2021.09.13
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テーマ: テニス(3386)
カテゴリ: カテゴリ未分類
(聞き手、私)全米(US)オープンテニスの二週間があっという間に終わりました。波乱万丈千状万態無常迅速の試合の数々でしたが、今日はテニス解説者のムダガミさんにお越しいただきましたので、感想の一つ二つをお願いしたいと思います。

(ムダガミ)いやー興奮したね、観客の歓声がぶんぶん渦巻いてるし、それに電子線審(electronic line calling)だからさ、セリーナと口喧嘩する線審もいない、線審の方々には申し訳ないけど、これで選手たちが文句を言う無駄な時間が無くなった。文句を言ってもひっくり返ることはまずないからね。人間ていうのは不思議なもんでさ、同胞の人間に言われると腹を立てるくせに、機械に判定されると従順なんだからね。会社の上司とかも全部AIにすればいいんじゃない?上司に対するモラハラとかパワハラの訴えがなくなるんじゃない。

(聞き手)すみません、ムダガミさん、セリーナのことはいいんですよ、出場してないんですから。(まったく余計なことを言うオヤジだな)それにムダガミさんの人間論を聞きたいわけじゃないんですから。

(ムダガミ)メンゴメンゴ、え~と、まずオレにはあまり興味のない女子の話はとばそうか。だいたいさ、女子のシングルスは3セットの2セットを取った方が勝ち、男子は5セットの3セットだよ、試合時間が段違いなんだよ、女子の場合はほとんどが2時間以内、長くても3時間ちょっとでしょ、男子は4時間以上の試合がごろごろしてるわけよ、もちろん長けりゃいいってもんでもないけどね、プレーの質だって男子の方が上でしょ。

(聞き手)でもですね、女子シングルス決勝なんか、観客もかなり盛り上がってましたよ。

(ムダガミ)シンデレラ・ストーリーに酔ってんじゃないの?予選から勝ち上がってきた18歳ともう一人の19歳の新人の顔合わせだったからね。エンタメだからストーリーが金になればいいわけだけどね、試合としてはいまいちじゃない?あれでもって、賞金額は男子と同額なんだよね。それが解せない。労働量というものを考えたら男子の時給は半分か?まあこれは社会の流れの問題だからオレが口を出したところで、何が変わるわけじゃないんだけどさ。

(聞き手)(当たり前でしょう、あんたみたいな時代遅れの保守ガチガチはそんなことには口を出さないこと。)そういえば、決勝に進出したカナダのフェルナンデスは大坂を倒したんでしたね。

(ムダガミ)フェルナンデスは第3シードの大坂に始まり、16シードのケルバー、5シードのスビトリーナ、2シードのサバレンカを破ったわけだから、大物食いの18歳(途中で19歳になった)だったのはすごい。大坂はかなりショックを受けてまた鬱が悪化したいみたいだけどさ、オレの考えではね、彼女の問題は頂上に上り詰めたことですごいプレッシャーを受けてるんだね、自分も含めた世界の期待に適う成果を上げないといけない、という風圧ね。下にいて挑戦している時はある意味楽なんだよ、上に立った時にそれを維持しなきゃいけないという責任に押しつぶされてるんじゃないの。それに挑戦する方は、たとえば今回のフェルナンデスのようにさ、失うものがないわけだから、がむしゃらに向ってくるしね。大坂はこの精神的な問題をどう解決するかに、今後がかかってるね。テニスはプレッシャーをうまくコントロールできた方が勝つわけよ。それと、もう一つの面は、トップレベルの選手と30位とか50位以下の選手の間のテニスの力量の差がね、女子の方はあまり開きがないんじゃないかな、男子に比べて。だからいつでもどこでも番狂わせが起きるのよ。

(聞き手)そうですね。男子の場合は、不動のビッグ3が長年居座っていましたしね。フェデラー、ナダル、ジョコビッチの強さは桁外れでしたからね。

(ムダガミ)アンビリーバボーだよ、2003年のフェデラーのウィンブルドン優勝を先駆けとして、2004年から2021年まで全部で71回のグランドスラム(四大大会、昨年のウィンブルドンはキャンセルされた)があったわけだけどさ、ビッグ3がこのうち何回優勝したか知ってるかい?

(聞き手)数えたことないですけど、半分くらいですか?71のうち35回くらい?

(ムダガミ)あま~い、キミ何勉強してんの、この3人で59回、つまり83パーセントほどだぜ。とにかくね、ビッグ3の強さはこの18年間異常にだったのさ。なかでも全仏のナダルなんて、向うところ敵なし、18年間で13回優勝してるんだよ。怪我さえなかったらもっと優勝してただろうね。あの無敵のフェデラーがどうしても全仏で勝てなくて、2006年から3年連続で決勝でナダルに屈した、あの時は確か涙してたなー。そのフェデラーも2009年にようやく全仏を獲ったけどね。まあ、全仏は赤土のコートだから、球速は遅くなるし、バウンドすると跳ね上がるから、これがナダルのトップスピンを主体とするスタイルにピッタリだったわけ。「頬に赤土、右に左に、すっぴんナダル」なんていう川柳があるくらいだからね。

(聞き手)何なんですか、それ?ムダガミさんの即興ですか?

(ムダガミ)まあ、聞き流してちょうだ~い。それにしても、この18年間にけっこう実力のあった他の選手は可哀そうだよね、この3人がスクラム組んで立ちはだかってたわけだから。錦織もその犠牲者の一人だね、別の時代に活躍していればグランドスラムの一つか二つ取ってたかもな。アンディ・マレーも一時はビッグ4の一人と言われたけど、今怪我から復帰しようとしている姿は勇気をもらえるね。

(聞き手)しかし、今年のUSオープンでとうとう、新時代の到来が垣間見えたんじゃないですか。

(ムダガミ)ナダルもフェデラーも出場してなかったから、年間グランドスラムを狙っていたジョコビッチにとっては千載一遇のチャンスだったのにね。その夢がガラガラと崩れ落ちて、最後のコートチェンジの時にジョコビも泣いてたね、2セットダウンの第3セット、もうこれまでと感無量になったんだろうね、この日の為に努力してきたのについに夢潰えたり、という脱力感かねー。「限りなく透明なブルー」を見つめるような虚ろな眼差しも見せてたな。

(聞き手)そのフレーズはどこから来たんですか?

(ムダガミ)オレの名前から察してほしいな。これも聞き流してちょうだ~い。それにしても、決勝の相手が悪かった、ロシアの怪童・メドベージェフ、今大会ここまで落としたセットはたったひとつ、あとは全てストレート勝ち、スタミナたっぷり余ってたもんな。対するジョコビは結構セットを落としてたからね、準々決勝のベレッティニ戦が3時間半、ズベレフとも3時間半戦ってきたから、スタミナ的に大分消耗してたのかな。メドベは、とにかくインクレディブルな選手だ、身長198センチなのに、前後左右驚異的なスピードで走り回り、ジョコビのドロップショットなんか屁の河童だよ。オレの直感だと、こいつの天下が来るかもな。メドベとズベレフとチチパス、これが新御三家になるかな?彼らはさ、3人ともロシアの血を引いてるんだよ。あるいは、イタリアン・ピザコンボが躍進するか、カナダやアメリカも若手がのびてきてるから2022年は楽しみだね。

(聞き手)ジョコビの準優勝スピーチはどうでしたか?

(ムダガミ)メドベの方は妻への愛を語ってたけどね、ジョコビはこの決勝で負けて、観客の愛を勝ち取ったんじゃない?どっちかというと、ニューヨークではあまり好かれている選手ではなかったんだけど、決勝で苦戦しているジョコビにみんながガンバレと声援を送った、これにはジョコビも感動したようだよ。

(聞き手)他にもいろんなドラマがあったんですが、もう時間になってしまいました。(まったく無駄話ばかりするからだよ、ムダガミ!)今日はどうもありがとうございました、ムダガミさん。

(ムダガミ)どうもどうも、次はオーストラリア・オープンだね。(だから~どうした?もう呼ばないよ)





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最終更新日  2021.09.13 16:34:55
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