「一応、言うとくけど、自慢やと思わんといてくれよ
お前に、ワシという人物をよりよく知ってもらう為に話すんやからな。」
「はあ」
「ちなみに、これが『ガン』の称号と共にもろた
『ガン十字勲章』や」
「わあ!」
「あれは、アラスカ戦での出来事
やった」
「味方兵、5名が敵陣の真っ只中に
取り残されてもうてなあ。」
「大本営の判断は、いわゆる『見殺し』
やった。」
「5名を助ける為に、それ以上の犠牲
を出すわけにはいかん、ちゅうのが理由や。」
「ワシはどうしてもガマンならんで猛抗議したんやが、大本営の判断は覆らんかった。」
「結局、『一人の犠牲やったら、ええん
やろっ!』て言うて、単身、敵陣に乗り
込んだんや」
「そして、鬼神のような大活躍で見事、
味方兵5名を助け出すことに成功した
んや。」
「いや~、あの時はマヂ、死ぬかと・・・
って、お前、何しとんねん。」
「いや、これって、小物入れだったんだ。
首輪だと思ってたよ。」
「あほ~、なんで首輪なんかせなあかんねん。
つうか、お前、ワシの話、聞いてなかったやろ」
「え?ああ、乗り込んだんだっけ?」
しばらく、ガンにゃむは口を聞いてくれませんでした。