☆彡に願いを。。。

☆彡に願いを。。。

☆音ちゃん☆のお話 



音ちゃんは ビャーと それからビャーの兄弟らしき猫(模様も顔もソックリだったので)と一緒に 3匹で 民家の空き地の周辺に居ました

家から駅までの途中にある空き地にいるその子達を偶然発見して 最初は飼い猫なのかな? この近所で飼われてるのかな? 
と思ったのですが でも もしお腹をすかせてたら可哀相だな・・・と思い 猫缶をあげてみました 
警戒してるのか おそるおそるという感じで食べ始めました

私はいつもバッグの中に猫缶を入れて持ち歩いています
いつ どこで お腹をすかせている野良ちゃんに出会うかわからないし
もしも出会ったら たとえその日限りでも せめてお腹を一杯にしてあげたいから・・・

食べ終わるまで待っていたら電車に乗り遅れてしまうので 取りあえず缶は仕事が終わって帰り道に片付けようと思いました 
仕事が夜なので 明け方には回収できるのも好都合でした 
夜中なら 通行人も少ないだろうし・・・

朝 その場所に行ってみると きれいに食べ終わった空き缶がありました
お腹一杯になったかな?大丈夫かな? と思いつつ また食べるかな? と
帰り道にコンビ二で購入した新しい猫缶をあげてみました
ニャンコ達は 一生懸命食べていました
どうやら飼い猫じゃなさそうだな・・・

その日から毎日 仕事の行き帰りに 餌をあげるようになりました
缶のままでは食べづらいと思ったので 使い捨てのお皿で・・・

行きはお皿に中身を出して 食べてる途中で仕事に行ってしまいます
戻ってきてから 必ずお皿を回収して 新しく餌をあげます 
この時は皆が食べ終わるまで待っていて この時のお皿も回収して帰ります・・・
もしも近所の人から苦情が出たら 困るのはこの子達だと思ったので・・・

仕事が休みの日も この子達が待ってたので 可能な限り行きました
夜も朝も・・・ 夜に多めにあげて朝はお皿だけ回収のパターンもあったけれど・・・

雨の日も どこかに隠れていても 私たちが行くと 駆け寄って来てくれました 
ミャーミャー鳴いて「餌待ってたよ」って・・・

たまに全員が揃ってないと どうしたのかな? と心配になりましたが もしかしたら 懐っこいから誰かに貰われたのかもしれないな と思ったりしてましたが 何日かすると戻って来てるんですよね・・・ 不思議な事に・・・


そして新たに1匹加わってたりもしました
その子は シャーっ!と威嚇が凄くて 餌をさっさとよこせ と言うように
シャーシャー言いながら 爪だし猫パンチ~ 手のひらが思いっきりザックリ切れました・・ 本当にとっても警戒していて よほどヒドイ扱いを受けていたのかな・・・ と切なくなりました



しばらくの間3匹から4匹になり・・・

シャーも少しずつ 少しずつ 慣れてきて・・・
あんなにシャーシャー言ってたのに 撫でさせてくれるまでになって本当に嬉しかったのですが・・・ 

突然現れたように突然消えてしまいました
きっと寒さに内臓が耐えられなかったのかもしれないなぁ・・・
しみじみと悲しくなりました


しばらくして ビャーの兄弟らしき1匹の姿を見かけなくなりました
この子は右足の膝からしたが無くて いつも3本足で器用に走って真っ先に私たちを迎えてくれるとても懐こくて可愛いこでした
どうしちゃったんだろう・・・ と気にはなっていましたが・・・


何日かして 犬の散歩でその場所を通るおじさんが
「あの足が無かった子ね そこの駐車場で死んでたよ 俺が役所に電話して遺体をお願いした」 と教えてくれました
私たちがその子達に餌をあげてる事を知っていたので気に掛けてくれていたみたいです

そうか・・・ 死んじゃったのか・・・
悲しくて悔しい思いで一杯でした
もし保護していたら 生きていられただろうに。。。


残った子達も本当は家に連れて帰って飼ってあげるのが一番いいんだろうけれど・・・
家にも猫一杯居るしなぁ~ と悩んでいるうちに・・・・・・


P1020016.JPG


この子達をなんとかしてあげたいな・・・ と思いつつ 踏み切れずに居た私達を変えたきっかけは 音ちゃんの骨折でした

ある夜 いつものように私達の足跡を聞きつけて 迎えに歩いて来る音ちゃんの足取りというか腰つきが変なんです
びっこひいてる? どうしたの?
夜なので 遠目からはあまり様子が分かりません
足が不自由そうなのに一生懸命私達の方に歩いて来ます・・・

急いで近づいてみると やっぱり足がおかしいようでした
どうしたんだろう・・・ 車に轢かれた? それとも自転車?
心配だったものの 仕事に行かなきゃ・・・です
「朝まで待っててね。朝になったら必ず病院に連れて行くから・・・」
と約束して その場を後にしました
もちろん 仕事中もとても気がかりでした

やっと朝になって その場所に行ったとき 音ちゃんの姿がありません
やっぱり昨日の内に 仕事を休んででも 病院に行けば良かった!
と激しく後悔しながら 一生懸命音ちゃんを呼びました
そうしたら 奥まった場所から ひょっこりひょっこり足を引きずりながら
音ちゃんが現れました

あぁ良かった! ちゃんと出てきてくれて・・・
思わず抱きしめてそのまま家に連れて帰りました

そして病院へ・・・
レントゲンの結果 やっぱり骨折してました
原因はわからないけれど 足の付け根からポキっと折れてました
それでも幸い折れ方が複雑ではなかったので 手術はせずに そのままあて木をして骨を繋ぐことにしました

そしてその時に判明したのが音ちゃんにはたくさんシラミが居ました
抱っこしていた私の洋服にもウヨウヨと付いてしまいました・・・
動いてる・・・
その時は夢中で気づかなかったのが幸いでした
もし気づいてたら抱っこできなかったかも(笑)

すぐにフロントラインを付けてシラミ退治

音ちゃんの居場所を作らなければ・・・
骨折してるから動かないようにゲージに入れた方がいいし・・・
とりあえずしばらくは家の猫とは接触させられないし・・・

苦肉の策で 庭にブッロクを置いてその上にゲージをセットしました
しばらくの間はここで我慢してね!

ゲージはビャーも保護するつもりだったので広めのサイズを選んで 中に猫トイレとベットと餌&水をセットして 周りは大きなビニールシートで覆いました

音ちゃんを連れて帰った後も ビャーはまだ しばらくの間 1匹でそこに居ました
餌だけはいつもどおりにあげてましたが そろそろビャーも連れて帰らなきゃ と思っていて・・・
音ちゃんのゲージも用意したし これでビャーも連れて来れるなと思って ある雨の朝 仕事帰りに ビャーを連れて帰る事にしました
段ボールに入れて 上から大きめのゴミ袋でカバーをして・・・

ダンボールに入れようとしたら ビャーは怖がって激しく抵抗しました
まるで猫さらい と思ってるかのように・・・
無理やり押し込んで 急ぎ足で雨に濡れながら歩きましたが 歩いてる最中もそれはそれは必死にもがいていました
ビャーも必死だけど私たちも必死!
ここで逃がしてしまったら ビャーは車に轢かれてしまうかもしれない(国道沿いを歩いていたので)
それに ここからだと今まで居た場所に戻れずに迷ってしまうかもしれない
もう2度とビャーに会えなくなるかもしれない

必死に歩いて必死に袋を押さえて来たので なんとかビャーを途中で逃げ出させる事なく家に到着しました

そして仲良しの音ちゃんと久しぶりにご対面・・・

そうやって2匹はしばらくの間 ゲージの中で生活しました
仲良く2匹で猫ベッドに入って眠りました

DVC00309.JPG

なんとか音ちゃんの足が繋がった頃(もう歩いても大丈夫)にようやく家に入れました
でも まだ廊下です・・・
家の先住猫達とうまく付き合っていけるか心配でした


最初に廊下から部屋の方に侵入してきたのは音ちゃんでした
音ちゃんは本当に物怖じしなくて 家に居た猫達にも全然お構いなく
平気で歩いていきます
家の子達も 最初はびくびくしていたものの すぐに知らん顔で受け入れてくれました
お互いに当たらず触らず・・・

ビャーは最初は怖かったようで・・・
音ちゃんが部屋の方で生活するようになっても相変わらず1匹だけで廊下に居ました
部屋の方に入って来る勇気がなかなか無かったみたいです
音ちゃんと一緒に居たいけど 部屋に入るのは怖い・・・
って気持ちがとても伝わって来ました

そんなビャーもついには部屋に入って来て一緒に生活するようになりました
寝る時は相変わらず音ちゃんと一緒のベッドで一緒に寝てました
ベッドは他にもあるのに いつの同じベッドでいつも一緒に・・・


音ちゃんは本当に不思議な子で犬のゲージにも自分から飛び込んでしまいます
風ちゃんのゲージに入って風ちゃんを尻目に水を飲んだり・・・
風も呆気にとられてジーっとしています

そんな音ちゃんですが骨折が治っても 健康ではありませんでした
いつも鼻をグシュグシュさせて くしゃみばっかり・・・
鼻水が固まって 呼吸するのも苦しそう・・・
病院の先生に毎日薬を飲ませて症状を抑えるしかないと言われました

音ちゃんは毎日朝晩ごはんのたびに抗生物質の薬をのみました
飲むと少しだけ症状が改善されたようでした
鼻水がとまるので呼吸もだいぶラクにできるみたいでした
一生懸命食べるけど いつもガリガリでした



音ちゃんが家に来て半年が過ぎました

その日の朝・・・

音ちゃんはお風呂場の蓋の上に乗りました
私が出たばかりだったので 蓋の上はまだとても暖かかったから・・・
暖かい蓋の上は猫のお気に入りの場所!

私は大好きなバレエの公演に出掛けました

家に戻って来てお風呂場をのぞくと 音ちゃんは朝のままの格好でまだ蓋の上に居ました
もちろん蓋の上も もう冷たくなっています・・・
ビックリしてさわってみると 体温がとても下がっているようでした
体も強張っています・・・
あわててバスタオルにくるんでベッドに横たわらせました
でも もう病院に連れて行こうとは思いませんでした
もうお水も口にしませんでした
命の灯が少しずつ少しずつ消えかかっていました
もうこれはどうにもならない状況なんだ
彼の最期を見守るしかない
ゆっくりと確実に死に向かっている音ちゃんをただ見守っていました
泣きながら・・・


でも私は音ちゃんの最期を見守る勇気がありませんでした

うつらうつらして夢の中で音ちゃんに会います
ハッとして音ちゃんを見ると もう何も見えてないようなうつろな視線の音ちゃんがいます

何度か繰り返している内に 音ちゃんは静かに静かに旅立ったようでした
わずかに暖かかった体が冷たくなっていきました

音ちゃん 最期を看取ってあげられなくてごめんね・・・

2007年4月22日 音ちゃんの命日です。。。

音ちゃん 思い出をありがとう!



家に来てくれてありがとう!!

いつかまた会おうね・‥…・・・★



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