NO-NAMEの隠れ家

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平井堅

作品レビュー

1stアルバム
『un-balanced』
(1995.7.7)

1.二人の迷路 ★★☆
2.Negative ★★☆
3.Precious Junk ★★★☆
4.笑顔 ★★★
5.片方ずつのイヤフォン ★★☆
6.EASY ★★★
7.破りたい ★★
8.青空 ★★★
9.花びら ★★★
10.White ~僕に会いたい~ ★★★
11.STAR ★★★

総合 ★★★

平井堅の1stアルバム。なんというか、メチャクチャにポップなんですよね。王道J-POP路線。現在はこうしたポップな作風に戻って来ている彼ですが、『楽園』以前にこんな楽曲をやっていたということには今更ながら驚き。まぁ、結果論だけど「ありきたりな音」ということで売れなかったわけであり、ここからヒットまでの長い旅が始まるわけです。
でも、今聴いてみるとかえって新鮮だし、気に入る人も多いんじゃないかな。「ありきたり」ってのは、この作品の発売された1995年を基準にした印象であって、確かにあの時代にこうした音というのは街中に氾濫しまくっていた気がしますが、逆に今のJ-POP界では、こうしたストレートなポップスを歌う男性ソロシンガーって少ないですよね。そういう意味では、ポップス路線に返り咲いてきた現在の彼の存在は非常に貴重だと思います。
そして、やはりこの頃から既に彼の歌唱力は抜群です。デビュー曲『Precious Junk』での伸びやかなヴォーカルにはホレボレしてしまいます。
作詞・作曲も手掛けており、センスを発揮しています。この時期ならではの(?)特異な楽曲として挙げておきたいのが、中盤の2曲。『EASY』は彼が関西人だったことを思い出させてくれるようなノリの1曲(笑)。そして『破りたい』は、何故か急に男闘呼組のような熱い1曲。見事に浮いています(笑)。この2曲が濃いゆえに、終盤4曲はやや印象に残りづらいですが、デビュー曲の候補にもなった『青空』や、じっくりと歌われるバラードの『STAR』等、聴き込むと良い曲が揃っています。
いち男性シンガーのデビュー作としても、なかなかじゃないでしょうか。今後、彼の新作に飢えた時に、ニューアルバムのつもりで買ってみても良いかもしれませんよ(笑)。
(記:2008.3.13)










3rdアルバム
『THE CHANGING SAME』
(2000.6.21)

苦節ウン年、背水の陣でリリースした『楽園』がロングヒットとなり、ついにブレイクを果たした平井堅。元々はポップスからスタートした彼。『楽園』のヒットを機に、本格的にR&Bに傾倒。
3rdアルバムとなったこの作品は、ほぼすべての楽曲が、ソウル・R&B色で統一されています。中にはもう少しポップス然とした曲もあるにはあるんだけど(『the flower is you』・『Unfit In Love』とか)、それにしてもアルバム全体を覆うR&Bのムードは強烈です。
ちょっとこういう雰囲気は趣味じゃないんだけど、聴いてみると曲は悪くないです。彼の歌唱力も本当によく分かる。上手いですねぇ。
ただ、これだけ曲数が多くて、しかもどれもが平均点クラスの同じような曲に聴こえてしまうというのがツライな。ブレイク作として気合が入っているのは分かりますが、もう少しコンパクトにまとめても良かったと思います。好きな人は好きなんでしょうけどね。

1.Introduction -HERE COMES K.H.- (評価なし)
2.Love Love Love ★★★
3.why ★★★
4.affair ★★★
5.the flower is you ★★★
6.Interlude -BRIGHTEN UP- (評価なし)
7.K.O.L ★★★☆
8.LADYNAPPER ★★★
9.Unfit In Love ★★☆
10.wonderful world ★★☆
11.Interlude -TURN OFF THE LIGHTS- (評価なし)
12.楽園 ★★★
13.アオイトリ ★★
14.The Changing Same -変わりゆく変わらないもの- ★★☆

総合 ★★

(記:2007.6.5)










4thアルバム
『gaining through losing』
(2001.7.4)

1.She is! ★★★
2.KISS OF LIFE ★★★
3.L'Amant ★★☆
4.Miracles ★★★
5.TUG OF WAR ★★
6.メリー・ゴー・ラウンド・ハイウェイ ★★☆
7.TABOO ★★★
8.Sweet Pillow ★★☆
9.LOVE OR LUST ★★★
10.ワールズエンド ★★★
11.even if ★★★☆
12.Gaining Through Losing ★★★★

総合 ★★★

どギヅイR&B臭というのはいくぶん後退し、ポップス要素が再び返り咲いてきたという印象の4thアルバム。『KISS OF LIFE』や『LOVE OR LUST』といったシングルが発表されたことからも、今作の作風が多少想像出来たのではないでしょうか。しかしながら、R&Bとポップスの両者が結合・昇華するというところまでいっているかというと、素直にウンとは言えない面があります。トラックはよく出来てはいるのですが、よく出来すぎていて物足りないというか、個人的には魅かれるところが少ないんですよね。彼のシンガーとしての実力は理解出来るんですけどね。もっと破綻とインパクト、アルバムを通して聴かせる構成力があって欲しかったなぁ。前作同様、中盤で飽きてしまいます。
本当にじっくりと歌を聴かせる『even if』から、大団円『Gaining Through Losing』で締めるラストは好きです。
(記:2008.1.1)










5thアルバム
『LIFE is...』
(2003.1.22)

1.Strawberry Sex ★★★☆
2.REVOLVER ★★★
3.ex-girlfriend ★★★
4.Ring ★★★☆
5.Come Back ★★★☆
6.somebody’s girl ★★★☆
7.I’m so drunk ★★★☆
8.Missin’ you ~It will break my heart~ ★★★
9.世界で一番君が好き? ★★★★
10.メモリーズ ★★☆
11.LIFE is... ★★★☆
12.大きな古時計 ★★★

総合 ★★★★

バランスが良いですね。サウンドの面でも、アルバムの構成の面でも。これまでの彼の作品であった、通して聴くと飽きちゃうという点が、今作では自然に解決されています。『RING』・『Missin’ you ~It will break my heart~』・『LIFE is...』といったバラードが各所に置かれ、様々なタイプの楽曲がその間を埋めるようにしています。埋めるって言ったら言葉が悪いかな。捨て曲はありません。前作までにもあった『REVOLEVER』や『ex-girlfriend』のようなファンク・R&B路線の楽曲も、濃さよりも耳辺りの良さを意識している印象。全編『Come Back』や機械色の強い『I’m so drunk』も、聴き心地が良いです。ジャジーなアレンジを施した『世界で一番君が好き?』も新鮮で好印象。平井堅がアーティストとして確実にレベルアップしていることを感じさせる一枚。
(記:2008.6.4)










27thシングル
『fake star』
(2007.9.12)

1.fake star ★★★☆
2.fake star ~Ken’s swingin’ Jazz~ ★★★
3.POP STAR × fake star (MASH UP version) ★★★☆

PVでの濃厚なセクシーシーンが話題となりました。彼のヒット曲『POP STAR』のセルフパロディーといいますか、「POP STAR」の持っているもうひとつの顔を描いた楽曲と言えそうですね。3曲目の『POP STAR × fake star (MASH UP version)』は、まさにそうした二つの顔がクロスし合う、オモテ(「POP STAR」としての顔)とウラ(本心)とが巧みに表現されたトラックに仕上がっています。やっぱり歌上手いですね、この人。
(記:2008.3.2)










28thシングル
『キャンバス/君はス・テ・キ♥』
(2008.2.20)

1.キャンバス
2.君はス・テ・キ♥
3.Cry & Smile!!
4.キャンバス (piano version)

この人が歌が上手いということは誰もが認めるところでしょう。で、その「歌が上手い」ってことなんだけど、一般的に彼をそう評価する時の基準になってるのが「伸びやかな高音」だと思うんですね。ちょっと息苦しそうに歌うのも、セクシーな魅力として転化している面もあったり。ただ、この『キャンバス』から感じた彼の歌唱力の高さはそれとは真逆で、ズバリ「低音」の歌いこなし方。この曲のサビ「このままじゃーー、いらーーれーなーくーてーーもーー」というフレーズですが、これだけ低音キーでたっぷりと間をとったメロディーを大らかにふくよかに歌うのって、実はかなり難しいんですよね。これを聴いて、彼の凄さがより強く印象付けられました。
続いて、『君はス・テ・キ♥』。これはまた別の意味でスゴイ。「サビだけCMで聴くのと1曲まるまる聴くのとでは大きく印象が異なる楽曲ランキング」2008年度上半期第1位(笑)。ディスコ+テクノ。電気グルーヴかと思った。重低音がブリブリきますね。『キャンバス』という保険をかけておく一方で、これを両A面の片割れに持ってくるというのも、ブッ飛んでいるようですが、かなり正しい判断なのではと思えてきます。
そして、『Cry & Smile!!』。歌詞だけ先に眺めて「なんてつまらなそうな曲だ」と思ったのですが、そこは平井先生の作曲力+表現力。ちゃんと良い曲です。
三者三様。このシングルはなかなかスゴイっすよ。『キャンバス (piano version)』は、タイトルを聴いてイメージする通りの内容。可もなく不可もなく。
(記:2008.8.20)










29thシングル
『いつか離れる日が来ても』
(2008.4.23)

1.いつか離れる日が来ても

アルバム『FAKIN’ POP』からのシングルカット。1曲入り(プラス、ヴォーカル抜きトラック)シングルです。彼本人にとっても、自信作なのでしょう。『キャンバス』よりもカラオケ向きですね(笑)。
(記:2008.8.20)


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