第一八話

第一八話 「見るなよ」










「おい、ワシ、今からちょっと出かけてくるけど、この箱の中身、絶対見るなよ。」


「うん、わかった。」


「ほな、行ってくるわ。」


「行ってらっしゃい。」






  ・・・ 10分後 ・・・






「見ろや~!!」






突然帰ってきたガンにゃむ。




「お~い、何で見いへんねん!」


「えっ!?ど、どうしたの?」


「どうしたの?やないわい。何で箱の中身、見いへんねん。」


「い、いや、見るなって言ったじゃん。」


「何言うとんねん。
見るなっちゅうたら、見るのがお約束やろが。」



「何、ムチャクチャ言ってるんだよ。」


「全然、ムチャやないわ。
ツルの恩返しで、ツルはのぞいて欲しいから、のぞくな言うたんや。
もし、じいさんがのぞかんかったら、ツルは死ぬまで機織りせんとあかんかったやろが。」



「そ、そうかなぁ。」


「そうに決まっとるやろ。
ホンマ、言葉の機微っちゅうもんが分からんヤツやな。『混ぜるなキケン!』は混ぜてくれの合図や。」



「それは絶対に違う。」


「まあ、ええわ。とっととその箱、開けてみい。」









「・・・何、これ?」


「バ~カ!」


「・・・何、それ?」






どうやら、最近、自分の地位が低下しているような気がしていて、その打開策がこれだったらしいです。


見るなと言われた箱を勝手に見たオレをバカにする予定だったとか。
はあ。






「ふん、心理戦に長けたワシに勝つとは大したヤツやな。」


「つうか、10分しか待てなかった時点で、心理戦には長けてないよ。」















《目次》

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