ご対面

鹿児島の港に着いたのは朝7時前でした。
屋久島行きのフェリーが出るのは8時35分。
フェリーのターミナルには、山登りをするのでしょう、
大きなリュックを抱えた若者たちのグループがいました。
テツママたちの長距離バスは、7時半にバスターミナルに到着し、
熊本の純子さんご夫妻と合流し、港に来ることになっています。
私はと言えば長いドライブの疲れよりも
(と言っても運転したのは全部ダ~リンなのですが)
30分後に待っている生テツママとの対面の時のほうに心が躍り
フェリーターミナルの椅子にじっと座っていられません。
フェリーターミナルの中をうろうろしたり、外に出てみたり
まるで落ち着きのない子供のようです。

と、携帯電話が鳴りました。
「だいじょうぶですか。港、わかりましたか。」
初めて聞くテツママの声。
書くと普通だけれど、しっかり大阪アクセント。かなり早口。
バスは早くに到着し、純子さんたちをターミナルで待っているとのことでした。
ああ、いよいよ。フェリー乗り場の外で待っていると、
遠くに見えました、見えました、写真で見たことのあるテツパパとテツママの姿。
手を振って、合図をしました。
と、テツパパと純子さんご夫妻が乗り場の方に歩いていらっしゃいました。
まず、自己紹介とご挨拶。テツパパ、写真の通りとっても優しそうなお方です。

フェリーの切符が売り出されるのは乗船1時間前からです。
ちょうど7時半になって、リュックの若者たちと一緒に切符売り場に並びました。
私たちの順番になって、車と人の切符を買おうとすると
そこに息急ききってやってきたのがテツママ。
ああ、ついにご対面!さっそくご挨拶しようとすると、
「ちゃうで、ちゃうで。車の切符はここじゃないんやで。
挨拶はフェリーに乗ってからゆっくりな。」(ちょっと大阪弁、違うかも。)
とにかく、私、車をフェリーに乗せる手続きをしていなかったのでした。
いつもちょっとボケるのです。
さてそれからはテツママの後に続き、ターミナルの裏側の方にバタバタ急ぎ
ターミナルの側に止めていた車を動かし、車検証を取り出し
テツママ、係りのお兄さんにテキパキ話をつけてくれて、書類も書いてもらって
私があっ気にとられている間に無事手続き終了。
車と人一人分で往復3万5千円。人は一人8千円です。

車を運転するテツママとダ~リンはそのまま車でフェリーに乗り込み
テツパパと純子さんご夫妻と私はさっきのターミナルから乗り込み
みんな、無事船上の人となりました。
フェリーは時間通り出港、
純子さんのご主人とダ~リンと私はデッキに出て
噴煙を上げる桜島が遠く離れていくのを見ました。

さて船の中。2等客船はお座敷です。
さっきのリュックの若者たちはさっそく横になり、眠り始めました。
私たちにとっては、今からが宴の始まりです。
あらためてご挨拶。テツママ、写真で見るよりずっと若々しい感じです。
純子さんご夫妻も熟年ナイスカップル。

テツママ、大きな紙袋から次々に出します。「食べてや~。」
おにぎり。(家を出る前に握って来たそうです)
551の肉マン。(これ、一度食べてみたい、と私が言っていたものです)
おはぎと桜餅。(これはあの瓜生巻きのお店のものだそうで、普通のものの3倍はあります)
どれも食べたいけれど、とても全クリできない量。
ダ~リンと半分ずついただきました。
肉マン、冷たくても美味。桜餅もあますぎずおししい。幸せです。
いろいろお話しているうちに、ひょんなことから『冬のソナタ』の話になり
純子さんもペ・ヨンジュンのファンであることが判明。
4月からは韓国語を習うつもりだそうで、相当なお熱です。
急に親近感を覚えた私なのでした。

テツママと純子さんは積もる話に大輪の花が咲き
私もダ~リンとフェリーの中を探検したりしてるうちに
フェリーは種子島を過ぎ、12時半に屋久島へ着きました。

テツママもテツパパも思っていた通りの方だったし
純子さんご夫妻もとってもいい方のようだし
良かった、と思うものの、まだ半分借りて来た猫状態の私は
これからの島での日々に大きな期待とちょっぴり不安を感じながら
屋久島に上陸したのでした。

つづく。

















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