玄関にサンタさん? |
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(第1話) <2001・12・20日記より> サンタクロースの存在を信じているのは何歳まで・・・? 子どもの夢を破りたくないのは、どの親も同じです。 我が家の子供達は、半信半疑であってもかなりの年齢まで、信じていました。 親として、子供の夢を裏切らない為の努力は結構大変でした。(笑) 1、あらかじめ買っておくプレゼントは絶対見つからない場所に隠しておく。 2、サンタのプレゼントの他に、親からのプレゼントも用意する。 3、サンタクロースからの分と、両親からの分とは、一緒に買っても同じ包装紙は使わない。 つまり、2種類買うことになります。 この出来事は、長男が確か5~6年生の頃だったと思います。 やはり、プレゼントはいつも通りに2種類用意しました。 クリスマスイブの晩、ささやかに家族パーティを開き、父母からのプレゼントに大喜びの長男と長女(長男より3歳年下)でした。 「今晩、サンタさんくるよね~♪何くれるかな~♪」 枕もとに靴下を置いた長女は興奮していて、夜が更けても眠る気配がありません。 子ども達が眠ったら、サンタのプレゼントをそっと枕もとに置こう、と、私は待っていました。 朝6時には起きて朝食を作り、仕事に行く私は眠くてなりません。 いったんベッドに入り、隣の部屋の子どもの眠るのを待っていたのですが、不覚にも私の方が先にスヤスヤ・・・。 「おかあさん!!」と、押し殺した声で眼が覚めました。 ベッドの側に、長男がとがめる目つきで私を見ています。外はまだ暗いけれど、午前6時を過ぎていました。 「えっ!どうしたのっ?」 「どうしたじゃないよ!お母さん!サンタのプレゼントは、どうしたの~!!」 長男は続けて、「N子(妹の名)が、起きて泣いてるよ~!サンタさんこなかったって・・」 「ええっ!あんた知ってたの・・?!!」・・・・・ああっ!しまったァ~どうしよう?とうろたえる私。 「あ~あ!ボク、知らないよ~~!」と、長男はキビしい顔。 ああ~、これはもう仕方がない。 長男の見ている前だが、押入れの上段に隠してあったサンタのプレゼント2人分をサッと出しました。 どこに置こう・・・?今にも2階から長女が降りてくるかもしれない。 とっさに、小走りで玄関へ置きに行きました。 玄関のタタキに置いて戻ると入れ違いに、2階から駆け下りた長女がベソをかきながら、居間に飛び込んできました。 「おかあさ~ん、サンタさんこなかったぁ~!」 「ええ~っ?ほんとにぃ?」と白々しく私。 と、長男が新聞を取りに玄関に行きました。 そして、玄関で長男の大きな声。 「うっわぁ~!N子、玄関にプレゼントあるぞぅ~!」 「ほんとう~?お兄ちゃん!」と、飛んでいく長女。 「あったぁ~♪ わ~い!こんなとこに!」と玄関から長女のはしゃぐ声が聞こえます。 プレゼントを持った長女がニコニコ顔で戻ってきました。 その後ろから、 複雑な顔の長男 が、片手に新聞、片手に自分へのプレゼント。 プレゼントを開けて、しばし喜んでいた長女は、ふと真顔になって、「でも~~!サンタさん、どうしてこんなところに置いたんだろう?」とつぶやきました。 「あ、サンタさんはきっと忙しかったんだよ」と、慌てて答える私。 「うん、沢山配ってるしね~」と、長男。 納得できない表情の長女・・・ 「あ、そうだ!ウチの煙突は細いからサンタさんは入れなかったのかな?きっとそうだね!」と言います。 「うんうん、太ったのかもね!」 「プレゼント、つっかえちゃうものね~~」と、めでたく収まりました。(冷や汗) それから3年、長男の暗黙の了解の元に、サンタは毎年訪れました。 ずうっと後で、長男に、「あの時、バラさず助けてくれて有難う」と、言うと、「うん、あの1年前にサンタはいないのが分かったけど、2個のプレゼントが貰えるから、信じているフリしてようって思っていたよ」とのこと。(爆) サンタは父母だったと、1年前に長男が気づいたその理由は・・・ サンタのプレゼントの包装紙が、近くのお店のクリスマス用包装紙である事に気づいたからだそうです。 サンタがスーパーでプレゼントを仕入れるのは絶対変だ!と、思ったそうです。 今日、長男は、4歳になる一人息子に、やはり2個のプレゼントをこっそり買いにいきました。 (第2話) > <2001・12・24日記より> 今日(クリマスイブ)は、隣に住む息子一家と団欒のひとときを過ごしました。 残念ながら、父が入院しているので、父を除く、主人、私、母、息子夫婦とその長男の7人です。 息子たちは、ピザや、から揚げ、ヨーグルトサラダなどを、我が家は鮭ちらし、和風のつまみを色々揃え、お互いに持ち寄りの和洋とりまぜの豪華なパーティになりました。 主人公は、やはり(息子の長男)4歳の子K太。皆からいただいたプレゼントで、すこぶるご機嫌です。 大きいお祖母ちゃん(私の母)に貰った可愛い靴下3足に頬ずりして、「やったぁ~、6つもある。これを全部下げておこう!うふふ♪ サンタさんは全部にプレゼント入れてくれるかなぁ~」と、よくばりな事を言うのも可愛いと、オヤバカとマゴバカが和やかに過ごしています。 福島に嫁いでいる長女から電話が入りました。 皆、いつものように集まって、宴会中だろうと思ってとのこと。 彼女は、夫と二人のスゥィートクリスマスを過ごしていると思っていたのですが、張り切ってご馳走を作りすぎ、一生懸命食べたので、二人とも苦しくて転がっている、と、ちっとも色気がありません! そして、「HPを見たよ~、煙突から入れなかったサンタのことはよく覚えているけれど、私を誤魔化すのに、お兄ちゃんが1枚かんでいたとは・・・!たった今まで全然知らなかったよぉ!!」と驚いています。 もう、とっくに時効の話でございます~♪と、みんなで大笑い。 話し終わり、電話を切ろうとした長女が、K太に伝えてほしいとのこと。 「いい子で早く寝ないと、サンタさんが玄関で帰っちゃうからね~!」って。 受話器を持ったまま、その通りに大きな声で伝えると、ガオレンジャーに夢中のK太は、ぎくっと顔色を変えしばし固まっています。(笑) と、ビールを飲んでいた長男が(大分酔っている)大きな声で叫びました。 「大丈夫だよ~!K太!サンタさんが帰らないよう引き止めて、お父さん、サンタさんと呑んでるからね~♪」 とたんに、みんな(受話器の向こうの長女まで)大爆笑!! これは、いかにもありそうですもの~~♪ ところが、間もなく(いつも夜遅くまで遊び、帰りたがらない)K太が、いつになくそわそわとして、自分からオモチャを片付け始め、それから30分後、さっさと帰ってしまいました・・・。 今日は、遅くなりそうだから、日記は書けないと覚悟していた私は、あっけにとられて、クスクス忍び笑いをしながら、この日記を書き始めました。 K太のウチに来たサンタクロースさん、酔っ払ってソリから落ちなければいいのですが・・・。 |