言葉の散歩路

2010年07月31日
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わたしと旦那さんが勤める会社が昨年12月に移転して、その、工場のあった場所は数カ月間空き地のままでしたが、そこにコンビニが立ちました。昨日オープンで、たくさんの車が停まっていました。わたしも今日行ってみました。アスファルトで舗装され、ただの“新しく出来たコンビニ”としか思っていなくて何の違和感もなく買い物を終えて車に乗り込みました。駐車場から出ようとして、初めて「ああ、ここに工場‥あったんだよなー‥」と気付きました。いえ勿論工場跡地ってことはわかってたんですが、ピンと来なかったというか、買い物中は思い出しもしなかったというか。車を出す時になって初めて実感が持てたというか‥。歩道も道路から入りやすいようにされて、砂利だった工場前の駐車場は綺麗なアスファルトに白線が引かれ、まるで別の場所のよう。わたしが車を停めていた場所はそう‥ちょうど工場の中の休憩室があった辺りだったでしょうか。‥タロウの部屋でもあった場所。ポチも居ました。チビという猫も、その子供たちも居ました。みんなが仕事して、たくさん、本当にたくさん遊んだりもしたあの場所。借地だったため、基礎やコンクリートが打てずに砂利敷きのままだった駐車場を、ポチがみんなの車目掛けて飛び付いたり、散歩の時タロウがシャベル(スコップ)をくわえて毎日歩いてた場所。まだ小さかった長女やちびが砂利に躓いて転んだり‥。二十年余りという、まさに人生の半分を過ごした場所でした。それが‥不思議な感じがしました。舗装して、新しい建物が建っただけなのに‥何の思い出もない新しい場所になりました。これからも通うことになる最寄のコンビニです。あの思い出の上を、これからも通るんだと思ったら、こんな思いをするのはわたしとごく少人数の人達だけなんだなー‥と思って、寂しさと‥とても不思議な感覚を覚えました。こうやって‥場所は姿を変えて行くんですね。変わって行く様を見届けたり、知らぬ間に変わり果てていたり。その場所が無くなる訳ではないのに、知らない場所になる。二度と戻れない記憶になる。覚えている人がいなくなった時、本当にそこは消えるのかもしれません。真新しいアスファルトの下で私たちしか知らない、でも確かにあったあの時間達が、静かに眠っていて、知っている者の目にだけその姿を見せてくれるような‥そんな気がします。





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最終更新日  2010年08月02日 01時12分11秒
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