クララ奇談

クララ奇談

~お祈り6~


「いっぱいのお茶」

いっぱいのお茶を飲みましょうと

どうして言えなかったのでしょう

自分の時間が欲しかったために

彼の苦しみにあずかるのを

先送りにしてしまいました

苦しい日々を送っている

彼の辛さを小包にして

あてのない時へ送ってしまいました

「ザアカイ、急いで降りてきなさい

今日はあなたの家に泊まりたい」と言った

あなたの言葉が鋭く刺さります

いっぱいのお茶がこんなにも重いなんて

              (大原猛)



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