Salon de Ciel

Salon de Ciel

追いかけろ!

さっきまでウィル・スミスに見ほれていた私の目の前に

可愛いブラックの男の子。


これを運命といわずになんという!!??



ちなみに、この国でブラックに遭遇する確立は

なかなか低い。

こんなに大都市なのに、道を歩いていて

ぽつんぽつんと見かける程度。

アジアンはわんさといるけどね。



だからこそ、その男の子を前にして

私は舞い上がった。


「○○に行きたいんだけど、バス停がどこにあるか、知ってる?」

その子はそう聞いてきた。


答えて話を長引かせたかったけど

引っ越してきたばかりの私は

○○の地名すら聞いたことがなかった。


「ごめんね、分かんない。あたしもここに来たばかりだから。」

そう答えると

男の子は「そっか、Ok,ありがとう」と言って

立ち去った。


書くとそっけない会話のようだけど

話している間中、彼の顔には締りのない笑顔が浮かんでいたし


私から遠ざかりながら

一緒にいた彼の友達が

彼を冷やかしてからかっているのが、よく分かった。



今のは、もしかしてナンパだった!??

私は勝手にそう思うと顔をかーっと赤くした。


がっかりしたとか腹が立ったわけじゃなくて

彼が、沢山歩いている人の中から私に目を留めて声をかけて来たって事実が

めちゃくちゃに嬉しかった。



胸のドキドキを沈めるために適当にお店に入って

店内をうろうろした。

見てなんかないのに、洋服を手に取ったりして。


だけど、私の頭の中で何かが言った

「今の人を追いかけなくていいの!?

いままで、タイプの人が急に目の前に現れて声をかけられるなんて

こんなラッキーな事、起こった事ある??」


頭の中はぐるぐるした。

胸はドキドキして心臓の音はうるさかった。

「今の人は逃がしたら駄目だ!」



私は決心して店を出て

彼らを追って同じストリートを急ぎ足で歩いた。


ブラックなんてここでは少ないから

すぐに見つかると思ったのに

なかなか見つからない・・


さっき、もっと話を引き伸ばせばよかった。。

そう思いながら歩き続けて



見つけた。



あの人だ・・・!!


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