chocoolique の世界あちこち日記

■急患です!


こんなネタの多い人生、われながらヤだよもう……。


流血編 ★パリで緊急のお医者さんを呼ぶ★


パリ滞在中、緊急のお医者さんに往診に来てもらったのは2回。

一回目の緊急事態は、とある晩の、メトロでの帰宅途中に起こった。突如として流れ出た鼻血――。周りの乗客の助けを借りてなんとか家に帰れたはいいものの、出血は止まらない。いや、止まるどころか、泉のようにこんこんと溢れ出る。

もともと鼻血体質ということで甘く見ていたが、2時間ぶっ続けはさすがにやばいんじゃ…。失血死という言葉が脳裏をよぎる。迷いに迷った末、私は、受話器を取ると、救急車の電話番号を押した。

「アロー? 大変なことになっているのですが?」 鼻をつまんでいるためか鼻母音に磨きがかかる私。「どうしました」。「鼻血が止まりません」。「・・・・・・・・」。オペレーターは、鼻血という単語に若干動揺したようであった。私は事情を詳しく説明する。

そして出された結論がこれであった。救急車はちょっとアレですから緊急のお医者さん (=SOSメディサン) を呼んでごらんなさい。

そうして、真夜中だというのに10分と経たずにお医者さんは到着。鼻の穴に綿を詰めるという古典的な治療を施してくれた。安心した私 (の鼻)、それからすぐに血も止まり、安心して眠ることができたのだった。メデタシメデタシ。


しかしそのわずか数週間後、二度目の悲劇は起こった。それは、家でくつろいでいるときのことだった。のど渇いた~なんか飲もう~っと…と冷蔵庫を開けたところ、2リットルのペプシのジャイアントボトルが私の足を直撃。

○▲※◇X!!! 息がでけん!

頭の上にはヒヨコがぐるぐる回ってるよ! 星もチカチカしてきたよ! と、次の瞬間、私の目に留まったのは、床に落ちた小さな貝殻、じゃなくて私の爪だった! ウワーイッ!

しかし、しかし、つとめて冷静にSOSメディサンに電話。用件はなんとか伝えた。ふぅ。と思いきや、自分の住所も電話番号も伝えないまま電話切っちゃったじゃん、私!

冷静にリダイヤル。するとオペレーターが 「あなたの情報はもう登録されてますよ」と。やるじゃん! システム完璧! (←照れ隠し)

お医者さんはすぐに来てくれて、骨に異常はなさそうだと (レントゲンも取らずに) 言ってくれました。ホッ。


↓豆知識↓

フランスの救急車の電話番号は15番。
SOSメディサンは 01・47・07・77・77 (イル・ド・フランス)。



幽体離脱編 ★ハンブルクでアナフィラキシー★


ビール飲みすぎちゃった。おしっこしたいよ~~~ (モジモジ)。

真冬のハンブルクなんかでおしっこを我慢するもんじゃありません。厳寒の中、尿意を気付かないフリしてごまかした私を襲ったのは下腹部の鈍痛。なんじゃこりゃ! びっくりした私は、かかりつけのお医者さんにすっ飛んで行った。

「膀胱炎ですね。薬を処方しておきましょう」

薬を飲み始めた。1日経過。2日経過。3日経過。おかしいな? 一向に良くなる気配がないんですけど? 薬を飲み続ける。そうして5日が過ぎた頃のことだった。

ブルブルガクガクブルブルガクガク!!!

心拍数200! 手が震えてるんですけど! 私の手! そういやうっすらとじんましんも出てきたよ! 走馬灯も見えるよ!

私はすぐにお医者さんに行った。薬が悪かったかしらとその女医さんは薬学辞典を片手に別の薬を処方。それから2~3日もするとすっかり良くなった。

私のアレルギーパスポートには、新たに抗生物質の名前が刻まれることになった。


↓ここ試験に出るゾー↓

体重が少なめの人や普段薬を飲み慣れていない人は、海外で薬を処方してもらう際には、少なめにしてください! とはっきり伝えましょう。


九死に一生編 ★デンバーで救急車★


自転車に乗るようになってはや2年。この間、ひとつの自爆事故といくつかのマイナー・アクシデントがあったものの、今では日に30キロは走る立派なライダーとなった私。パラリラ世露死苦!

ある日、いつものように路上を走行中、交差点の左手から黒のアウディ (=時速50キロ弱) が走ってくるのが見えた。まだ遠いな。…と、次の瞬間、脳天に衝撃が。アウディに追突された私の体が宙に浮き、右側頭部 (注:ヘルメット着用) より着地した模様であった――。

この光景はストップモーションで見た (ような気がする) のだが、はっきりと覚えているのは、あわてて下りてきた運転手がFのつく単語を言ったことだった (紳士然としているのにねえ…)。そして、なんかようわからんが帰ろうとする私に、「動くな!」 と (←ねぇ、銃でも持ってるの?)。

道路のド真ん中にうつぶせになったままの私。すぐに人がばらばらと集まってきて、私はもう、逃げ出せる雰囲気ではなくなった。 「大丈夫? アナタ、名前は?」 と野次馬A。 「○○○です」 と私。シーンと静まり返る一同。私の名前があまりにエキゾチックすぎて、誰も発音できないのであった。それを見かねた野次馬B、「○○ (←犬の名前) もついてるから平気よ! 心配しないで!」 …どこの犬だ。

そしてほどなく救急車が到着。救急隊員の第一声は 「大統領の名前は?!」 であった。

意識を確認するためにこの手の質問をするらしい。私は、「私はアメリカ人じゃありませんので」 と丁重に答えた (気がする)。それから担架に乗せられて、救急車の中に運ばれる。私の意識は失われるどころか冴え渡っていた (←ドーパミン出まくり)。救急隊員の質問にもハキハキと答る。

そこへ、「ちょっと…この救急車にもう一人乗っけるけどいい?」 という声が。見ると、担架に乗せられたお婆さんが。なんでも、近所に住むこのお婆さん、事故を偶然目撃して卒倒してしまったらしい。87歳の心臓には衝撃が強すぎた。

しかしお婆さんも伊達にお婆さんをやっているのではない。「おお! ハニー! かわいそうに!」 とかなりアメリカンなセリフで私を気遣ってくれる。かわいそうなのはアナタのほうなのに…。お婆さん。ゴメンナサイ。

と、そこへ、 ブスッ! ギャオゥ! 私の腕に注射の針が! ちょっとやめてよ! 得体の知れない薬を許可もなく与えないでよ! と私は叫んだ (←マジ)。救急隊員の説明は、体温も下がり出してるし、病院までもうちょっと時間がかかるから、というものだったが、明らかに必要ないと思われる点滴! 低体温なんて放っておいてよー! つか痛いんですが!!

そんな私も、病院に到着するころにはすっかり回復。医師らも驚くほどの しぶとさ 幸運であった。実際、耳が多少ひりひりするものの、これはやばい! と思われるような痛みはなかった。検査を終え、家に帰っていいですよ、とお医者さんは言った。

しかし、本当の悲劇はここから始まるのだった…。

帰り支度をして廊下を歩いていた私。腕がヒンヤリするよ? ハッ…! 床に血の池が! そう、あの救急隊員、針を動脈に刺していた。すぐにお医者さんが飛んできて止血、事なきを得たのであったが。


↓おまけ↓

病院からの電話で呼び出しをくらった相棒、会社を早退して (大して顔色も変えずに) 迎えに来てくれた。そしてまずしたのは、事故現場に戻って写真を撮ったこと。3個も信号があるのに見落とす人は始めて見た、証拠として写真を撮っておこう、だと…。イヤな奴だ…。

結局、私の信号見落とし (=巷では信号無視とも言うらしい) のせいで起こった事故。非は100%私にあるそうな。これが後日戦った裁判での判決 (詳細は コチラ ←長いんだこれが)。

お婆さんは無事でした。



↓おまけのおまけ↓

愛車ブロンプトンはボロッボロの廃車…の・は・ず・が! 相棒が大修理! 半年寝かせたのちに転売。買値400ドル→売値600ドル。いやです、こんなの。





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