小さな宝物

小さな宝物

2006年07月14日
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カテゴリ: 愛読書
恋する手

この本は日曜美術館の初代アシスタントを努めた太田治子さんが
絵を題材に描いた短編集です。
竹久夢二「黒船屋」をはじめ、モネ、ムンク、モディリアーニ、ルノワール、ダ・ヴィンチ、荻須高徳、デュフィ、松本竣介、村上華岳、レンブラント、フェルメール、セガンティーニ、マネ、フォーグラー、関根正二、ゴッホの名画をモチーフに女性の心理が描かれています。

こういうタイプの小説って面白いですね。
画家にももちろんいろいろな人生がありその絵と対峙している人にも
またいろいろな人生がある。
その絵と出逢うのもまた一つの運命であるのだなあと感じました。
小説を読みながら画家についての勉強にもなり絵画に興味があるけど
なかなか勉強出来ない方にもお薦めです。

読んでいて私もこの短編集の一つに書き加えられるほど強烈な絵との出会いがあるなあと
思いました。
それはボッティチェッリの『ヴィーナス誕生』
この絵をTVで見て初めて絵画というものに惹き込まれました。
そのヴィーナスの表情や恥じらいのあるポーズ。。。。
まさしくヴィーナスだと思いました。
いつかその絵を本当に見てみたいと思いながら海外になど怖くていけないと
臆病者の私は半ば諦めていました。
でも旦那様と出会って旦那様も大のイタリア好きで二人でよくイタリアの話をして
そして新婚旅行はもちろんイタリアになりました。
そして遂に『ヴィーナス誕生』と対面する事が出来ました。
私が子供の頃に見たビーナスがやはりそこにはいました。
永遠の憧れの女性像としていつまでもそこに生まれたての姿で立っているんだろうなあ。。。

なんて考えながら楽天で調べてみたら面白いもの発見

長傘:名画プリント:ボッチチェリ「ヴィーナス誕生」 (#ELT-0022)

内側にヴィーナス誕生の絵が。。。。。
これは雨の日が少し楽しくなりそう。。。。

それから

大人が楽しむ塗絵

大人の塗り絵シリーズってこんなのもあるんですね。
これは是非やってみたいです


小説の話に戻りますが一番面白かったのは竹久夢二「黒船屋」の絵がモチーフになった「恋する手」
この「黒船屋」というのは本のカバーになっている絵です。
黒猫を抱く夢二の愛人が絵のモデルですが手がすごーく大きいと思いませんか?
そしてとても黒猫をしっかりと抱き締めていますよね。
この黒猫は夢二自身なのです。
小説の主人公は彫刻家の手のモデルとして紹介されるのですが
「手が小さい」と断られてしまいます。
手は結構きれいな方だと思っていたので少しショックです。
そして半年後にそのモデルを断られた喫茶店を再び訪ねると
そこから黒猫が飛び出してきて店のマスターと会話する事になり。。。という話です。

愛するものを抱きしめる女の手はしっかりと大きく見えるというお話。
なるほどなあと感心。
私の小さな手も愛する人を抱きしめるときは大きく見えるかなあ。。。。
きっとそうなのでしょうね。。。。

絵がお好きな方はとっても楽しめると思います






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最終更新日  2006年07月14日 11時55分49秒
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