2021/04/01
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テーマ: 社交ダンス(8741)
自分と全く同じ見た目の反物質で出来た人と出会うと二人は消滅するなんていう話を、むかしSF小説で読んだ気がします。

本当かどうか怪しいと思っていましたが、宇宙誕生の時は、物質と反物質は同じ数だけ生まれたそうです。

0から-1と+1が出てきたようなイメージでしょうか。

ところがどうしたわけか、いつの間にかこの宇宙から反物質が消えてしまっていたんです。

その理由として対称性の破れという説が湧き上がって、日本人科学者がノーベル賞を受賞されたりしたのは比較的最近のことでした。





2021年4月1日の科学雑誌Nature (Vol. 592 Issue 7852)の表紙を飾ったのは、レーザー冷却された反物質(紫外光による反水素原子の操作と冷却)です。

反物質をめぐるどんな新しい発見があったんでしょう。





反物質は、存在しないんですけど作り出すことはできます。

ヨーロッパの素粒子物理学研究所(CERN)粒子加速器で1995年に11個の反水素原子が生成されました。

とんでもないエネルギーを注ぎ込んで粒子を光速に近いスピードまで加速して反応させたんです。





でも存在したのはわずか数十ナノ秒だけ。

0.00000001秒くらいじゃ、ほんとに居たんですかっていうレベルです。

どんなものだったのかなんてよく分かりません。

そこでもっとゆっくり観察できるようになんとかスピードを落とせないか、世界中の頭のいい人たちが考えたわけです。





冷やせばいいんじゃないか?

人だって寒いと動き鈍りますからね。

でも簡単じゃないんです。

超高速で飛んでる一瞬しか存在しない極小の粒子ですから。





レーザー冷却というのは1970年代に開発されて1997年にノーベル賞を受賞した手法で、今では様々な分野で応用されている技術です。

レーザーポインターの光に当たったところで人はなんら影響を受けませんが、光子にはほんの少し圧力があるんです。

水素原子のような小さい粒子になると、その圧力の影響を受けるんですね。





それを初めて物質ではなく反物質に応用してみたという研究が今回紹介されていました。

障害物競走で走ってるお父さんが、網を潜るときに減速するみたいなイメージでしょうか。

そのちょっとした減速で反物質の正体を見抜けるかどうかはこれからの課題だと思いますが、これまで捉え所のなかった幽霊のしっぽを捕まえる方法の一つを見つけたというわけです。





赤または緑のレーザーポインターは、通常、1秒あたり1015~1016のレーザー光子を放出しますが、各光子が与えることができる運動量は非常に小さいため、この光が日常の物体に及ぼす圧力を検出することは困難です。 ただし、単一の反水素原子の質量は非常に小さいため(1.7×10–24グラム)、紫外線波長が121.6ナノメートルのレーザー光子を吸収するたびに速度が時速約12キロメートル変化する可能性があります。

著者らは、数十のそのような吸収がサンプル中の原子の一部を時速50キロメートル未満に減速させることを観察しました。 この速度の低下は、原子の冷却に対応します。
(Nature誌から引用)






チームには日本人科学者も参加されていて、これをとっかかりに宇宙の謎にも迫ろうとのこと。

生きている間にこんな話が聞けるなんて、すごいですね。

もっと詳しく知りたい方は こちら からどうぞ。





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Last updated  2021/04/02 07:51:46 PM
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