なまけいぬの、お茶うけをひとつ。  

なまけいぬの、お茶うけをひとつ。  

2009年09月14日
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カテゴリ: 本・マンガ(BL)
souma

表紙には 「衝撃の事実が明かされる」 と銘打っていたわけですが、確かに衝撃的。

衝撃的すぎて、一回目に読んだときは唖然としてしまいました( ̄∇ ̄;)


エー・・・まあ何といいますか。

櫻子は男でした。


まさかこう来るとは思ってなくて、ページをめくった瞬間開いた口がふさがらなかったと申しますか・・・「え?いきなり?」みたいな。

フルーツ○スケットにもこんな方がいらっしゃったような気がしなくもないのですが・・・

いや何も言うまい(;-ω-A


もう一度最初から読み返す頃になると櫻子ショックからも若干立ち直り、少し冷静に内容を見ることができるようになってました。

今から思えば、櫻子=男である伏線は一応あったのかな、と。

正崇の兄がハーモニカを残していったとき、櫻子が風呂場で正崇が吹くハーモニカの音色を聞いているシーンがありましたが、あの時櫻子は加藤に体を洗ってもらっていたのですよね。

昔だし、使用人に体を洗ってもらうのは当たり前なのかな?とその時は流していたのですが、よくよく考えたら15歳の「女の子」が男に体を洗わせるってちょっと変ですよね(^_^;)


あと、正崇に泥団子を食べさせようとした回では 「私から何もかも奪ったくせに」 と言ってる。

「お母様を」ではなく「何もかも」と言ったのは、櫻子すなわち櫻弥こそが斎木家の正当な嫡子だから。
蒼磨が櫻弥から奪ったのは母親だけでなく爵位も、ということですね。

蒼磨が襲爵しなかった理由はこれかー。
私はてっきり蒼磨は実は侯爵の息子ではないとかいうオチかと。


櫻弥の蒼磨に対する想いはやはり憎しみオンリーだけではなかったみたいです。

彼は「蒼磨を憎んでいる」と断言していたものの、私はどうもしっくりこなくて。
やっぱり愛憎入り乱れた複雑な心境だったみたいですね。


櫻弥が土蔵に閉じ込められるとき、幼い彼が窓からのぞいている蒼磨に向けて発した言葉は 「お兄様」 でした(何て切ないの~~(T-T))

十四年のときを越えて、やっと蒼磨が櫻弥と向き合えたのは、正崇が彼に正面から向き合っていこうと決めたからでしょうか。

せめてもう少し早ければ・・・と悔やまれます。


嗚呼、櫻弥・・・(;´Д`)ノ


彼の父親に対する叫びが忘れられません。

父親から顧みられない中、兄である蒼磨から温もりをもらっていたことをやっと思い出せたのに、そんな彼を殺してしまった(実際は死んでないわけですが)と悔いて・・・

ああもう、やりきれません。

っていうか、このあとどうなるんでしょう。
まだあと一話残ってますけど、 主要キャラほとんど死んでます。

最終回は蒼磨と正崇(もしくは蒼磨だけの)デッドエンドだとばかり思ってましたが、何か二人とも生き残りそうですね(´▽`;)

問題はどうやって生きてくかであって・・・

このまま斎木家にいたら蒼磨は確実に幸せになれないですから、家を出るのかなぁ。
まっっったく予想がつきません。

これまでも展開が予想できなかったけど、最終回はもっと無理。

渡瀬先生はこの作品は「悲劇」だとおっしゃってましたが、ここから更に暗い展開になっちゃったら、私下巻買う勇気なくなっちゃうよ・・・


だって今回も展開重すぎでしょう。

蒼磨の過去も櫻弥の過去も悲しすぎます。

蒼磨は何か葛城と寝る前からいろんな人に悪戯されてるみたいだったし・・・
(葛城との何じゃらかんじゃら(言葉にするのも嫌なのであいまい表現(笑))はもう見るにたえません。あーホント、死んでくれてよかった)

櫻弥もなんであんなに父親から無視されなきゃいけないんだろう。
アルビノだからですかねぇ? それしか思いつかないんですけど。


「櫻狩り」においてほとんど唯一の常識人だと思っていた斎木侯爵も、今回でかなり印象が悪くなりました。

櫻弥を閉じ込めていた時点でもう父親として既にアレなのですが、以前では櫻子の印象があまりよくなかったせいで、その辺の非道さがあまり伝わらなかったんですよね。

今はもう何ていうか、 「去ねよ、メランコリックおやじ」 って感じです(爆)



今回のお話を読んで思ったのですが、「櫻狩り」のテーマは 「顧みられない子供たちの悲哀と再生」 なのかなぁという気がしました。

「顧みられない子供たち」というのは、蒼磨や櫻弥は言わずもがなですが、正崇や葛城も入ると思ってます。私は。

正崇は養父母の家では「他人」だし、葛城も幼少の頃虐待されていましたよね。

幼い頃愛ではなく暴力や疎外感を吸収した子供は、大人になってからも心に何らかのねじれを抱えてしまうのかなぁという気がしてます。

よく、過去に辛い思いをしたことのある人は、他人の痛みに対しても敏感だといわれますが、痛みしか知らない人は他人に愛情を与えることなんてできない。
与えることができたとしても、それがねじくれる。

全員に当てはまる話ではないのでしょうが、蒼磨なんかその典型だと思います。
よく聞く「被害者が加害者に」という話ですね。体を貪られることしか知らなかったから、正崇を陵辱することでしか彼をつなぎとめられなかった、と。

蒼磨が愛を知っていれば、もっと他の方法が取れたと思うんですけどね。


そして子供たちの「再生」も、このお話のテーマなんじゃないかと。

櫻弥と葛城はもう死んじゃってるので再生は不可能ですが、蒼磨と正崇はまだ終わってません。

蒼磨が再生するかはまだ分かりませんが、正崇は過去を乗り越えて新しい一歩を踏み出そうとしています。

蒼磨にされたことが許せなくても、彼の想いを受け入れることができなくても、一人の人間として向き合う。

そう決心できた正崇はとても強いなあと思いました。


でも蒼磨の想い、本当に受け入れないのかなぁ。

だったら華奈子との結婚話を聞いたときのあの複雑そうな表情は一体なんだったんだろう(´▽`)


何だかんだ盛りだくさんな第八話でしたが、次でいよいよ最終回ですね。

次号はなにやらビッグニュースがあるらしい・・・「玄武開伝」いよいよ再開ですかね。






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最終更新日  2009年09月14日 14時25分43秒
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