いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

銀色の首飾り


銀色の首飾り



小学生に上がると 共働きの家に育った私の首にぶら下がったもの

それは家の鍵だった

当初 幼い子供に鍵を持たせることに抵抗を感じていたらしく

裏玄関のドアを施錠せずにいたのだが 問題が生じて

更に母の帰宅時間が遅いとご近所で面倒見てもらっていた

そんな娘を不憫に思ったのか いつの間にか首にぶら下がっていた



病気になって寝込んでも 一人ポツンとベットで寝ているだけで

銀色の首飾りは あんまりお洒落ではなかった

発熱ごときで病院に行った記憶も殆ど無い

せいぜい流行性のおたふく風邪(流行性耳下腺炎)

風疹・麻疹・百日咳の時くらいで

これも全部入学前に済んでいたことだったから

母は随分と気が楽だったと思う

子供が親を見送るって 結構寂しいものがあるんだな



何度か川に投げ捨てようかと思ったこともある

誰もいない家に帰るのはつまらない

甘えたい盛りの子供なら尚更その気持ちは強かったようで

チャリンコに乗れる頃になると行ける所はどこでも行っていた

秘密の場所を友達と作って遊んだ

大きくなったらもっと遠くへいってやると思ったのは

この時代に育てられた好奇心他ならない



友達には「門限」があった

私にはそんなものは無かった たとえ女の子でも...

帰りの時間を気にすることなく遊んでいたら

友達の両親が迎えにきてよく一緒に怒られていたっけね




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