天空乃舞

白昼夢 学部卒論編


またまた渦巻く怒涛の中にいるけれど

うんと高いところでは美しく壮大な空が広がっています。

目ん玉はグルグルだけど

私の卒論列車は 車輪を軋ませながら それでも動き始めました。

生きてます

ここだよ

怒涛で自分の体も見えないけど
ここに生きています

私の車体はこんなに重かったのかな。。。

古い枕木が 車輪の下で壊れていきました。

もう進めないのかと思いました。

でも古い枕木がなくなった時
新しいレールが敷かれているのがわかりました。

誰が敷いてくれたのだろう?

AP先生でした。

だからそのまま進むことができました。
でも そのレールも壊れ始めました。

AP先生のレールが壊れるはずなどない!

でも壊れました。
今度こそ進めないのか。。。。




その時 新しいレールをくれた人がいました。

HD先生でした。

丈夫で緻密で最先端のレールでした。
HD先生は言いました。

「これを使ってごらん」

でも私には レールの接続の仕方がわかりませんでした。

オロオロしているうちに私の卒論列車はもう
レールの上を走っていませんでした。


ありとあらゆる石ころ、泥沼、ひび割れ、濁流の上でした。

あまりの激震に ついには自分の体も列車から振り落とされました。


列車 1



とうとう死んだのか。。。。



地面に叩き付けられ
死んだように横たわっていると。。。。。

遠くて 遠くて 高くて 高くて 深くて 深い 青い空は なんて綺麗で

そして  

こんなにも

遠くて 遠くて 高くて 高くて 深くて 深かったかなあ。。。



あんまり綺麗なので 起きるのが嫌になって 横たわっていました。

そうしたら見えました。

地面に顔をつけて、

くっつけて

横たわっていたら見えました。

AP先生もHD先生も どっちも レールの上なんざ走っちゃいない。

岩山を 谷底を 濁流の中を 時には 濁流の底を
ものすごいエネルギーを燃やしながら  
進んでいるだけ。

レールがあるのは。。。


先生が走ってきた跡だけ。

先生が走った所に レールが敷かれ 橋が架かってゆくだけ。

なんてこった
なめらかになんか走っちゃいない。



ものすごい土埃、水じぶき、煙と焔を、 

もうもうと

上げながら。。。



楽なことなんか
これっぽっちもねえ。。。



その時、両先生が、
びっくりするほど大きな汽笛を鳴らしました。


列車 3


“楽しむんだよDance in the Sky
楽しむんだ!”



そして怒涛の中から吹き上げる煙で いろんな形を作っては
見せてくれました。

青い空の中に 白い煙で いろんな絵を見せてくれました。

そしてまた 新しいレールを少し 貸してくれました。

列車の性能が違う

運転技術が違う

体力が違う

経験が違う

いろんな言い訳はあります。

でも自分も進もう

そう思いました。




新しくもらったレールも壊れました。

そしてまた汽笛が聞こえました。




“壊れたレールの残骸と

ぶつかる巌と濁流の中から

あなたの部品を探しなさい

壊れることでしか 新しいものは創れない

そうすることでしか あなたの本当のレールは創れない

あなたのレールは あなたにしか創れない

あなたが残せるのは あなたが創ったレールだけなのです。

楽しみなさい
楽しみなさい
楽しみなさい”

だから 私の下にはレールがありません。

ものすごいことになってます。


後ろを振り返っても


私のレールは 目も当てられないほど貧弱で



。。。。こんなでいいのか?





また汽笛が聞こえました。

“楽しむんだよ

自分で自分を誇れるように

Dance in the Sky

楽しむんだよ

私はあなたが「できる」と知っている”



砂埃と 汚泥と 自分が噴出す煙で
前には何も見えません。

でも見上げると空は

遠くて 遠くて 高くて 高くて 広くて 広くて
どこまでも
青くて 青くて 青くて 青くて 青くて。。。

寝ながら見上げるよりもずっと綺麗

こうして生きていることが嬉しい。

同じ空の下で 尊敬する人たちが闘っていること。。。

そしてレールを貸してくれることはできなくても
ものすごい勢いで

“宇宙の森羅万象よ!
何でもいいから力を貸せ!
どっからでもいいから智慧よ! 湧き出よ!”


と無理難題を祈っている人と

“とにかく無事で健康であれ。それが一番。”

と祈ってくれている人がいる。

ああ 私は死ぬんではないんだな

こうやって生きていくんだな

これが私の生き方なんだな

そうか
そうなのか。。。。




卒論できるってわかるよ。

わかってきた。
私は生きている。

ありがとう。

すんごいことに なってるけど

大丈夫 

できるからね。


ここで生きれて
嬉しい

ここにいるよ


列車 2


またね



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