1.NIGHT OF TOKYO CITY
★★★☆ 2.真夏の光線 (Vacation Mix)
★★★☆ 3.Memory 青春の光
★★★ 4.好きで×5
★★☆ 5.ふるさと
★★★ 6.抱いてHOLD ON ME! (N.Y. Mix)
★★★★ 7.パパに似ている彼
★★★☆ 8.せんこう花火
★★★ 9.恋の始発列車 (Album Version)
★★☆ 10.乙女の心理学
★★☆ 11.Never Forget (Large Vocal Mix)
★★★ 12.ダディドゥデドダディ!
★★☆
総合 ★★★☆
前作『ファーストタイム』発売後の1998年9月にリリースされた3rdシングル『抱いてHOLD ON ME!』がオリコン1位を獲得。年末のレコード大賞では最優秀新人賞を受賞。紅白歌合戦にもこの曲で出場を果たします。同年10月には、グループ内ユニットとして、石黒彩・飯田圭織・矢口真里の3人による「タンポポ」の結成が発表されます。これが、以降乱発される、モー娘からの派生的なユニットの最初。 1999年3月から初の全国ツアーが行われますが、安倍なつみと並ぶ当時の主力メンバーだった福田明日香が、学業優先の為4月で脱退。モー娘は7人編成になります。 以後、人気に翳りが見え始め、約50万枚を売り上げた『抱いてHOLD ON ME!』から一転、シングルは『Memory 青春の光』・『真夏の光線』・『ふるさと』と、リリースするたびにランクと売り上げを落としていきます。この後、8月末の後藤真希加入によって人気は復活、『LOVEマシーン』の大ヒットに繋がるのですが、まだそれは先の話。衰退・谷間の時期だった7人時代の1999年7月にリリースされた2ndアルバムが今作です。 谷間の時期とはいえ、今作も楽曲は揃っています。前作を上回る充実したポップスアルバムとして仕上がっています。冒頭の『NIGHT OF TOKYO CITY』は、前作のオープニングとは大きくカラーの異なる大人っぽいダンサブルな楽曲。続くは爽快サマーポップス『真夏の光線』。この2曲でつかみはバッチリ。そしてエセR&B歌謡の『Memory 青春の光』。コーラスも頑張ってます。控えめなロックサウンドにセクシーな歌唱が乗るのが『好きで×5』。続く『ふるさと』は安倍なつみのソロと言っても良いほどの楽曲。東京に出た女の子が故郷の母親に話すという歌詞も、彼女のために作られた感があります。音自体は、中華風のアレンジメントが耳に残るミディアムナンバーで、初期の槇原敬之が作りそうな感じ。そして続くは彼女の第1次ブレイク曲『抱いてHOLD ON ME!』。この曲は、2ndシングルの『サマーナイトタウン』に続いて、ダンサブルなサウンドと歌謡曲を融合させたつんく♂の十八番。更にハウスっぽい処理をしていることで、『サマー~』とは差別化がなされていますね。耳に残るサビメロ、途中に仕組まれているラップ、飯田による「ねぇ、笑って」のセリフなど、笑っちゃうくらい良く出来ています。アルバムはここから、凝ってはいても冒険に走らない王道ポップス路線で展開します。『パパに似ている彼』はサビ終盤部に差し込まれる「強気なくせに~♪」のメロディーが実に良い味を出している隠れた名曲。続いて、『せんこう花火』・『恋の始発列車』。ラテンの『乙女の心理学』を経て、『Never Forget』。脱退する福田明日香のために作られた楽曲です。それにしても、福田はモー娘歴代でもトップクラスを誇る歌唱力の持ち主でした。中学生とは思えません。フィナーレを飾るのは青春ソング『ダディドゥデドダディ!』。大合唱です。 と、いうことで、前作を上回る曲数・内容の2ndアルバム。特に7曲目あたりまでは本当に充実していて、一気に聴けてしまいます。後半がややパワーダウンするかなというのが勿体無いところ。 さて、人気に翳りが出てきた彼女達に救世主が加わるのは、このアルバムから1ヵ月後のことでした。 (記:2007.6.22)