NO-NAMEの隠れ家

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モーニング娘。

作品レビュー

1stアルバム
『ファーストタイム』
(1998.7.8)

1.Good Morning ★★★
2.サマーナイトタウン ★★★
3.どうにかして土曜日 ★★☆
4.モーニングコーヒー ★★★★
5.夢の中 ★★★☆
6.愛の種 ★★★
7.ワガママ ★★☆
8.未来の扉 ★★★
9.ウソつきあんた ★★★
10.さみしい日 ★★★

総合 ★★★

テレビ東京系『ASAYAN』の企画として、1997年9月に、中澤裕子・石黒彩・飯田圭織・安倍なつみ・福田明日香の5人をメンバーとして結成された「モーニング娘。」。
インディーズでシングル『愛の種』の5万枚手売りを達成。翌1998年の1月にシングル『モーニングコーヒー』でメジャーデビューすると、これがいきなりオリコン6位を記録。企画色の強いアイドルグループとして、当初から一定の人気を確保していましたが、「所詮企画モノ」、「一発屋」という見方があったことも事実。僕も当初はそう思いましたよ。だって、グループ名が「モーニング娘。」で、曲名が『モーニングコーヒー』だもんなぁ。「大事MANブラザーズバンド」で『それが大事』みたいなもんじゃん!!(笑)。
しかし、同年5月には、追加メンバーとして、保田圭・矢口真里・市井紗耶香が加入。直後のシングル『サマーナイトタウン』では、ダンスビートを見せ、オリコン4位を記録。これからの更なる活動を予感させました。プロデューサーのつんく♂が、「モー娘は、視聴者が育てるアイドルなんです。」とコメントしていたのも記憶に残っています。
とびっきりルックスが良い子達というわけでもなく、どこにでもいそうな、言うなればクラスメイトのような馴染みやすい女の子達ということを念頭にメンバーが選ばれたのも、一般層からの支持を集める大きな要因となったと思います。女性ファンからも反感を呼ばない、むしろ共感を呼ぶようなグループというのが特徴的ですね。
そして7月にリリースされた1stアルバムがこれなんですが、意外と良く出来ています。まさしく始まりに相応しく明るく楽しい『Good Morning』で幕を開け、セクシーなダンスビート『サマーナイトタウン』へ。この曲は、もうつんく♂のお家芸みたいなものですね。洋楽を歌謡曲にグッと引き寄せて料理した1曲。続いて、ソウルフルな『どうにかして土曜日』、そしてデビューシングルとなった『モーニングコーヒー』。『夢の中』ではしっとりと、『愛の種』はポップに優しく聴かせてくれます。ギターロック『ワガママ』、ヒップホップの要素を取り入れた序盤からパーティーチューンへと変化する『未来の扉』、バンドサウンドの気持ちいい『ウソつきあんた』、そして最後はピアノをバックにしたシンプルで切ないバラード『さみしい日』と、奇麗に構成されているなという印象。今のモー娘では考えられないほど、ポップスとして整然とした作品であることに驚きました。一般のリスナーにもスムーズに受け入れられる可能性を十分に持った一枚です。
(記:2007.6.14)










2ndアルバム
『セカンド モーニング』
(1999.7.28)

1.NIGHT OF TOKYO CITY ★★★☆
2.真夏の光線 (Vacation Mix) ★★★☆
3.Memory 青春の光 ★★★
4.好きで×5 ★★☆
5.ふるさと ★★★
6.抱いてHOLD ON ME! (N.Y. Mix) ★★★★
7.パパに似ている彼 ★★★☆
8.せんこう花火 ★★★
9.恋の始発列車 (Album Version) ★★☆
10.乙女の心理学 ★★☆
11.Never Forget (Large Vocal Mix) ★★★
12.ダディドゥデドダディ! ★★☆

総合 ★★★☆

前作『ファーストタイム』発売後の1998年9月にリリースされた3rdシングル『抱いてHOLD ON ME!』がオリコン1位を獲得。年末のレコード大賞では最優秀新人賞を受賞。紅白歌合戦にもこの曲で出場を果たします。同年10月には、グループ内ユニットとして、石黒彩・飯田圭織・矢口真里の3人による「タンポポ」の結成が発表されます。これが、以降乱発される、モー娘からの派生的なユニットの最初。
1999年3月から初の全国ツアーが行われますが、安倍なつみと並ぶ当時の主力メンバーだった福田明日香が、学業優先の為4月で脱退。モー娘は7人編成になります。
以後、人気に翳りが見え始め、約50万枚を売り上げた『抱いてHOLD ON ME!』から一転、シングルは『Memory 青春の光』・『真夏の光線』・『ふるさと』と、リリースするたびにランクと売り上げを落としていきます。この後、8月末の後藤真希加入によって人気は復活、『LOVEマシーン』の大ヒットに繋がるのですが、まだそれは先の話。衰退・谷間の時期だった7人時代の1999年7月にリリースされた2ndアルバムが今作です。
谷間の時期とはいえ、今作も楽曲は揃っています。前作を上回る充実したポップスアルバムとして仕上がっています。冒頭の『NIGHT OF TOKYO CITY』は、前作のオープニングとは大きくカラーの異なる大人っぽいダンサブルな楽曲。続くは爽快サマーポップス『真夏の光線』。この2曲でつかみはバッチリ。そしてエセR&B歌謡の『Memory 青春の光』。コーラスも頑張ってます。控えめなロックサウンドにセクシーな歌唱が乗るのが『好きで×5』。続く『ふるさと』は安倍なつみのソロと言っても良いほどの楽曲。東京に出た女の子が故郷の母親に話すという歌詞も、彼女のために作られた感があります。音自体は、中華風のアレンジメントが耳に残るミディアムナンバーで、初期の槇原敬之が作りそうな感じ。そして続くは彼女の第1次ブレイク曲『抱いてHOLD ON ME!』。この曲は、2ndシングルの『サマーナイトタウン』に続いて、ダンサブルなサウンドと歌謡曲を融合させたつんく♂の十八番。更にハウスっぽい処理をしていることで、『サマー~』とは差別化がなされていますね。耳に残るサビメロ、途中に仕組まれているラップ、飯田による「ねぇ、笑って」のセリフなど、笑っちゃうくらい良く出来ています。アルバムはここから、凝ってはいても冒険に走らない王道ポップス路線で展開します。『パパに似ている彼』はサビ終盤部に差し込まれる「強気なくせに~♪」のメロディーが実に良い味を出している隠れた名曲。続いて、『せんこう花火』・『恋の始発列車』。ラテンの『乙女の心理学』を経て、『Never Forget』。脱退する福田明日香のために作られた楽曲です。それにしても、福田はモー娘歴代でもトップクラスを誇る歌唱力の持ち主でした。中学生とは思えません。フィナーレを飾るのは青春ソング『ダディドゥデドダディ!』。大合唱です。
と、いうことで、前作を上回る曲数・内容の2ndアルバム。特に7曲目あたりまでは本当に充実していて、一気に聴けてしまいます。後半がややパワーダウンするかなというのが勿体無いところ。
さて、人気に翳りが出てきた彼女達に救世主が加わるのは、このアルバムから1ヵ月後のことでした。
(記:2007.6.22)


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