いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

衝撃の連続


衝撃の連続




看護学生になってすぐ

付属病院の当直アルバイトのスカウトを受けた

貧乏学生だった私は興味深々だったものの

内心 不安の方が強かった

免許はあるが未経験者には勤まらないと思い

断る気で面接に行った



行ったら行ったで人材不足の煽りを受けて

ありがたいことにそのまま採用されてしまった

断る理由がなくなったので腹をくくった



学校は朝9:00~16:00頃まで

当直は16:30~翌朝8:30まで



1ヶ月に平均5~7回当直をして

明けのまま授業に参加した




看護学校に行ったらまじめに勉強したいと思ったので

一番前の席に座っていた

しかし当直明けの授業では

気がつくと顔と机が磁石のように引っ付いて

なんとも不真面目な学生だった



救急外来と名のつくところは

一晩中サイレンの音が鳴りっぱなしの夜もある

当然 重症患者さんも多い

交通事故で心肺機能停止している人や

脳挫傷して意識不明の重体の人も運ばれてくる

軽症の人は基本的に来ないので

大人から子供まで年齢に関係なく

一分一秒を争う現場であることを実感した



18歳には少し衝撃が強かったかのかな?

アルバイトをするまでは

オペ室や救急外来でバリバリ働くのも悪くないなと思っていたが

1年も経過するとそんな甘い考えはスッカリ消えてなくなった



自分がなんて無力な人間なんだろう

そんな思いが強かった

命の尊さを肌で感じ

看護師の道は奥深いと肩を落とした


亡くなった患者さんに化粧をしたのも

救急のために服をハサミで切ったのも

止まった心臓マッサージをしたのも

ここで初めて経験をした



多分 この衝撃は

人と真剣に向き合うことの大切さを

私に教えてくれたように思う



最新医療が施されている日本でも

助けられない命がいっぱいあるんだからって



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