私の沼

私の沼

お花畑



「お花畑が見たいの」
と彼女がいったので
ぼくは一生懸命にお花畑を探した

やっと見つけたお花畑に
彼女を連れていくと
「こんなのはお花畑じゃない」
と彼女はいった

前にもこんなことがあった

お花畑なんて自分で探せばいいさ
ぼくはそう思った
そして彼女を無視した
実際、
彼女のいうことはもう
ぼくの耳には入らなくなってしまっていた
彼女は不鮮明に歪み、
絵の具を全部まぜてしまったような色へと変化した

それはすでに原型をとどめておらず
ただの汚い水状ゲルだった
耐えられず別れを告げると
彼女は泣いたが

それはぼくのせいではないと思う






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