《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2012.01.12
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカのイランに対する挑発行為/破壊工作はジョージ・W・ブッシュ政権の時代から続いている。そして現在、アジアやヨーロッパの国々に対し、イランとの石油取引を止めるように圧力を加えている。中国はこうした要求をはねつけ、 EUは検討中 のようだ。

 そうした中、日本の安住淳財務相は12日にティモシー・ガイトナー米財務長官と会談、その後に開かれた記者会見で、日本のイランからの原油輸入を段階的に減らしていくことを財務長官に伝えたと語っている。

 中東を訪問中の玄葉光一郎外相に対し、湾岸の独裁産油国でイスラム武装勢力の保護者でもあるサウジアラビアやアラブ首長国連邦は石油を「優先的に供給する」と保証したようだが、石油の供給に余力がなくなれば意味はない。日本国内には、中東の混乱は原発再開にとって追い風になると考えている勢力もいるだろうが、そんなことをすれば、次の大きな地震で日本は壊滅する可能性がある。

 現在、湾岸周辺にはアメリカやイギリスが軍艦を出してイランを威圧、イラン側はホルムズ海峡を封鎖するとしている。玄葉外相はイランに対して「挑発的な発言は慎むべきだ」と語ったというが、挑発的な言動を続けてきたのはアメリカとイスラエルにほかならない。

 今年に入り、 フランスのフィガロ紙はイスラエルの情報機関、モサドがクルド人の居住地域で亡命イラン人を訓練していると伝えている 。勿論、破壊活動が目的だ。イスラエルがクルド人を破壊活動の手先に使っていることは有名で、 イスラエルのアビグドル・リーバーマン外相はトルコに対し、PKK(クルジスタン労働者党)を使ってトルコを攻撃させると叫んでいる

アメリカの調査ジャーナリスト、シーモア・ハーシュによると 、アメリカのJSOC(統合特殊作戦コマンド)やCIAなどがイラク南部からシリアへ越境攻撃しはじめたのは2007年から。イラン革命防衛隊の特殊部隊、アル・クズのメンバーを拉致して尋問することも工作に含まれていたという。手駒としては、クルドの分離独立派だけでなく、スンニ派の武装組織「ジュンダラー(アラーの兵士)」やMEK(ムジャヒディン・ハルク)も使われている。かつて、アメリカ政府はMEKを「テロリスト」だとしていたが、今では「自由の戦士」だ。

 アメリカやイギリスは王制時代、といっても欧米がでっち上げた体制だが、その時代のような自分たちに都合の良い体制を再び築こうとしている。核開発などは単なる口実、イラク攻撃前に叫んでいた「大量破壊兵器」と同じこと。

 そもそも、世界有数の核兵器保有国で過去に核攻撃を閣議決定したことのあるイスラエルを放置してイランの核開発を脅威だと叫ぶのは滑稽だ。中東で最大の脅威はイスラエルにほかならない。地震多発地帯に原発を乱立させ、福島第一原発で大事故を引き起こし、世界を放射性物質で汚染、しかも原発を再稼働させようとしている日本がイランの核開発をとやかく言うのも奇妙な話だ。

 共和党の大統領候補でただひとり軍事介入に反対しているロン・ポールは1月8日、制裁に反対すると述べている。イラクやリビアの場合と同じように、戦争を始める第一歩になるからだ。逆に、制裁を声高に叫んでいる人びとは戦争を始める第一歩にしようとしている。その先にはイランの資源があることは言うまでもない。破綻寸前の経済、つまり崩壊寸前の支配体制を建て直すため、何が何でも略奪しなければならないということだ。日本が制裁に加担するということは、戦争を後押しすることにほかならない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.01.12 22:42:09


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: