+詩+80



Ъ オ  墓  参  リ Ъ






君  に  会  い  に  行  こ  う









この年で喪服なんざ持ってないので

黒いコート着て

君は菊とかがあまり好きじゃなかったから


フリージアの花束を持って

君の元へと行った




花屋の店員は

「お祝いですか?」と聞いてきた




「お祝いというか...久々に会うんで機嫌悪くしてるかもしれないから

これでもあげて怒りをなだめようと、ね」




お祝いと言えばお祝いかもしれない

今日は君が死んで

2年目の誕生日だから





墓場に着いた 只の墓場ではない

遠い小さな 孤島の墓場

墓場の島 そう呼ばれている


「まだ寝てるのか?」

墓場の前で俺は訪ねたけど 返事が返ってくるわけがない


生きてる時も 寝てばかりだったね

いつも「眠い 眠い」言ってて 寝たら

よく寝るなぁってのが君の第一印象だったんだよ

今思うと寝顔可愛いなぁってのも第一印象の1つだったんだ


.....何でだろうね

今更のように言葉がふつふつと湧いて出るよ



俺が告白した時以来

君は俺を避けるようになったよね



そりゃー、気まずかったかもしれないけど

「今までどおり、仲良くしよう」



その言葉に   嘘はなかったんだよね?


振られた俺は結構辛かったけど



振った君はもっと辛かったのかな?




もう分からないや....




君がいなくなってから

こっちはみんな気が抜けたというか

台風が去ったかのように静かになったよ




みんな、何だかんだ言って

君のことを忘れられないんだね 

俺と同じだね




この中に入っているのは 君じゃない

君だけど 骨だけなんだ

けどすぐ近くに 君がいるような感じがしてならない

君が生きているような感じがして

本当は......生きているの?




すぐにフラッとどこかにいって

ひょっこり帰ってくる君の性格だから

ホントは........




ううん ごめん

何でもないよ




君に言葉が届いているとは思えないけど

君に会えたワケじゃないけど

けれど嬉しかったよ 





でもせめて

もう一度だけ

君の寝顔が見たい


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