に出てくるユダ。
名前はユダだけどキリストを裏切るユダとは全く違うキャラクターです。
『北斗の拳』のユダはボウイ・ジョージをイメージして描かれたそうだけど
私にはボーイジョージより、このヘロデ王に見えて仕方がなかったです。
そんな印象的なヘロデ王のメイク。
下村尊則さんのブログに、事細かにメイク手順が書かれています。
今日は、それを参考にヘロデメイクをしたところ、
夫が「今日の化粧…変やな」
ふふふ。だってヘロデですから。
あなたもヘロデメイク、いかがでしょう？
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下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ」
下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ2」
下村尊則の徒然絵巻「王様を作るレシピ3」
【おまけ２】
キリストを裏切るユダを描いた太宰治の作品「駆込み訴え」。
もう一度読んでみたくなりました。
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