すべては家族のために
「この日までにこれをやる」と決めたらとことん集中してやる。
修士論文もそうだった。
締め切りは１月。でもとうさんはクリスマスイブまでには完全に提出することを決めていた。
クリスマスから年末年始にかけて、家族とゆっくり過ごせるように。
そして、大掃除やお正月の準備もしようと決めていたのでしょう。
年が明けたら部屋を整理して、１年生になる長男のために子供部屋にするという予定も立てていた。
そして、本当にその日までに提出を終えていた。
それまでは、昼食を食べるのも忘れるほど朝から夕方まで集中してやっていた。
そのおかげで、冬休みは家族でゆっくり過ごすことができた。
毎晩飲んで、食べて、かなり太ったと思う。（２人とも）
そんなとうさんに比べ、私はだめ。
集中しているとうさんのそばでおしゃべりばかりしていた。
適当に返事してあしらわれていたけど、何気ないそんな会話がとても心地よかった。
普通にその日あったことなどを話せる相手がいるだけで、幸せなんだということが今では痛いくらいに分かる。
そんなだから、私はいつも仕事が遅い。
手より口の方が動くのでとうさんが終わった頃にあせって始めるような状態だった。
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