It's me cheonya

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第二十七回★咸平




       第二十七回★咸平



    第27回にして初めて土地の案内をしようと思います。

    その場所の名は咸平(ハムピョン)。

    旅行雑誌にも載ってないし、このフリーページを見ても行こうとは思わない(もしくは行けない)場所です。意味ないね。





    ここは寄宿舎で仲のいい先輩の故郷。先輩が実家に帰っていたので韓国一週旅行中に立ち寄りました。


    本当はハムピョンはハムピョンなのですが、バス停とかスーパーや商店がある地域から小さな山を三つほど越えたところにある村です。


    ハムピョンで有名なのは蝶々。
    春にはナビチュクチェ(蝶祭り)というのも開催されるようです。5月中に行くと見れるそう。




    田舎過ぎてスーパーや商店も無いので、滞在中に村の散策をしました。


    散策はとても面白かった。今まで見て来た博物館なんかよりもずっと興味を引かれる。




    小学校が一つ。歩いて2,30分かかる隣村と同じ学校を使う。それでも一学年に10人もいない。
    ちなみにその小学校、今はもうない。

    犬や牛が放し飼いにされていてそこらへんを歩いている。車もほとんど通らないし(というか人自体があまり通らない)、車がきたら巧みに避ける術を身に付けている。






    先輩の今住んでいる前の家を見たのだが、まさに記念物モノ。

    昔ながらの家。



    トイレは家から離れている。

    そのトイレも、便座などは無く長方形の穴が開いているだけ。もちろん汲み取り式で汲み取りも自分達で行い、それを農業の際肥料として使用する。





    家の中にシャワー室はなく、外での水浴びとなる。蛇口にホースをつけてそれでシャワー。
    温かいお湯など勿論出るわけもなく、冬でも外で水のシャワー。

    今でこそ蛇口から水が出るが、彼が子供の時はポンプもしくは井戸から汲んできた水を使っていたそうだ。





    彼の家に初めてテレビがやってきたのは彼が10歳の頃。

    嬉しくて嬉しくて見ようと思ったがテレビのつけ方がわからない。ボタンを押しても何の反応もない。

    試行錯誤した当時10歳の彼は、こともあろうか水をぶっ掛けた。


    初テレビ 放送見れずに 箱を観る



    実はコンセントが入ってなかっただけという話。

    ギャグのような実話です。






    その家の近くに少し傷んだ大木があった。

    彼が「この木は悲しい木なんだ」と言う。

    この木に豚や犬を縛り付け、死ぬまで殴打するという屠殺場。

    家に近かったためよく犬や豚が悲しくつらそうに泣き叫ぶ声が家の中まで聞こえてきて聞くに堪えなかったと。


    てか死ぬまで殴打って、、、、他にやり方ないもんかね?





    村に街灯があることはあるのだけれど、幾つかあるといった程度。

    しかも夜に自動で点灯するものではなく、夜になるとその街灯の前に住む家の人が街灯の下のほうにあるスイッチで手動で点灯させる。

    電柱に電気のスイッチがついてるの初めて見たよ。






    この村に住む人のほとんどの姓が「ノ氏(盧氏)」。

    村の中に「永幕閣(ヨンマッカク)」という名の建物があってそこに同じノ氏が大集合するそうだ。有名人も。




    その永幕閣、幽霊がでるという噂がある。

    朝鮮王朝期、公務員登用試験の準備の際にここを利用して勉強した人の80%が合格したそうだ。

    雰囲気が物々し過ぎて、勉強に集中しないとやってられないというのが理由らしいw


    永幕閣はカギがかけられていたのだけれど横の壁を攀じ登って中に入ってみた。
    大学生になって何やってんだ俺、、、、


    その勉強部屋に入ってみたのだが、昼だというのにじめじめとして薄暗く、「出るよ」と言われりゃあっさり信じてしまう感じだ。







    その昔、一つ山を越えたところにもう一つ村があったそうな。

    そこは身障者ばかりが住む村だった。

    そこの村から度々人が山を越えてやってきたけれど、人々は冷たくあしらい来る度にすぐにもとの村に返した。


    あまりの冷たい態度に怒った山の向うの村人は、こちらの村の女の子をさらって行ってしまった。誘拐ですよ誘拐。


    こちらの村の人々は一生懸命探して、山の向うの村まで行ったときにやっとさらわれた女の子を発見したそうな。





    これ、彼が小学生の時の話。

    昔話みたいな実話です。














    ハムピョンの村に旅行したい人(もしくは住みたい人)手ぇ上げてーー


    あ、俺っすか?遊びに行くのは行きたいですよ。

    ごめんなさい住むのは絶対無理です。



    ちなみに宿泊施設も商店も何もないので滞在する時はそこの農家の人にお願いしましょう。












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