苦節ウン年、背水の陣でリリースした『楽園』がロングヒットとなり、ついにブレイクを果たした平井堅。元々はポップスからスタートした彼。『楽園』のヒットを機に、本格的にR&Bに傾倒。 3rdアルバムとなったこの作品は、ほぼすべての楽曲が、ソウル・R&B色で統一されています。中にはもう少しポップス然とした曲もあるにはあるんだけど(『the flower is you』・『Unfit In Love』とか)、それにしてもアルバム全体を覆うR&Bのムードは強烈です。 ちょっとこういう雰囲気は趣味じゃないんだけど、聴いてみると曲は悪くないです。彼の歌唱力も本当によく分かる。上手いですねぇ。 ただ、これだけ曲数が多くて、しかもどれもが平均点クラスの同じような曲に聴こえてしまうというのがツライな。ブレイク作として気合が入っているのは分かりますが、もう少しコンパクトにまとめても良かったと思います。好きな人は好きなんでしょうけどね。
1.Introduction -HERE COMES K.H.-
(評価なし) 2.Love Love Love
★★★ 3.why
★★★ 4.affair
★★★ 5.the flower is you
★★★ 6.Interlude -BRIGHTEN UP-
(評価なし) 7.K.O.L
★★★☆ 8.LADYNAPPER
★★★ 9.Unfit In Love
★★☆ 10.wonderful world
★★☆ 11.Interlude -TURN OFF THE LIGHTS-
(評価なし) 12.楽園
★★★ 13.アオイトリ
★★ 14.The Changing Same -変わりゆく変わらないもの-
★★☆
総合 ★★
(記:2007.6.5)
4thアルバム 『gaining through losing』 (2001.7.4)
1.She is!
★★★ 2.KISS OF LIFE
★★★ 3.L'Amant
★★☆ 4.Miracles
★★★ 5.TUG OF WAR
★★ 6.メリー・ゴー・ラウンド・ハイウェイ
★★☆ 7.TABOO
★★★ 8.Sweet Pillow
★★☆ 9.LOVE OR LUST
★★★ 10.ワールズエンド
★★★ 11.even if
★★★☆ 12.Gaining Through Losing
★★★★
総合 ★★★
どギヅイR&B臭というのはいくぶん後退し、ポップス要素が再び返り咲いてきたという印象の4thアルバム。『KISS OF LIFE』や『LOVE OR LUST』といったシングルが発表されたことからも、今作の作風が多少想像出来たのではないでしょうか。しかしながら、R&Bとポップスの両者が結合・昇華するというところまでいっているかというと、素直にウンとは言えない面があります。トラックはよく出来てはいるのですが、よく出来すぎていて物足りないというか、個人的には魅かれるところが少ないんですよね。彼のシンガーとしての実力は理解出来るんですけどね。もっと破綻とインパクト、アルバムを通して聴かせる構成力があって欲しかったなぁ。前作同様、中盤で飽きてしまいます。 本当にじっくりと歌を聴かせる『even if』から、大団円『Gaining Through Losing』で締めるラストは好きです。 (記:2008.1.1)
5thアルバム 『LIFE is...』 (2003.1.22)
1.Strawberry Sex
★★★☆ 2.REVOLVER
★★★ 3.ex-girlfriend
★★★ 4.Ring
★★★☆ 5.Come Back
★★★☆ 6.somebody’s girl
★★★☆ 7.I’m so drunk
★★★☆ 8.Missin’ you ~It will break my heart~
★★★ 9.世界で一番君が好き?
★★★★ 10.メモリーズ
★★☆ 11.LIFE is...
★★★☆ 12.大きな古時計
★★★
総合 ★★★★
バランスが良いですね。サウンドの面でも、アルバムの構成の面でも。これまでの彼の作品であった、通して聴くと飽きちゃうという点が、今作では自然に解決されています。『RING』・『Missin’ you ~It will break my heart~』・『LIFE is...』といったバラードが各所に置かれ、様々なタイプの楽曲がその間を埋めるようにしています。埋めるって言ったら言葉が悪いかな。捨て曲はありません。前作までにもあった『REVOLEVER』や『ex-girlfriend』のようなファンク・R&B路線の楽曲も、濃さよりも耳辺りの良さを意識している印象。全編『Come Back』や機械色の強い『I’m so drunk』も、聴き心地が良いです。ジャジーなアレンジを施した『世界で一番君が好き?』も新鮮で好印象。平井堅がアーティストとして確実にレベルアップしていることを感じさせる一枚。 (記:2008.6.4)
27thシングル 『fake star』 (2007.9.12)
1.fake star
★★★☆ 2.fake star ~Ken’s swingin’ Jazz~
★★★ 3.POP STAR × fake star (MASH UP version)
★★★☆
PVでの濃厚なセクシーシーンが話題となりました。彼のヒット曲『POP STAR』のセルフパロディーといいますか、「POP STAR」の持っているもうひとつの顔を描いた楽曲と言えそうですね。3曲目の『POP STAR × fake star (MASH UP version)』は、まさにそうした二つの顔がクロスし合う、オモテ(「POP STAR」としての顔)とウラ(本心)とが巧みに表現されたトラックに仕上がっています。やっぱり歌上手いですね、この人。 (記:2008.3.2)